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【事業開発セールス】初年度ARR1億達成→半年間予算未達&部署解散→10ヶ月連続予算達成の軌跡

はじめまして!株式会社スタメンの本間と申します!
第4回「スタメンnoteリレー(アドベントカレンダー)」を開催するにあたって、1番目として発信させていただきますので、ぜひご覧いただけると嬉しいです!
noteリレーについてはこちら↓

また、2023年5月に僕個人にフォーカスしたnoteも投稿しておりますので、こちらもご覧いただけると嬉しいです!

はじめに

弊社のメインサービスである「TUNAG」はホリゾンタルSaaSのシングルプロダクトでありながら、組織課題や業界/マーケットによって、お客様の活用の幅が広いのが特徴です。
だからこそ、シングルプロダクトでありながら、様々なマーケットへの提案を専属チームを設けて事業を推進しています。
その中で、「シングルプロダクトマルチマーケット戦略」の布石であり、先駆けとして、「TUNAG for UNION」という労働組合を顧客対象とした事業を2022年1月から立ち上げました。
立ち上げた2022年1月から現在3年目に突入するタイミングで様々な紆余曲折がありましたので、上手くいったことや失敗したことを言語化し、未来の自分に対してのメッセージも兼ねて、noteを書きました。
また、事業開発セールスとして従事されている方々に少しでも参考になれば大変嬉しく思います!

前提

TUNAGとTUNAG for UNIONとは

スタメンの主力事業は祖業であるTUNAGで、「エンゲージメント向上」を目的としたSaaS事業になりますが、直近ではノンデスクワーカー業界の人手不足に対して、業務効率化×離職改善の観点で支援させていただくことが非常に増えており、導入企業は800社を突破しました。
TUNAGは企業を顧客にしているのに対し、TUNAG for UNION は労働組合を顧客としており、『労働組合と組合員をつなぐ場所』というコンセプトを掲げています。
マーケット開拓型のセールスとして、事業企画~マーケティング活動~営業戦略~具体のプライシングまでをTHE MODELを踏襲しながら、独自設計し、事業を推進しており、2023年10月に100組合突破のリリースを出すことができました。

約2年間のステルス期間を経ての初めての正式プレスリリース

労働組合とは

厚生労働省では、「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持・改善や経済的地位の向上を目的として組織する団体」と定義されています。
詳細は割愛しますが、労働組合マーケットの特徴としてあるのが、「前例踏襲」「横のつながりが強い」の2点がマーケット属性としてあるため、顧客にとっては共通点(同じ業界/規模/エリアなど)のある労働組合がTUNAGを導入しているか否かが、導入の意思決定に大きく影響を与えるため、それでもTUNAGを導入したいと価値を提供できるかが重要かつ営業難易度が非常に高いです。
それを踏まえ、特徴2点を抑えた営業戦略を計画し、実行しました。

マーケット開拓型のセールスとして、大事にしていたポイント

ざっくりではありますが、特に事業をグロースさせる上で重要かつ影響を与えたポイントを抽出し、今回のnoteでは2023年1月~6月の内容に沿って共有させていただきます!
2023年7月からの内容については、次回号として投稿しますので、ぜひご覧ください。

2022年1月~12月

こちらのいわゆる0→1フェーズにおいては、執行役員CRO 丸岡が書いた下記noteに初年度ARR1億達成に到達するまでの過程が詳細に書かれていますので、こちらを事前にご覧いただけると本記事もよりスムーズにご覧いただけると思います。
ですので、2022年1月~12月の内容は本記事では触れません!

2023年1月~6月

上記noteに記載の通り、2022年1月~12月の期間だけを見ると順風満帆で事業が垂直に伸びていることを実感し、社内では「T2D3いけるんじゃないか?」という声も聞こえてくるようになりました。
僕らも3人でARR1億円の新規売上を作ったこともあり、このまま狙えるだろうと思っていましたし、本気で狙っていました。
さらに2023年からは、マーケットの拡大と今後の成長を見据えて、労働組合専任のCSも2名配属し、IS、FS、CSが各2名の合計6名の部署となり、会社としてもいよいよ本気でマーケットを獲りにいくぞ!とメッセージのこもった組織体制の変化があり、未来を見て事業を推進していくことになりました。

2022年1月~12月で1億達成したものの、とにかく新規売上のトップラインを伸ばすこと=PMFだと認識していたので、仕組みや再現性もないですし、なんと言ってもIS1名とFS2名の3人が全て属人的な価値訴求で営業活動をしていました。
何が言いたいかというと、部内での決まった提供価値や一貫した提案ストーリーがなく、マーケットの変化と僕らの提供したい価値や訴求軸にずれが徐々に生じていました。
さらにはこのマーケット状況の変化をタイムリーにキャチアップできずに、打ち手や対策に遅れが生じ、T2D3は疎か、半年間予算未達の状況が続いてしまう緊急事態となってしまいました。
結果的には、2023年6月時点で部を解散し、営業部門の一部署として、ISとFSのみが残り、2023年7月から再スタートを切りました。

ただ、この半年間が無駄だったかと言われるとそうではなく、むしろこの半年間の事業存続の危機的状態があったからこそ、猛スピードで爆速改善をできましたし、ここで中長期的な仕掛けの仕込みをできたからこそ、今の10ヶ月連続予算達成と目にみえる形で事業を再度グロースさせることができたと思っています。
だからこそ、この危機的状態でどんな打ち手を実行したのか、記載できればと思います!

様々な種を仕込んできましたが、より注力して実施したテーマは大きく2つです。
①一連の提案ストーリーを全て見直し、コアバリューや提供価値を再定義
②受注率の高い販路のアポ獲得数を最大化し、受注率改善+1対Nの営業アプローチを仕掛け、2度目のグロースを実現させる

①一連の提案ストーリーを全て見直し、コアバリューや提供価値を再定義

上記で記載の通り、部内での決まった提供価値や一貫した提案ストーリーがなく、マーケットの変化と僕らの提供したい価値や訴求軸にずれが生じていたので、改めてコアバリューを再定義しました。
具体的には、
・顧客が1番根っこに抱えている本質的な課題ってなんだっけ?
・僕らが本当に届けたい価値ってなんだっけ?
を明確に正しく理解することが必要でした。
コアバリュー再定義の具体的な手法についての詳細は割愛しますが、導入​先及び提案中の役員層にインタビュー実施を実施しました。あくまで課題解決の終着地点がTUNAGにならないように、「課題が起きている構造と課題が起きている原因」が事実ベースでわかるようにインタビューを実施し、業界構造を俯瞰的に解像度を上げました。
結果的にコアバリューを「労働組合と組合員をつなぐ場所」と決め、これを実現するためのサービスとして、マーケティングから営業活動まで一貫した提案ストーリーを刷新し、落とし込みました。

トヨタ式問題解決8ステップに基づき作成した、
マーケットの構造や課題とTUNAG for UNIONの価値を結びつけた1枚の資料

②受注率の高い販路のアポ獲得数を最大化し、受注率改善+1対Nの営業アプローチを仕掛け、2度目のグロースを実現させる

当時は、受注率がピーク時と比較するとかなり減少していたこともあり、受注率の改善は緊急かつ重要な問題でした。
ただ、FSメンバーについては、社内でも大きな成果を上げているメンバーだったこともあり、自身の営業スタイルも確立していたため、むしろ、人にフォーカスをした改善ではなく、仕組みや売り方で改善を実施&個人のスキルや特徴を活かすことに注力をしました。

具体的には、記載の通り、受注率の高い販路のアポ獲得数最大化に注力しました。
特に、①CV②紹介経由③セミナーの3つの販路が受注率を高く保てていたので、ここの最大化に注力をし、それぞれ施策を走らせました。

▼①CV

「前例踏襲」や「横のつながり強さ」という特徴を活かすために、元々1枚ペラのDM送付でアプローチしていたところを顧客の導入事例やセミナー情報など、顧客にとって有益で興味のある情報に厳選した情報誌に進化させつつも、あえて紙媒体にこだわり、毎月送付しています。
また、労働組合マーケットにおいて、第一想起ブランドの地位を確立し、1対Nでのアプローチに特化していくために、情報誌をさらに進化させたオウンドメディアを実装し、web上でも認知拡大できるように取り組んでいます。他労働組合の活用事例やインタビュー等を顧客に提供することが僕らにできる価値提供の形だと思いますし、マーケットにおいてのハブのような存在になれるといいなと思っています。

また、突発的かつ瞬間的な成果を求めることも大事ですが、コアバリューを実現するには中長期的に持続可能性があり、レバレッジが効く打ち手をいくつも実行することが重要だと思っていますので、目先+未来を見据えて、成果は少し先になるかもしれないけど、こういった顧客が求めているコンテンツを提供し続ける+顧客の情報収集フローに基づいた紙面形式での発信など、時代のトレンドに囚われない取り組みを形にすることを意識してきました。

情報誌「for UNION」
労働組合の未来を作るwebメディア「for UNION」

▼②紹介

既存のお客様からのご紹介の方が受注率が高いというのはみなさんも想像しやすいと思います。弊社の場合だと、意図的に発生する仕組みが構築できていなく、単発での発生になっており、月3,4件程度くらいでした。
ここでも同じく「前例踏襲」「横のつながり強い」の組織体であるからこそ、ここをスケールできれば、販路として確立できると考え実行に移しました。
具体的には、
a:紹介状とご紹介いただきたいところを明確にし、お打ち合わせと併せて継続依頼すること
b:サービス開始初期からに古くから活用していただいている導入組合の役員とのアンバサダー契約を締結
c:労働組合を営業対象としている企業様や労働組合と密接な関係性のある先との販売代理店契約を締結し、1対Nの営業活動を実現

a:紹介状とご紹介いただきたいところを明確にし、お打ち合わせと併せて継続依頼すること

aについては、顧客との信頼関係構築がある状態で紹介を依頼し続けることが前提にあると思っています。
ただ単に依頼をするのではなく、いかに紹介のお声がけをしやすく伝えられるかが重要だと思っていますので、ご紹介いただきたいところを明確にした状態で、会話をしながら、関係性を伺いつつ、ご紹介先をご依頼します。
打ち合わせ時やメール、電話等のコミュニケーションで確認し、紹介していただけそうな先を教えていただくのですが、ただ、ここで紹介可能先が明確になっても、直接会って声をかけて「TUNAGというサービスを導入したから聞いてみない?」と行動に移して、かつTUNAGの魅力を伝えて、紹介するとなるとこれはこれでハードルが高いと思います。
なので、紹介状という形で、紹介者のお名前だけお借りして、下記紹介状に記載することをご了承いただきます。そこまでやりとりさせていただくことで、ご紹介が継続して生まれるようになりました。

紹介状のフォーマット

b:サービス開始初期からご活用いただいている導入組合の役員とのアンバサダー契約を締結

bについても元々2021年から活用いただいていたイオンフィナンシャルサービスユニオンの役員の方とアンバサダー契約を締結させていただきました。元々マーケットでも影響力があり、過去に何度もお客様をお繋ぎいただいたこともあったので、いわゆる広報宣伝大使という立ち位置で、TUNAG for UNIONを一緒に拡販・広報していただいたり、実際に現在も労働組合の役員として従事されている方なので、顧問的な立ち位置としても営業戦略や広報活動の相談を定例で実施しています。
前提、ご縁もあって長くご活用いただいているからこそでもありましたが、公式に広報活動を行うアンバサダーという形で「一緒にTUNAG for UNIONの拡販をしませんか?」とご提案できたことが良かったかなと思います。

TUNAG for UNION アンバサダー

c:労働組合を営業対象としている企業様や労働組合と密接な関係性のある企業様との販売代理店契約を締結し、1対Nの営業活動を実現

cについては、今週4/4にリリースを正式に出しますので、こちらの内容をぜひご覧いただければと思いますが、労働組合というニッチな領域だからこそ、マーケット内の関係性は密接なので、影響力のある企業様や労働組合様に営業をさせていただき、TUNAG for UNIONの代理店契約を双方メリットある形でご提案させていただくことを開始しました。
おかげさまで、少しずつではありますが、労働組合を営業対象としている企業様や労働組合と密接な関係のある企業様と販売代理店契約を締結できましたので、より認知拡大をするために社外の関係者や仲間集めに現在はリソースを投下し、1対1でのアプローチ→1対NないしはN対Nでのアプローチを実現していきたいと思っています。

▼③セミナー

こちらは本当にシンプルでスタメンの人間が話すよりも実際にご活用いただいている顧客にTUNAGの魅力を語っていただくことが1番だと思いますので、毎月導入組合のご担当者様にご登壇いただき、導入背景から活用事例、成功・失敗談をお話しいただくオンラインセミナーを実施しています。
現在は、月一回のみの運用になっているので、頻度を増やしつつ、内容もアップデートしていき、顧客が価値を感じていただける情報をご提供していければと思っています。

こちらでご紹介した受注率の高い3つの販路に注力する一方で、1年目はBDR(新規開拓)の一本勝負でほぼ勝ってきましたし、ROAS含め、費用対効果の高いアプローチ方法でもあったため、BDRについては、顧客規模を変えて選択と集中をしました。

結果

結果的に、こちらの施策を実行した結果、受注率も約1年かけて上昇し始めていますので、事業を再度グロースさせる最低限の打ち手は実行できたかなと感じています。

2023年7月~現在

こちらは次回号として記事投稿させていただきます!
今回の内容が割と点ベースでの打ち手の記載になってしまったので、もう少し広い目線で見た時の、点や線が面になっている伏線を仕掛けていますので、より詳細に記事を記載したいと考えています。

まとめ

結局は、過去にX(Twitter)で投稿した下記内容が全てかなと思っています!
強いて一つ決めるとすれば、"顧客と同等に語れるくらいの顧客解像度の高さ"があれば、具体的かつ軸のぶれない営業活動ができると考えています。
まだまだ至らない点も多々ありますが、「事業に必要な意思決定と実行」を「業務内容や役割、できるできないに囚われず」に挑戦し続けられるように愚直にやっていきます!

本記事をご覧いただき、「面白そう!」「スタメンってどんな会社なんだろう!」と少しでも思っていただけたら、ぜひDMでお気軽にご連絡ください!!
ご覧いただきありがとうございました!

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