共犯者
純白の共犯者
本は好きじゃなかった
でもふと目に止まったミレーの種まく人
風力で舞い散る種が
風の行方の停留所に芽を出すように
君を見つけたようで胸が痛いから
初めて好きになった本を借りなかった
朝が夜の味方をするとき
太陽を沈ませる必要なんてない
君を愛することは世界を愛することのように
国境を越えた空では共存できているだろう
幸せが虹の全てを混ぜた色だって
保育園の先生は言ってたけど
人は可視光線以上の光を見ないもの
僕は確かに君の色を見た
東京の地下で疲れて果て自転車を漕ぐ
そのエネルギーが自動ドアを開け僕らをコントロールする人間なんてどんどんいれてさ自分を忘れていくんだよ
どうやら君はドアのガラスを割ってくれたようだ
僕は君を罰しない草原に連れていこう
恋人と呼ぶのは簡単だから
共犯者になって人生をわけないか?