超金持ちのイロモネア論

「僕お金持ってるんで。」これはある意味で非常に謙虚な言葉だ。1億持っていたとして「ぜんぜん持ってないよ〜」と言うのが贅沢だと考えることもできるから。要は、”その程度で”一定の満足度を示しているという意味において謙虚なのだ。
「僕お金持ってるんで。」これはある意味で非常に低俗な言葉でもある。例えば1億”しか”手にいれていないのに、満足を示してしまっている。つまりは、それが目的だったと明らかになってしまうのだ。本当に他者に貢献しようという気概だけで仕事をしている人は、お金への満足度は示さないのがむしろ当然ともいえよう。10億、100億、1000億手にしようと満足しないのはその意味で実にジェントルマンな姿勢でもあるといえるかもしれないのだ。
あくなき富への欲求を肯定したいわけではない。が、途中でドロップアウトしなかった行動には、一定のアスリート性を認めることができる。まるで0.01秒を縮めるために膨大な努力を積み重ねている短距離走選手のような。これは少しイロモネアに似ている部分があると思う。そう考えると、途中でドロップアウトはしたくないなと思ったりもするのだ。

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