死へのあこがれ

初めて死を意識したのはまだ中学生の頃だった。

その時はただ何となく、自分は20歳を迎える頃に死ぬだろうと考えていた。

高校生になってその思いはより強くなった。

自分は死ななければならないのだと思うようになったのだ。

ただそこに明確な理由はなかった。


それでも心の奥底でずっとそう考えていた。

大学生になり自分のことも少しは分かるようになった。

要するに自分のことが嫌いなのだ。

容姿が、内面が、能力が、全てにおいて人より劣っていると感じてやまないのである。

だからもう死んでしまいたいと願うのだ。

私はもうずっと淀んだ池の中に沈んでいる様に、死への憧れに留まったままでいるのだ。

私はこれを生きているとは言えない。

生きている様に見えるだけで、心はとうの昔に死んでしまっている。

そう私はもう死んでいる。

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