知らないままの幸せと知らされた現実
自分の子供くらい離れた老人
彼女が20歳の頃に知り合い、心の拠り所にしながらも「お小遣い」を貰ってた
「お小遣い」は会ってご飯食べて楽しい時間を過ごすだけで老人は彼女にプレゼントしてた
老人に取っては可愛い娘のようで、彼女の嘘さえも信じて10年そういう関係が続いた
老人の家族関係は知らない
ただ、彼女の嘘の中にも本音があり老人は彼女を同情と娘に注ぐような愛情で接し続けた
ある日、老人と彼女は楽しく久しぶりにご飯を食べ、カラオケして盛り上がる2人は本物の親子のように見えた
嬉しそうに笑う老人、その姿を見て笑う彼女
微笑ましい光景にみえた
寂しい者同志が久しぶりに会って心の隙間を埋めてるような風景だった
再会を堪能して「またね」と2人は笑顔で別れた
悲しい現実が老人に降り掛かった
彼女の話は全部、嘘でお金に今は困ってない現実を彼女の戸籍上の旦那が老人につげた
ほんの数分前まで一緒に寂しさを埋め合うようにカラオケを楽しんでたのに、老人は戸籍上の旦那と彼女の母親から「金銭的に彼女は困っていない」
全部、彼女の出鱈目だと畳み込むように告げられた
項垂れながらも彼女を信じたい老人
10年の間、娘のように思ってた彼女が自分を騙してた
「お小遣い(1万円)」は返しますと、戸籍上の旦那が老人の手に握らせた
信じられないなあ……。
悲しそうな老人を現実を知らされた時にでた言葉
彼女は老人に戸籍上の旦那と母親が伝えたことをリアルタイムで知る
激高し真っ先に老人に電話をした
信じなくていいよ、早くもう逃げてと
彼女の激高の先は戸籍上の旦那
なぜわざわざ追いかけて言うの!
知らない方が老人は幸せだったはず
お金の問題で解決しても(お小遣い)老人の心は解決どころか狼狽するだけだった
老人は病気を患いやせ細って背中も少し曲がっていた
彼女を可愛い娘のように思ってたのに現実を知りたかっただろうか?
彼女の言うように知らないまま、またねっで良いじゃん
知らない方が幸せだよ
本音と嘘で向き合ってた老人への優しさを垣間見た
老人にとってはお金を返されることより、真実を突きつけられた寂しさと悲しさの方が大きかったかも知れない
知らない方があると思った
老人は生き甲斐を失わなかったか、他人事ながらも気の毒で心配になる
老人は穴の空いた心を埋められれば良いのだけど
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