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初期研修は”拾う”のでなく”捨てる”

初期研修という制度には皆さんいろいろな考え方があるでしょう.

「最終的に進まない科であってもローテできる貴重な機会だから全て吸収するつもりで頑張るべきだ.」

「もう進む科が決まっているので質なんてどうでもいいから終えられればいい」

私の考えることはシンプルです.

タイトルにもあるように

初期研修は,”拾う”でなく”捨てろ”!

です.

それがどういうことかを説明していきたいと思います.

まず,大学で実習を受けていたときのこと考えてみましょう.大学によって異なるでしょうが,皆さん基本的にはほぼ全ての科をローテしたはずです.

そのときの科の知識で,国試レベルを超えるものはどれくらいありますか?

多くの人は「ほとんどない」のではないかと思います.

そうです.

素人が一つの科を1週間や2週間ローテして得る知識なんて,国試のような具体的な目標のために得た知識を超えられないのです.

それと同じで初期研修においても,その科の先生から見たら素人同然の我々が1,2ヶ月回ったくらいではその科の事なんて表面的なことしかわからないのです.

結局,

専門科に進みレジデントになったら,その科の1年生としてまた一からスタートなのです.

初期研修というのはただでさえ医者デビューという状況で精神的にも身体的にも疲れることが多いのです.そこに「意識高く全て吸収しよう!」という気概を常に持ってしまうと燃え尽きてしまうのは時間の問題です.

初期研修医は初期研修医らしく色々失敗しながら本当に必要な知識や手技だけをゆっくり習得していけばいいのです.

気張る必要はありません.

結局,3年目から一つの科に絞ってからは,複数の科の知識が同時に必要になる状況なんてあまりないわけです.

初期研修では日々あらゆる新しい雑多な情報が目にも耳にも飛び込んできます.

それらの情報を,全て自分のものにしようとする              = 拾う

ではなく,

「この知識(手技)は,将来自分にとっておそらく必要ないだろう」 そう思ったことは思い切って受け流す                          = 捨てる

かつ,時々入ってくる

「これは大事だぞ」と感じる情報はしっかりと自分のものにしようと努力する 

そういう姿勢が大事だと思います.