見出し画像

開発の舞台裏Ⅰ 〜キャラクター交流型ウェブゲームの意味〜

開発が少し行き詰まったので、開発の舞台裏について少し文章をしたためることで息抜きとします。

今回は『暗夜迷宮』や『IDEA CRAFTERs』等を定期ゲーではなくキャラクター交流型ウェブゲームと呼ぶ意味について書こうかなと。お暇な方がいらっしゃれば、ごゆるりとお付き合いいただければ幸いです。

キャラクター交流型ウェブゲームの意味

定期ゲーという語

"定期ゲー"という語は本来的にはゲームに登録したユーザーが一定期間ごとに行動を宣言し、一斉に結果が帰ってくるゲームを意味します。

しかし、いつしかオリキャラ文化と結びつき、AP制というシステムも作られ、現在では「オリキャラを登録して交流できることもある、テキストベースの同人ブラウザネットゲーム」ぐらいの意味で用いられています。

定期ゲーとキャラクター交流型ウェブゲーム

さて、その歴史もあり主流の定期ゲーはゲームがメインでそれに交流要素がついてきたものです。戦闘のあるゲームにチャットが付いているだけというのも珍しくありません。

しかし、今の定期ゲーを遊んでいる人の多くはゲームではなくオリキャラ交流をメインの目的として遊んでいます。そうであるならオリキャラ交流がメインでゲームがその助けになるゲームがあってもよいのではないでしょうか。それこそがキャラクター交流型ウェブゲームと呼ぶものです。

そして、そもそもの主題が違う故に定期ゲーとキャラクター交流型ウェブゲームの設計には多くの違いがあります。例えば『IDEA CRAFTERs』には戦闘は一切ありません。他にも設計意図の面で様々な違いがあります。

同じ呼び方だと"思っていたものと違う"など支障が出る場合もあるかもしれないので、より実情に即した別名で呼んでいる、というわけです。

呼び方

上記理由により、『暗夜迷宮』や『IDEA CRAFTERs』を定期ゲーと呼ぶと若干齟齬があるかもしれません。とはいえ4字でジャンルを表現するのに便利ですし、ユーザー様方からそう呼んでいただく分には問題ありません。

ただ、本来の意味の定期ゲーからはシステムも設計思想もだいぶかけ離れているのも事実。定期ゲーとは意味を分けて呼びたい時に「キャラクター交流型ウェブゲーム」では長すぎるので何かしら呼びやすい呼称があったほうがよいのかもしれません。キャラ交流ゲー、もっと縮めるなら交流ゲー……とかでしょうか?

余談:設計意図

主題が違う故に定期ゲーと設計意図が違うと書きましたが、具体的にどういう意図をもって設計されているのか、いくらか紹介しようかと思います。色々なところに主題が根ざしているのがちょっと分かるかもしれません。

行動ログ

分かりやすいところでは『IDEA CRAFTERs』の行動ログの送信でしょうか。

システムログはシステムによりそれが実際のことであると保証してくれるものです。それをチャットに送信できるようにすることで、ロールプレイの補強になることを狙っています。

特に『IDEA CRAFTERs』ではAPというコストを利用して生み出したアイテムをロールに活かせるようにすることで、より強くロールプレイの補強ができる設計になっています。少なくとも何かしらのリソースを払って作ってくれたアイテムを貰うと嬉しいですからね。

スタミナ(AP)

そもそも交流をしたいのであればPBCなどをすればよいはずです。しかし、周辺で意識調査を行ったところPBCは続かないという意見が多数見られました。

原因は様々あるかと思われますが、サイトを開くことに導線がないというのが大きいのではないかと私は考えています。気分が乗らないとサイトを開かなくなり、開かないと交流の輪から外れていき、そうすると最終的には離れてしまうのです。

スタミナには様々意図がありますが、少なくとも意図の1つはそれを改善することです。

ある程度リアルタイムにアクセスして貰えばサイトが開かれ、気になるキャラやチャットを見かけたり、サイト開いたしついでに交流しようかなとなったりして交流の継続に役立ちます。

この目的に沿うのは「溢れても実際さほど問題ではないけど、少し損した気分になるかも」という制約で、最も合った形がソシャゲのようなスタミナです。そのため、『IDEA CRAFTERs』等には定期ゲーのAPとも違うスタミナ制が導入されているのです。

(もちろんスタミナはそれだけではなく、一瞬で遊び尽くされる等の対策でもあります)

共通の話題となる公式設定の存在

交流をする上では共通認識があったほうが交流がしやすいです。まったく共通事項がなければ話題を作ることが難しいですが、逆に、共通の話題があれば話をすることができます。

『暗夜迷宮』におけるプレイヤーキャラクターの立場、『IDEA CRAFTERs』におけるアイテム出し入れ魔法の存在、ナビゲーターキャラクターやドロップするアイテムなどもそれにあたりますね。

戦闘

これは将来的にどうしたいかという話になってしまいますが、したい話もあるので触れておきます。

定期ゲーはゲームが本題なので、ある程度打破が困難な敵が現れ、用意されたスキルの中からそれを打破するよう工夫をこらすという設計になりがちです。

しかしキャラ交流ゲーとして見た場合、主眼となるべきは「どうやってこの敵に勝つか」ではなく「私のキャラクターがどういう戦い方で活躍するか」だと私は思います。

分かりやすいのはTRPGです。

やりたいキャラがあるのであれば、強いからといってクトゥルフでMAキック99、ダブルクロスでサイレンの魔女ばかり使うことはまずありません。PLはやりたいキャラに合ったスキルを組み上げ、そしてGMはやりたいキャラで組んだスキルを前提にした敵を出してくれるはずです。

キャラクター交流型ウェブゲームもこうであった方がよいのではないでしょうか。様々バリエーション豊かなスキルがあり、戦闘は緩めでいろいろなビルドを作ってオリキャラが思い通りの戦い方で活躍できるゲームです。この方がキャラクター表現にはおそらく向いているでしょう。

余談:『暗夜迷宮』や『ラストワード/アーカイブ』でPvPを実装しない理由もここにあります。PvPはどうしてもキャラ表現よりスキルの強さを優先した人の方が勝ちます。ゲームが主題ならよいのですが、キャラ交流ゲーとしては不都合があります。

現在鋭意作成中の『暗夜迷宮』ではこういったものを目指して開発を行っています。

実際に『暗夜迷宮』でそうなるかというとスキルの幅等が原因で恐らくそうはなりませんが、暗夜迷宮の目的は戦闘のテストと銘打っている通り、バラエティ豊かなスキルを扱えるシステムが組めているか等のチェックです。徐々に改善していきながら目標を目指そうと考えています。

締め

以上、余談に筆が乗ってしまい、思ったより長くなってしまいました。思いつくままに書いた乱文乱筆でしたが、お付き合いいただきありがとうございました。

ある程度悩んでいた実装案も思いつきましたので開発に戻ります。それでは。

reifier

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?