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テレビ番組『Øgendahlと偉大な作家たち』カーレン・ブリクセン編②

ブリクセンのモットーー勇敢でいよう、真実を語ろう
離婚と新しい恋人
鳥の目線で世界を捉える
恋人の死、仕送り打ち切り
デンマークに泣く泣く戻る

ブリクセンのモットーー勇敢でいよう、真実を語ろう

 前回、アフリカでブリクセンが窮地に追いつめられたと書きました。
 司会者のØgendahlが話していると、突然弓矢が飛んできます(この時の反応がさすがコメディアン、面白い)。

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すると馬に乗ったPernille Højmark(女優で歌手で作家)が突然、ご登場~。弓を射抜いたのは彼女でした。お前か~。「ちょ、ちょっと危ないんじゃないかい?」(”カトちゃんペ”のイメージ)と言うØgendahlに、Pernille Højmarkは、いけしゃあしゃあとこう説明します。

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「アフリカにいた時、カーレン・ブリクセンにはモットーがあったわ。馬に乗ること、弓を射ること、真実を語ること」
「分かったようで、よく分からないけど」とØgendahlもたじたじ。
「ついてきなさい。そうしたらわかるから」とPernille Højmark。マイペースですね。
 カーレン・ブリクセンの墓にやってきた2人。Pernilleはなぜブリクセンを好きか語り出します。
「ブリクセンは自らの人生の責任を自分で負おうとした。年金や保険といった温室で守られた人生を決して受け入れなかった。人生のすばらしさ、偉大さを彼女は知ろうとした。そして人生は美しく、同時に恐ろしいものであるということも。美しさと恐ろしさは表裏一体なの。勇気を持つこと。冒険心を持つこと。現代のデンマークでは決して容易なことではないわよね」

離婚と新しい恋人

再びCathrine Lefebvre登場。
「夫の浮気により、結婚生活は破綻。離婚にいたりました。
 やがてブリクセンには英国貴族のDenys Finch Hattonという恋人ができました。彼がブリクセンの家を訪ねてきて、ロマンティックなベートーベンのレコードをかけると、ブリクセンは彼が農園から飛んで家に帰りました」
 作家で文学批評家のMarianne Juhlは言います。
「彼女は手紙の中でいかにDenysを愛しているか、彼といるといかに幸せなのかをつづりました」

鳥の目線で世界を捉える

Cathrine Lefebvre。
「Denysの所有する飛行機にカーレンは乗せてもられました。鳥と同じ目線で世界を見つめるのは素晴らしい体験でした。彼女は自由を感じました。鳥の視点というのは彼女の作品からも感じ取れます。彼女はDenysと一緒に多くの時を過ごしました。その中で自分で考えたファンタジーを彼に話して聞かせるようになりました。そしてDenysは彼女に”いつかこの物語を本にしておくれ。僕は君の物語が大好きなんだよ”と言いました」

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恋人の死、仕送り打ち切り

「ところが再び悲劇が訪れます。Denys Finch Hattonが飛行機の墜落により、亡くなってしまいます。当時の彼女の精神状態は最悪でした。恋人の死。体調不良。コーヒー農園の経営の行き詰まり。家族からもこれ以上金銭的支援はできないと言われてしまいます」

デンマークに泣く泣く戻る

 デンマークに戻った彼女は父と同じように自殺しようかと考えます。彼女の心の唯一の支えとなったのは、”いつかこの物語を本にしておくれ。僕は君の物語が大好きなんだよ”というDenysの言葉でした」

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