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「時をかける愛」子維に恋をして

こんにちは。

マッチングアプリに登録して二ヶ月。
ようやく初めて会う約束を取りつけた今日。

昨日接種したワクチンの副反応
発熱により土壇場キャンセルを余儀なくされた
そんな土曜日の昼下がりです。

ベッドの上で霜降り明星のオールナイトニッポンを聴きながら
意気揚々とペアーズの退会ボタンを押下し
noteを開き
人差し指を懸命に動かしている今です。

今日は、わたしのひと夏の恋について
書き残しておきたいと思います。

さて、掲題の「時をかける愛」とは
台湾では人気ナンバーワントレンディドラマと
呼び声の高い台湾ドラマです。

これを読んでくれた方は絶対に見てくれると信じているのでネタバレは避けますが
いわゆるタイムリープ系で、突然重大なミッションを課される系。
しかしそれだけではない。
恋愛とミステリーの要素をバランスよく配合しつつ
台湾ならではのエモいロケーションというか
映像美。

たとえば
「室外機やスナックの看板が無雑作に配置されている路地裏で真っ赤なドレスを着た女の子がしゃがみ込んでいる」
みたいな
そういうのが好きな人なら
きっとツボなのではと思います。

私がこのドラマを見るに至った経緯について。

愛してやまない先輩がどうしても見てくれ!
決して後悔はさせない!と
うるさいので、渋々見始めたのが始まりでした。

さっそく話は逸れますが(女の話というものは往々にしてそうである)
この先輩が本当に面白い人で。
可憐さと激しさ(コップを掴む所作等はとりわけ情熱的)を併せ持つ
素晴らしく魅力的な女性。
この沼に一度ハマってしまったら
他の人を好きになることはないだろうし
決して手に入ることがないという事実に
地の果てまで苦悩し続けるだろう
そういう方です。

そんな人にオススメされたドラマを見ないわけがないわけで。

私の文章は悪い文章なのでこんなところに
突如として結論が転がったりしますが、
このドラマの登場人物「李子維(リ・ズーウェイ)」に
私、この夏、ガチ恋をしてしまいました。

そりゃもう、仕事も手につかないほどに。

職場のお姉様方に「ぼーっとして、どうしたの?」と心配されて
「ドラマの登場人物に恋をしてしまって」と答えて
少し距離を置かれてしまうほどに。

松本まりかばりに、「もう会えなくなるのは辛いから」と最終話をしばらく見ることが出来なかったほどに。

フィクションの登場人物に恋をするって
こんなに辛いことはないですよね。
だって全部嘘なんだもん。
会えないし話せないし触れない。
私がこんなにも想っているということを
相手は一生知ることはない。

この段になってようやく
ああ、私は相手に気持ちを知らせたいのかと
自分の醜い部分に気付かされて
恥ずかしい思いをした。
どうしたって自己完結が出来ない。

そしてフィクションの登場人物にはたいてい想い人がいる。
それをこちらに誇示してくる節がある。
受け手は必然的に「自分の友達に恋をする好きな人を支え見守り背中を押す人」ポジに追い込まれてしまう。
こんな辛いことはない。

さらに辛いことに、私はこのドラマの中で
誰かに恋をする子維に惚れ込んだのである。
つまり、子維が恋をしなければ
私は子維を好きになることはなかった。
しかし子維は別の人に恋をしているので
私を好きになることはない。
私を好きになる子維がいたとしても
それは私が好きな子維ではない。
私たちは一生交わることはない。

「CRAZY FOR YOU」という少女漫画に出てくる
赤星くん(かの有名な「君に届け」の爽子ちゃんの従兄弟)が
ヒロインに振られる時に言ったセリフを思い出す。

"なんで私なの、って言ったな。ユキがいたからだよ。ユキを好きなお前を好きになったんだ。"

ああ、切ない。
でも本当にここに全て詰まっているんだ。
誰かに恋をしている貴方が好きという気持ち。
わかります、わかります。

ちなみにこの漫画もかなりおすすめです。
全6巻にものすごいドラマがぎゅっと詰まっている。
何度も繰り返し読んだ私は恐らく暗唱している。

長くなりましたが、この恋の終わりは意外にもあっけないもので
先程の先輩に「結局のところ子維は陽キャなんだよね」と言われて
途端に目が覚めました。

小学生の頃、お昼休みにドッジボールをしていたであろう子維
中学生の頃、修学旅行で男女混合でUNOをしていたであろう子維
高校生の頃、文化祭の後夜祭で好きな人と空き教室にいたであろう子維

そんな子維の隣にいる自分を
子維の光り輝く明るい世界に共存する自分を
微塵も想像することが出来なかった。

人は誰しも成功体験とイマジネーションで
生きていると、私は思う。
恋愛においても、その二つは必須アイテムなのだと
思い知ることになった夏でした。

ありがとうございました。

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