伝えることを諦める執筆

僕は業務時間の全てを授業に捧げている塾講師より、業務時間の最低でも2割は空白時間を作って自己研鑽に励む塾講師が好きだ。自らのアウトプットに対する需要が高いあまりに、インプットの時間を取るのを怠ってしまいがちな環境下でもなお、自己研鑽を惜しまない人間に僕もなりたい。さて、エッセイに取り掛かるで大事なことは書くことではなく考えることだ。考える時間を確保しないといけないが、締切がある以上、書くことに時間を割いてしまいがち。そこで、書くことを一部諦めてみようと思った。具体的には、考えることと簡単なサマリーを残すことに僕はフォーカスし、伝えたいことを伝わるように書く作業、いわゆる執筆作業はAIに委託するのだ。僕は「理解できる人だけ理解してもらえば良い」スタンスは取りたくない。しかし、アウトプット過多で先細りの未来を迎えるのも嫌だ。賞レースを取った直後の芸人みたいになりたくない。だから、僕が伝えたいことを、伝わる言葉で、伝わるように、AIに書いてもらう。AIが発達した未来、現象から現象になるとき、言葉は伝えるためのものじゃなくなる。カルピスの原液を作ることが必要なのだ。あとはAIが言葉に、絵に、動画に、音楽に、点字に、とあらゆる個人にとって最適されたメディアへと姿を変えていくのだから。ある意味で、昔に戻るということなのかもしれない。一生懸命高品質な車を作っていれば良い、みたいな。

都築怜

解説

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