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亀田俊和(としたか)先生と「貴君」のご縁?

 『観応の擾乱』の時には気がつかなかったのですが、『サラ金の歴史』でハッとしました。『中先代の乱』は亀田俊和(としたか)先生のご縁で上梓された旨が謝辞として書かれていますが、貴君は、私と1999年4月上旬に同じクラス(出席番号トップ層のクラス)のオリエンテーションで日本政治史のT教官(担任)が入室する前に、E君と筆者の3人で初対面の会話をしていませんでしたか?

 受験番号ではトップだった筆者ですが、入学したら出席番号順では53番になりました。貴君とE君と筆者は三人とも浪人生で、貴君はある予備校(現在は廃校)の出身だと名乗っていましたね。名前を交換しあったのに、すぐにド忘れするという短期記憶の弱い筆者ですが、こうしたエピソードを22年後の2021年に書いているのが不思議です。

 私法概論。一緒に単位を落としましたね。「答案用紙に『錯誤』という言葉を用いた者は全員不可にした」という謎ルールを、貴君は筆者にもたらしてくれましたが、iMacをマクドナルドの略称だと問題文を誤読した筆者にも、この問題は「錯誤」について論じる出題だと思いました。授業中に「錯誤」という言葉はH教授の口からは出なかったかもしれませんが、講義で全く使用されなくとも消費者法等の参考書(シラバスに載っていた文献)にはバッチリ書いてありましたよね。H教授の音量では聞き取れないので、筆者はシラバスに沿って勉強をしていました。『サラ金の歴史』を今の大学1年生が読んだら自分の生まれた時代が今と異なることに驚くかしれませんが、当時の筆者にとって割賦販売はテレビ通販(夏休みのアニメ特集の広告)でも出ていたので割と身近な話題でした。

 「”the Pope”を訳せないとは何事か」

 貴君は、英語(語学)の授業で別の出席者の誤訳を憤っていましたが、あのやりとりをしたのは廊下。なぜならば、貴君と筆者とは英語では別の授業を履修していたからです。あの当時(1999年)は「ローマ法王」と訳すべきか「ローマ教皇」と訳すべきか、英語の原文を見ていない筆者にはわかりませんでした。

 「独検3級とる!」

 阪神タイガースファンの第二外国語(ドイツ語)の教官に貴君は刺激をうけていましたが、企画集団の情報を真に受けた受講生が続出して、前期試験のあまりの出来の悪さに教官を激怒させ、後期では「席順にあてていく」というオーソドックスな授業になったのをおぼえていますか。筆者の場合は、阪急電車の中でAさんが「ドイツ語の予習、3時間かかっちゃった」という話を聞いて「同じ苦労を私もしている」と安堵したものです。Aさんはゼミでは国際法(3回生)・国際政治学(4回生)を履修し、4回生の時に机を並べました。

 オリエンテーションの時に話は前後しますが、1回生の生協総代(クラスで2名)では最初に立候補した筆者は全然感謝されなくて、誰も手をあげない中で時間を空費。O君が仕方なく立候補した時に万雷の拍手が起きましたね。筆者は、スパゲティをパスタと呼ぶことも知らず、生協食堂のパスタ取り放題でカルボナーラに感動し、「高校生・浪人生は『カルボナーラ』を知らない!生協食堂はスゴい!!!」と大学生協のO理事長に胸をはって総代オリエンテーションで言った筆者(1999)、間違っていないよね?!←自爆

 「民法Iで『優』をとる!」

 私法概論のリベンジを筆者に宣言した貴君でしたが、どうでしたか。筆者は、H教授の相変わらずの講義姿勢に疑問をもって講義に出なくなりました。民法Iの試験では前列をしめていたM君やYA君やYO君がいましたが、「『出世払い』について出題するのは反則」と言っていましたが、講義に出ない(試験も無視)筆者は、内田貴『民法I』(東京大学出版)を読んでいて同書に「出世払い」について記述されているのを知っていました。友達をなくすのはイヤだったから言わなかったのですが、「授業で使っていない用語を答案に書いたら不可」というH教授についての評判は最悪でしたね。H教授はダブルスクールを憎むあまり、「自分で勉強する」というのを単位認定という職権で縛っていたようです。

 ダブルスクールといえば。法科大学院ができるかどうかということで、私たち(1999年入学)前後の学年は揺れていましたね。卒業単位をそろえないことで休学して時間稼ぎをし、5回生くらいで司法試験のあきらめがついても「新卒」で就職活動ができるというのを誰もが考える。「就職氷河期世代」ど真ん中でした。ちなみに政治学を学びたくて法学部を選んだ筆者は、3回生の時に卒業単位をそろえてしまいました。経済学部の講義、面白かったですよ。「思う存分勉強したい」。大学生の本分が、カリキュラムや社会情勢によってそがれていたよな、あの環境は繰り返してはならないな、と思う今日この頃。不惑をこえて。

 『サラ金の歴史』には「内容にまで踏み込んで様々に有益な助言をいただいた」(p.319)とありますが、参考文献の我妻栄(1930)『民法総則』はシブいですね。法制史の論文を積み重ねるのではなく、「我妻栄」ときましたか。その名を知ったのは、貴君も履修したであろう(たしか必修だったでしょうか)情教。NEXTというマイナーなOS使っていましたが、あのOSを導入したおかげで、私たちが入学する前にスティーブ・ジョブズ氏が大学を訪問したそうです(国際政治学SゼミのOBOG会で7期上の先輩に聞きました)。情教は廃止されて図書館に新たに導入されたOSはLINUX。「十年後にはオープンソースで開発されるシステムが世界標準になる」と理系学部の教授の発言が決め手になったと筆者の周りでは聞きましたが、学部・大学院あわせて十年在籍する・・・・・・面積は小さいけれどもスケールの大きな発想をする大学でした(←学生の立場として、褒めていない)。

 貴君がいつ卒業(あるいは法科大学院に進学して修了)したのか、筆者は知りません。筆者は4年で卒業し、新卒で入社した会社で健康を崩して4ヵ月で自己都合対策。その当時の「勤務記録」は書かないでおきます。でも、生死をともにする(通常の用例でしたら「苦楽をともにする」ですね)体験をしたから、大阪府警外事警察の民間協力者(ロシア担当)となり、末尾リンク先のような本もKindleで出しました。学術書に参考文献で登場できるような手法を模索中です。東京都町田市内の、井出沢(菅原神社)徒歩圏内に住んでいます。写真データで使えるものがあれば喜んで提供します(鈴木由美『中先代の乱』p.193)。

観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い (中公新書)
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中先代の乱-北条時行、鎌倉幕府再興の夢 (中公新書 2653)
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サラ金の歴史 消費者金融と日本社会 (中公新書)
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拙著
大阪府警ソトゴト(露)――町田のヒューミント(修正版)
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小説・併願早稲田 2020
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Amazonのアソシエイトとして、神谷英邦(武藤頼尚)は適格販売により収入を得ています。

【2021年8月24日追記】どうやら、文中の「貴君」とは、人違いだったようです。Twitterでは、お名前をあげた亀田俊和(としたか)先生にリプをお送りしていますが(「リプ」とはSNS・Twitterの用語です)、ここに改めて、「人違い」だと明記しておきます。ただ、ここに書いた「貴君」は、大変な世情で大変だろうとは思うけれど、全力を尽くして生きていると信じています。

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