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アルパイン登山 ー Whitman Crest in Mt. Rainier National Park

今回のアルパイン登山は、マウント・レーニア国立公園内に聳える Whitman Crest です。この山の標高は 2,842 m で、山頂付近には Fryingpan Glacier と呼ばれる氷河があります。

登山は早朝 2 時 15 分にヘッドランプの光だけを頼りにスタートし、休憩などを挟みつつ、登山口に戻ってきたのは 14 時 30 分頃でした。この約 12 時間 15 分の間に、約 21.5 キロを歩き、1,770 m の標高を上げました。

超早朝にスタートした理由は、日中は氷河の上に積もっている雪が溶け出し、一歩ごとに雪に嵌ったり、膝くらいまで踏み抜いたり、最悪の場合、隠れているクレバスに落ちる可能性があるためです。そのため、少しでも氷河の状態が良い早朝に登山するのが一般的です。今回も山頂からの下山時には、氷河の雪質が悪くなっており、何度か脛の真ん中くらいまで嵌りながら下りてきました。

前回のオリンパス山登山同様、氷河では 3 人一組のロープチームでの登山でしたが、疲れてくると注意散漫となり、アイゼンを履いているブーツでロープを踏んでしまうことがあり、まだまだ練習が必要です。

スマホGPSによる実測行程。左端(西側)にマウント・レーニアが聳えています。
日の出は 5 時 20 分ころでした。
早朝 2 時集合、2 時 15 分に登山を開始しましたが、最初から最後まで長袖1枚で十分な気温でした。
朝日に照らし出される峰々。奥に見えるのがマウント・レーニアですが、この位置からは標高 4,329 m もあるようには見えません。また、Whitman Crest は手前の頂きに遮られて見えていません。
ここは本当に厳しいガレ場で、氷河に入るまでに約1時間かかりました。
実は、このガレ場は下山時にはさらに厳しく、仲間も『本当にこんなところを登ってきたのか?!?!』と疑心暗鬼になりながらの下山でした(登山道や標識などは全くありませんでした)。
ようやくガレ場の終点に到達しました。この先に氷河、Fryingpan Glacier が見えてきます。
先頭グループが氷河登山をスタートしました。
真ん中の三角形の山が頂上と思いきや、Whitman Crest の山頂はまだ隠れています。
前回のオリンポス山登山の氷河とは違い、前方に目標となる山しか見えず、精神的に辛い氷河登山でした。
ようやく山頂の麓に到着しました。2つ上の写真の、中央にある三角形の頂きの裏手にあたります。ロープやアイゼンを外し、ここから再び山頂を目指してガレ場を登ります。
もう 20 ~ 30 メートルで頂上です。後方中央の遥か彼方に見えているのはアダムス山で、標高 3,743 メートルを誇るワシントン州第2位の山です。この地点からは直線で約 80 キロほど先に聳えています。
山頂にてグループ写真。私は少しでも日に焼けないように完全防備です。氷河登山では、日焼け止めを頻繁に塗らないと、あっという間に鼻の下や顎の下、さらには耳の中まで焼けてしまいます。
下山開始
アダムス山
山頂から見えたクレバスの切れ目
この日は大気がモヤッとしていましたが、州内第2位のアダムス山の他に、3位のベーカー山、4位のグレーシャー・ピーク、そして5位のセイント・ヘレンズ山の姿も見えました。
この斜度の厳しいガレ場を下山してきました。
ようやくトレイルに戻ってきました。高山植物が咲いていたり、清流が流れていたりと、写真を撮りたい気持ちはありましたが、いつも通り、既にクタクタで、写真を撮る余裕はありませんでした。


今年の氷河登山はこれにて終了です。これからは表面の雪が溶け、ガチガチの氷が剥き出しになってくるため、安全に登れる状況ではなくなるためです。

次回の記事は8月中旬か9月に行く予定にしているマルチピッチ・ロッククライミングになる予定です。

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