見出し画像

多重録音の魔術師

皆さんはThe Singers Unlimitedというアーティストをご存知だろうか?

僕の生年、1967年にシカゴで結成された女性1名男性3名のコーラスグループである。彼らの存在を知ったのは山下達郎がFMかなんかで担当していた深夜番組を高校生の頃愛聴していて彼の多重録音のルーツともなったアーティストがいると紹介していたのがきっかけ。ビートルズの「ミッシェル」のカバーを聴いた時の衝撃と言ったらなかった。完璧なまでのハーモニーは勿論、まるで上質な映画を観ているような気分にさせてくれる世界観に屈折した青年は身悶えして聴き入ったものだ。

クリスマスアルバムのみならず他のアルバムも何故か僕の中でのクリスマスムードを掻き立てる質感なので毎年この季節になると無性に聴きたくなるアーティストの一人、というか一組。今も通勤中にジョニ・ミッチェルの「Both Sides Now」を聴いている。シンガーズ・アンリミテッド・バージョンを先に聴いてから時を経てジョニのセルフカバー・バージョンを聴いた時の衝撃度も凄かったのを思い出す。

このnoteを書くにあたり色々下調べをしていたら彼らのデビューを手助けしたのがジャズピアニストのオスカー・ピーターソンだと知って何だかとても納得した。エロール・ガーナーだったらもっと納得しただろうけど時代が少しズレているのでオスカーで正解。華やかで軽妙で少しだけセンチメンタル。

今年も心穏やかなまま年を越せそうだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?