歯並びとかみ合わせの加齢変化
矯正治療をした人もしていない人も、歯並びは時間と共に変化し続けています。「昔はきれいな歯並びだったのに、だんだんと悪くなってきて・・・」と感じるている方はいるのではないでしょうか。今回は加齢と共にどのように歯並びが変化していくかについて説明していきます。
加齢と共に何が起きているか?
人は歳を重ねていくと、歯周病になっていなくても歯のまわりにある歯茎の組織は弱くなっていきます。特にアジア人は歯茎が薄く、年齢と共に歯茎が痩せていきやすいです。
歯茎が痩せると、口の中で歯の見える面積が増えていく(歯が長く見える)で審美的に悪くなるだけでなく、あご骨である歯槽骨も萎縮していきます。ある程度進むと、今度は歯を支える歯槽骨が少なくなるので、歯自体が動きやすい状態になっていきます。こうして、歯を支える土台が成人以降に年々減少し、また、筋力による外圧も変化していく事で歯並びやかみ合わせが変化していくのです。
ですが、年齢による歯並びの変化はゆっくりと起きているため、ふつうは気がつきません。すでに一定量の歯が動いた後にふと鏡を見た瞬間、自分の歯並びが悪くなっている事に気がつくのです。
加齢と共にどのように変化するか?
年齢と共に「前歯の歯並び→かみ合わせ」という順序で悪くなる事が多いです。最初のサインは下の前歯のデコボコの発生です。
歯並びが狭くなっていく
歯は、唇や頬からの外圧と舌からの内圧の間に並んでいます。これが年齢と共に口のまわりと舌の筋力が落ちてくるとバランスが崩れてしまい徐々に歯並びの横幅が狭くなっていきます。また、口呼吸で口が開いていると、頬が内側に入るので、それに合わせて歯並びの横幅が狭くなります。
歯並びが細くなると最初に1番小さい歯である下の前歯に段差が生まれてきます。日常会話時も口角もあがりづらくなってくると、下の前歯が以前より見えやすくなるため、より目立ってきます
続いて今度は上の歯並びが狭くなりV字型になっていく事と奥歯が前方に倒れてくる事により、前歯が出っ歯傾向になってきます。前歯が前に傾斜していくため「すきっ歯」になる事もあります。
加齢変化に対抗する方法
まずは簡単にできることとして、お口の周囲の筋肉のトレーニングです。
今年から「口腔機能低下症」の対象年齢が65歳から50歳に引き下げられました。日本の国としてお口の加齢変化は見過ごせない問題ととらえられているのですね。舌や口腔周囲筋の筋力アップすることで、口腔の健康と歯並び悪化への対応ができますので、是非かかりつけ医で相談してみてください。
ただ、残念ながら一旦崩れてしまった歯並びは勝手に元に戻ることはありません。歯並びが悪くなったことが気になる方は、矯正治療もお勧めします。
歯並びの悪くなった程度が小さいほど、治療期間が短く済みますので、気になった時が治療の開始のサイン。
当院では、目立ちにくく、歯のお手入れがしやすいインビザラインによるマウスピース矯正治療も行っております。気になる方は是非ご相談ください。
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