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先行きが不安な時代だからこそ、今しか出来ないことに全力を注ぐ!

岐阜の明るく楽しい養蚕家の
加藤祐里です。

以前も紹介しましたが
郡上市白鳥町六ノ里地区で
若いご夫婦お二人で古民家を買って
移住して、自分で藍染小屋をつくって
藍を育ててスクモをつくって
藍染めをしているK夫妻がいます。

母屋の改装も小屋も独学で調べながら建てたそうです

ネットショップもやっておらず
儲けるために締め切りに追われたり
作り過ぎることもなく
まったくビジネス感はなく
無名も無名。

だけど、私のように
個人的な仕事の依頼がちょこちょこあって
藍染の仕事はちょうどよく
出来ているらしいです。

私が畑で育てて紡いだ木綿糸と
真綿の紡ぎ糸を染めてもらいました。

去年、染めてもらって織った作品

K夫妻が初心者の頃から知っていて
私が藍の育て方や染め、
ものづくりの精神を習った同じ師匠から
習ったので
兄弟のような気持ちです。
(藍瓶を土間に埋め込んで
小屋まで建ててしまう人は滅多にいません)

今年は藍の生育がいまいちで
そのうえ、気候も暑いし
なかなか一番刈りが出来ないけど

去年はすごい豊作でスクモ(藍染のもと)は
たくさんあるし
このぐらいの収穫なら
すぐに片付くから
気持ちに余裕がある、と言ってました。

そう思えるようになったことも
あらためて考えると
すごいよね、って。

初めて2〜3年のうちだったら
まだ経験値がなかったから
本当にやり切れるか不安しか
なかったと思う。

何回も何年も大変な作業や
天気が悪かったり
他の仕事が忙しくて
タイミングよく畑作業が出来なかったり

色んなことをやってみて
積み重ねてきたからこそ
「なんとかなる」って思える。

自分でゼロから作り出せる
知恵と経験は
人間としての自信になる。

私が養蚕から繭を育てて糸にして
身の回りで手に入る植物で染めて
自分の手で織ることに
共通したものを感じます。

K夫妻は藍染めを優先するために
お金を稼ぐ仕事では正社員にはならず 
個人契約やパートを掛け持ちしながら
暮らしています。

私より若いですが
好きなことを続けるための
お金や生き方のバランスが
尊敬できる方です。

一番はなんでも自分で造ろう、とする姿勢。
最初は素人でやったことがなくて
下手くそかもしれないけど

何回もやっていくうちに
好きになって得意になって
自信になる。

前回の記事で
大学生でNISAはじめて
100万円儲けた子の話を書きましたが
(私は勝手にNISAくん、と呼んでる)

お金の価値なんて
社会情勢や円高円安とかで
ある日突然、ゴミみたいになることもある。

廃材使って
ホームセンターで手に入る材料で
(たまたま移住した家の隣に
元大工のおじいちゃんが住んでいたらしい)
小屋まで建てちゃって
(まだ完成してないけど
自分で建てたから自分で造れる)
その経験や得た知恵は一生もの。

藍染めをやりたくて移住したけど
若い人がいない地域だから
何かと頼りにされていて
米作りや草刈り、田んぼや畑の手伝い、
祭りや消防、飲み会、葬式の手伝い、

頼まれたら嫌な顔せず
出かけていって
信頼関係を築いて
新たな契約先を紹介してもらったり
野菜とか獲ってきた鮎や鹿や猪とか
自家製の漬物とかを
もらうから食べ物は困らない。

きっと、パソコンとにらめっこして
株があがった、下がったって
一喜一憂して
体を動かさないでお金を得るような
NISAくんは

同じように田舎に移住して
近所のじいちゃんたちに
誘われても
「自分は忙しい」って
引きこもってしまって
3日と生きられないと思います。

本当に今は時代の変わり目で
今まで価値があると
思われていたことが
そうではなくなって
先行きが読めない時代です。

NISAくんも受験勉強頑張って
一流大学に入って一流企業に就職出来ても
会社がいつまでもつか
きちんとお給料もらえないかもしれない
老後に足りないかもしれない

先行きが不安だから
お金にはまるんだと思う。

でも、先行きが不安だからこそ
今しか出来ないことに
夢中になって
体を使って経験して
今を生きることが
未来の自分を生かすことになる。


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