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コロナ時系列考察 「再生産数が分かった。」(5/3時点)

皆さま、こんにちは。

現在の「再生産数」はそんなに大切なの?

さて、世間では「実効再生産数」が注目をされているようですね。

上記、5月1日の投稿で、私は、以下の様に綴っています。

この計算には、感染者数の変化割合しか考慮していません。
これに、集団免疫率の増加割合をさらに考慮すれば、今後の数多に分岐する未来が見えてくるのではないでしょうか?
集団免疫率の増加割合も感染者Nの関数として与えられるはずです。


この方程式を立てようとしていて、
ふと・・「誰かが先に考えるんじゃないの?」
と思い、調べてみました。

ありました。
SIRモデルです。
うーん、時間を無駄にしてしまいました。

さて、
このモデルをみて、なんとなく理解できましたので、綴りとして残しておくとともに、皆さまにも共有させていただきます。

結論から申しますと、

今の自粛が役に立っているかを知る上では、実効再生産数が低減しているか否かは重要な指標となります。

しかしながら、この自粛を解除するか否かに関しては「今の「実効再生産数」を知りたい」という思いは、「情報バイアス」と言えます。

自粛解除に関して、今、知りたいのは
「通常の生活に戻った際の「実効再生産数」」であるはず」といえます。

微分方程式が分かる方へ(結論含む)

微分方程式が分からない方は次の目次へ進んでください。

以下、説明などを要しない方へ向けた発信です。
(間違ったところがあれば、ご教示願います。)

SIRとは、
S(Susceptible)=感受性保持者:まだ、感染していない人数
I(Infected)=感染者:今、感染している人数
R(Recovered)=免疫保持者:すでに感染して回復した人数

dS(t)/dt=-β×S(t)×I(t)・・・①
dI(t)/dt=β×S(t)×I(t)-dR(t)/dt・・・②
dR(t)/dt=γ×I(t)・・・③

③式→②式へ代入
dI(t)/dt=β×S(t)×I(t)-γ×I(t)・・・④

④式をI(t)で纏めると
dI(t)/dt=I(t)×{β×S(t)-γ}・・・➄

➄式中の
{β×S(t)-γ}を回復率であるγで除す、
すなわち、逆数の1/γ=平均回復期間を乗じると

{β×S(t)/γ}-1・・・➅
となります。

β×S(t)/γ が「再生産数」となります。

β×S(t)/γ>1のうちは流行している。
β×S(t)/γ<1になれば収束に向かう。

今、世間を騒がしている実効再生産数とは、この「β×S(t)/γ」の値。

集団免疫率を考慮するとは、「S(t)<S(0)」を考慮するということ。

感染者が少ない現時点ではS(t)≒S(0)。

γ(t)(=回復率)は特効薬が出現しない限り、γ(t)=γ(0)。すなわち定数。(逆数の1/γは平均回復期間。おそらくポアソン仮定を用いているのでは?)

3 月 21 日から 30 日までの確定日データに基づく東京都の推定値は 1.7とのこと。
この期間、すでに都民はマスク・手洗いをしていたので、βの値はこれ以降も変化は見られないと思われる。

(結論)
自粛している間の実効再生産数「
β×S(t)/γは隔離状態での値である。
この値を知ることは、自粛の効果を測る上で有意義なデータであるが、宣言解除の判断にはほとんど関係ない。

テレビに出演されている方々が知りたがっているのが、
①「どの値になったら、宣言解除できるのか?」
②「宣言解除後にどうなるのか?」
であるならば、意味を持たない値である。

このβ×S(t)/γの値を現時点で推測するとなると、東京の1.7しかない。(私の5/1考察での試算値「λ=0.1644703638」={β×S(t)-γ}を用いると、平均回復日数(=1/γ)は10日程度ということになる。)
目的の値をより精緻に知りたいのであれば、一部区域をある期間、宣言解除して、実効再生産数β×S(t)/γを推定し直すしかないと言える。
しかしながら、今のところ未来予知としては1.7〜2.5を用いるしかない。

上の記事の「レムデシビル」などを用いて、回復期間を短縮すれば、γが大きくなる。
γが大きくなれば、実効再生産数β×S(t)/γ」は小さくなる。
これには大きな意味がある。

以上

SIRモデルのS、I、Rとは?

上の記事に詳しく記載されています。

SIRとは、
S(Susceptible)=感受性保持者:まだ、コロナ未経験の人数
I(Infected)=感染者:今、感染している人数
R(Recovered)=免疫保持者:すでに感染して回復した人数

日本国内で言いますと、コロナ感染者が1人だった当時、

S(0)=1億2650万人
I(0)=1人
R(0)=0人
ですね。

S、I、Rの横についている(0)は日数の経過を表していると思ってください。まだ、日本国内で感染が一回も生じていない段階では、0日目です。

ここで、日数が経過した時を想像してください。
死者を考慮しないと、
S+I+R=1億2650万人(+1人)で変わりません。
なぜなら、国民の数が変わらないのですから、国民がS,I,Rの内どれか一つに当てはまるのなら、その総数は変わらないからです。

(S、I、Rの3つのコップがあり、総量の決まっている水を3つのコップに割り振るとき、合計は総量となるのと同じです。)

S,I,Rの一日の増減は?

愚痴になりますが、noteって数式が書けないのでしょうか?

さて、「変化」に注目しましょう。
「変化」とは一日当たりのS、I、Rの増減人数だと思ってください。

S(=感染していない国民)の一日の減少数

感染もしていない国民が突然免疫を獲得することはありません。(ワクチンがある場合を除いて。)
ですから、Sのコップから感染もせずに突然R(免疫保持者)のコップに人が流れ移ることはありません。

Sコップからの移動はかならずIコップに向かいます。
さて、何に比例するでしょうか?
感染者が2倍入れば、新たに感染させられる人も2倍になりそうです。
また、感染していない国民の数が半分になれば、新たな感染も半分の人数になりそうです。

これから、一日のS(感染していない国民)の変化は
S(感染していない国民の数)I(今、感染している人数)に比例しているといえます。

比例定数をβとしましょう。
感染していない国民の数は日々、増えていますか?減っていますか?

減っています。
ですので、マイナス記号を添えて、以下の様に書くことが出来ます。

dS(t)/dt=-β×S(t)×I(t)・・・①

dS(t)/dtが分からない場合には、下のように読み替えてください。
「感染していない人の一日の減少数」=-β×S(t)×I(t)・・・①’

R(=免疫を獲得した人)の一日の増加数

Iを飛ばして、Rから説明させてください。
免疫を獲得するには、感染しなければいけませんよね?

ですので、I→Rに人が流れてきます。

一日当たりどのくらいなのでしょうか?

感染者が2倍いれば、免疫を獲得する人も2倍になりそうです。
ということは、R(免疫を獲得した人)の一日の増加人数は、感染者数Iに比例するといえます。

ですので
dR(t)/dt=γ×I(t)・・・③

「免疫を獲得した人の日々の増加人数」=γ×I(t)・・・③’

I(=感染者)の一日の増加数

①’式をご覧ください。
SのコップからIのコップへ人が流れ込んで来ていますよね。

③’式をご覧ください。
逆にIのコップからSのコップへ流れ出ています。

とすると、
感染者の日々の増減数={β×S(t)×I(t)}-{γ×I(t)}・・・②'

ではないでしょうか?
   dI(t)/dt=I(t)×{β×S(t)×-γ}・・・②

I(=感染者)の増減は何で決まるの?

②’式の右側をI(t)で纏めますと
感染者の日々の増減数=I(t)×{β×S(t)-γ}・・・➄
となります。

➄式中の
{β×S(t)-γ}を回復率であるγで除した値、
すなわち、逆数の1/γ=平均回復期間を乗じた値は、

{β×S(t)/γ}-1・・・➅
となります。

「再生産数」の正体とは?

β×S(t)/γ が「再生産数」となります。

β×S(t)/γ>1のうちは流行している。
β×S(t)/γ<1になれば収束に向かう。
と言えます。

➅式から、増減は再生産数「β×S(t)/γが1より大きいか、小さいかで決まるのです。
大きければ、=「流行」
小さければ、=「収束」
です。

再生産数「β×S(t)/γを小さくするためには・・

再生産数「β×S(t)/γ
小さくするためには、3つのことが考えられます。

①βを小さくする。
②S(t)を小さくする。
③γを大きくする。

逆追いで③番から。
γは感染者が回復する割合です。(逆数の1/γ=平均感染日数)
γは、特効薬で大きくすることが期待できます。

②番
S(t)とは「感染していない国民の数」です。
感染を抑制している現段階では小さくなっていないといえます。
すなわちS(t)≒S(0)

①番
βを小さくするために、「マスク」「手洗い」「隔離」があります。
今、自粛=隔離してβを小さくしている状況です。

「実効」再生産数とは何なのか?

さて、再生産数とは何なのでしょうか?

上記からの引用です。

感染頻度と回復頻度の比率

新型コロナウイルス感染症対策専門家会議
「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(2020 年4月1日)
からの「実効再生産数」についての引用です。

3 月 21 日から 30 日までの確定日データに基づく東京都の推定値は 1.7

この1.7が3月下旬の実効再生産数(感染頻度/回復頻度)となります。
「実効」というのは、対策を打った上での再生産数という意味です。
マスクをしたり、手洗いしたり、隔離を行ったり・・・・

結論;今の「実効」再生産数を知ることの意味は?

①「どの値になったら、宣言解除できるのか?」
②「宣言解除後にどうなるのか?」

という疑問に対して、「今の「実効再生産数」を知りたい」という思いは「情報バイアス」であると言えます。(=知ったところで、役に立つ情報ではありません。)
しかしながら、隔離の実効性を測る上では実効再生産数が低減しているか否かは重要な指標となります。

結論は、以上となります。。。。

上の投稿にて、私は以下の様、綴っています。

いつの間にやら数式の話になり、まったく「読書」の方に進んでいません。またもや暗礁に乗り上げたのかもしれません。
しかし、この暗礁の中にこそモノリスが潜んでいるやもしれません。
いつか潜って探索しなければいけない日がくるのでは?

今、私は「潜って、探索中」なのかもしれません。
今のところ、モノリスは見当たりません・・・

それでは、また。

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