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香典を包みすぎた母

実家の母から電話がかかってきた。LINEではなく、電話してきたということは、緊急の用事だ。聞いてみると、「香典の金額を間違えた。いよいよ私もボケちゃったみたい」と珍しく落ち込んでいる。

先日、伯母(父の姉)の葬式に父と母と私の3人で出席した。父は姉が二人いる末っ子長男だ。上の姉はすでに亡くなっており、今回は下の姉のお葬式だった。

母は、上の姉の時と同じ金額の香典を包んだつもりだったのに、倍の金額を包んでしまったとのこと。ノートに記録していた金額を確認したのに間違えてしまった、と母はショックを受けていた。

「包み忘れたとかじゃないなら、多い分には問題ないと思うよ」と言うと、母も「そうよね」と少し安心したようだった。母は、大丈夫、問題ない、と誰かに言って欲しかったのだろう。だって、どうしろってんの? 間違えました、返してくださいってわけにもいかないし。

母は最近、確認したのに間違える、ということが他にもあり、不安になったようだ。母の自己分析によると、一度こうだと思い込んだら、修正できないらしい。でも間違えた自覚があるなら、まだ大丈夫だ。

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