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「REICOの読書日記」No82

Enjoy Reading 26 「あきない正傳 金と銀13 大海篇」
髙田郁著  2022年

 九歳で大坂天満の呉服商「五鈴屋」へ女衆として奉公に出た娘「幸」は、その後、思いもかけない出来事が重なり、五鈴屋のご寮さんとなりますが、六代目の三男の智蔵が亡くなって、亡夫の夢をかなえるベく、宝暦元年に浅草田原町に江戸店を出店しました。
 妹の裏切りに遭ったり、呉服商の仲間から外されたりしながらも、太物(木綿の着物地)の店として、仲間とともにいろんな試練に耐えながら、持ち前の商才を発揮し、いろんなアイデアで売上を伸ばして、信用を築いていきました。そして、ついに一度は断れた呉服商いもできるようになり、吉原の衣装比べにも参加することになりました。(ここまでが出帆篇)

 吉原の衣装比べでは、花魁ではなく、芸で身を立てていこうとする歌扇をモデルに健闘し、店の名をあげました。
 さらに、格式の高い武家も顧客に持つことで、豪奢な絹織物も扱うようになりますが、今までのお客様に肩身の狭い思いをさせないために、店先現金売りと屋敷売りで店を分けようと、新店を探し・・・・。
 と、うまく行ったと思えば、またピンチにみまわれ、なぜ、あの人が・・・と思うようなことが起こったり、山あり谷ありのなかで、「買うての幸い、売っての幸せ」の精神で、商いの大海へと漕ぎ進んでいきます。

 どんなことが起ころうとも、いろいろなアイデアをだして、みんなで力を合わせて乗り越えていく様子には、本当に力づけられます。
「少し先に、特別巻を2冊」の刊行予定が、楽しみです。
 



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