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自信がない私もこころ踊る装いを。

私は自分の外見がそれほど好きではない。

パーツごとに見ると、目が大きかったり、面積の大きい唇に濃いルージュが映えたり、胸が大きめだったり、156cmという身長に対しては脚の比率が長い方であったり(それでも短いが)。まぁ活かせるかなと思う部分もあるのだけど。

全体で見ると、かわいくないなぁと思う。スタイルがよくない。顔が大きい。髪が硬くて広がる。

特に流行りの服が大抵似合わない。街中で綺麗なお姉さま方が見せてくれるやつだ。
店頭で試着をすると結構いいかも、と思って買うのだけれど、しばらく着ているうちにやっぱりピンとくる着回しが分からなくなって、次のシーズンには着なくなっている服がたくさんある。「買ったときはいいと思ったのに」と手放すのは毎年見られる光景だ。

結局ユ●クロのモノトーンをローテーションするようになる。
(ユニ●ロも非常に優秀だ。サイズさえ合えばいかようにも着まわせる。)


そういうわけで、何を着ても素敵にならないから、自分の服選びに期待しないようになっていた。


そんなある日、浅草をふらふらと散歩していたら、雷門にほど近い服飾雑貨店を見つけた。妙に惹かれて中を覗いてみた。

エスニック系の変わったデザインが並ぶ店内に少したじろいだが、すぐに店員さんがにこやかに声をかけてくれる。自分の好みを伝えると、あれやこれやとおすすめが並べられる。

その中から、カラフルな刺繍がほどこされたカーキ色のワイドパンツを試着してみた。普段だったら買わないようなやつ。


え、これじゃん。
鏡に映る自分を見た瞬間、心がおどった。

人には「個性的」と言われるかもしれない。今持っている服とどう組み合わせればいいかも、すぐには思い浮かばない。
でも、今これを着ている自分は最強に見える。おだて上手な店員さんも楽しそうだ。たびたび私の服選びを手伝ってくれていた親友も、絶対似合うと言ってくれるだろう。

すっかり嬉しくなった私は、結局その後2時間くらい店員さんの着せ替え人形にされ、無事2着購入して帰った。
そして翌週も足を運んで、また2着購入した。


それがちょうど1年前のこと。それ以来、こころ踊る装いをしたくなったらそのお店で着せ替え人形をしてもらうことにしている。
ストレス太りで真ん丸な顔を見たくないときも、美容院でパーマに失敗して髪型が決まらないときも、ここで2時間吟味した服は裏切らない。

自分に自信がない私が最強になるための15,000円の使い方だ。(安い)


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