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20230610 ガラスペンの先が折れたぁ! 騒動の顛末


 いきなりですが。
 去る6月1日、魂も凍るような恐ろしい出来事が勃発致しました。
 ええ、折れたんです。
 え? 何が折れたかって? あれですよ! あの、前の投稿で書いたばっかりの私の一軍ガラスペンの中の一本のペン先がぁ!

上のタイトル画像もそうですが、先端の折れた部分が小さすぎて、折れてるようには見えません。

 普通に絵を描こうと、インクを付けて紙の上へ下ろしたその瞬間。
 パキン。
 小さな、軽やかな音とともに、コンマ何ミリかのペン先部分がどこかへと飛翔!
 カケラが小さすぎて、老眼の目でも、それじゃ見落とすので手探りで探しても見つかりませんでした。

 折れた瞬間は、ショックでヒュッと息が止まって黙ってましたが、そっとガラスペンをペン置きに置いたと同時に、「あぁあああああああああああああ〜」と家の中で喚き散らしてしまい、猫たちは「またオバサンが狂うたわ」ともう慣れきった呆れた目で見てました。

 ここ20年くらいは日本語教師をしていたので、もともとでかい地声が更にパワーアップしている私。その上に教師というものは教壇では俳優、女優なのでアクションが大げさ。
 その中でも日本語教師は、日本語で日本語を教える「ダイレクトメソッド(直接法)」で国も母語も違う学生に教えますから、文型の導入と場面、会話例を示す時には、一人小芝居が出来ねば務まらないのです。
 その上に私は元が一人っ子で鍵っ子でもあったため、今だにいちいち独り言が多いのです。
 一人で会話が成立し、猫の分も喋り、一人でボケとツッコミをするなど普通。
 ウチのマンションが台風の大雨でもゲリラ豪雨でも窓を閉めていれば気が付かない防音(別にそれを謳って売っていた訳ではない)仕様じゃなかったら、とっくに左右お向かい上下の住民さんに怒られているでしょう。
 この時のバカ声も相当なデシベルだった事でしょう。

 そっとガラスペンをペン置きに戻してから暴れ叫んだのは、我ながら直情的ながらも小心者のA型です。(血液型関係ねーよ)
 その後、気を取り直して折れたペンで文字を書いてみました。文字は書けました。でも、折れる前のヌルヌルに近かった書き心地はもう無く、ザリザリと紙を削る感じでしか書けません。

 さて、折れてしまったのは、一軍ガラスペンの中でも群を抜いて細字だった「ガラス工房aun」さんの、それも最細のEF字幅のペンでした。写真のマーブルダークパープルです。

ペン先が大きいのでインクの含みが良く、持ち手も太めで持ちやすいんです。


 こちらの工房さんのガラスペンは、各地の催し物会か、工房のある岡山県倉敷市でしか買えないもの。
 ですので、出不精、引きこもりオバサンの私は某フリマで購入したのでした。
 この4月から始めた「アナログ絵習作」で使っていたとはいうものの、今まではぶつけたりなどしたことはないのです。
 それがフワッと紙に着地させた途端にポキン。……やはり極細EFは固めの表面の、紙目も荒い水彩紙に使うのには細すぎたんでしょう。ペン画的に使っていると文字よりも長い線を引くこともありますし、シャッシャッシャッと影を入れるときなんかに短いハッチングをすることもありますから。


 さてさて。
 一通り喚きおわったら、実は過剰アクションの割には頭の切り替えと行動の早い私。
 すぐに工房さんのHPで連絡先を突き止め、修理の懇願メールを添付写真と共に送りました。風の噂でこのガラス工房さんは修理対応してくれると聞いていたのです。
 お返事はすぐにいただけ、な、なんとレターパックに返送用のレターパックと一緒に入れて送れば、無料で直していただけるとの事。
 そして、送る際の注意事項として言われたのは、希望の字幅の見本を日頃使う紙やインクの種類などと共に伝えることでした。
 そこで私はいつもの水彩紙にガラスペンと同じ作業に使っているミリペンで線を引き、他のガラスペンで書いた線も使用インクの名称とともに書き込み、「この線ではちょっと太い」とも書き込みました。
 そして私は6月5日、月曜日に最寄りの郵便局から発送。レターパックも郵便局から出すと早いのか、翌日には倉敷に到着。
 そしてここからがありがたくも驚きの速さ。
 6月7日にはもう、修理して発送してくださったのです。「ガラス工房aun」の江田様、ありがとうございます。

 戻ってきたガラスペンは字幅「F」になって帰ってきました。ペンの部分が少し短くなるとのことでしたが、元々こちらの工房さんのガラスペンは頭が大きいので、気にならない程度の変化でした。
 それでも試し書きしたら、ものすごく細い。今度は気を付けなきゃあ、と心の底から思ったのでした。

 次回はちょっと万年筆沼にも嵌まりつつあるので、そっちの話でもしようかと思います。
 インクの話は……もうあれこれ多すぎてどこから始めて良いのやら……。
 万年筆用の古典インク、所謂「没骨子インク」がかなり耐水性なのを知ったので、そっちの話かもしれません。

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