瑠璃の部屋17
「発表会の曲、愛の讃歌が危なっかしいので、ロマンスも並行して、やっておきたいです。まだ、習ってないので、教えてください。」
「こんばんは、ロマンス、コンサートに、弾く弾かないは別にして、レパートリーにいつでも弾ける様にして、いた方が良いですよ。」
「はい」
ことの成り行きはこうだ
昨日、レッスンで行くと俺の顔を見るなり先生が
「ソロの曲はロマンスでどうかな」
「え!?前回のアンサンブルで先生が愛の讃歌の譜面を持ってきたので、これで決まりかと」
「そうか」
「ちょっと弾いてみて良いですか?」
「うん」
まぁ、愛の讃歌というよりも、アヒルの産卵みたいな感じになった。
「一言で言うと、メロディになってないね、楽譜はどこで手に入れたの?」
「先生にもらったんですけど」
「そっか、じゃあ手元にあるね、まぁ、やってみると良いよ」
帰りの道すがら、先生、たった1人を前にして譜面を追っても、頭に入ってこない惨状を思い出した。これは、舞台で愛の讃歌ではなく、惨禍になるぞ。
部屋に戻って、練習をと思ったけど、不安になった。これは、保険を掛けておかねば。
😤頑張る。