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レッツゴー松江♪レッツゴー松江♪(2023 酒林堂 公演参戦日記)

私の推し様である近藤隆さんがマイクのケーブルを八の字巻きしながら客席に突入してくるという衝撃の事件から一夜明けまして、おはようございます。こんにちは。こんばんは。

いやあ〜楽しかった!!!!!(小学生の感想)

参加する前はなんとな〜く得体の知れないアットホーム感漂うイベントに、コミュ障の私ビビり倒しておりまして「もうほんと怖い。あんな狭い会場で推し様と同じ空間に閉じ込められるなんて思うと緊張で吐きそう。もう空気になりたい。コミュ障にはあんな狭そうな空間でのイベント怖すぎるて」と書き置きを残して旅立ったわけですが、参加して本当に良かった!!!

どのくらい緊張していたかというと、
・イベント前に入ったカフェで、一つのサイズしかないのにドヤ顔で「Mサイズで」って注文しちゃって、レジのお姉さんに「Mサイズしかないけどな」って顔される。
・グーグルマップを信用した結果お寺の裏口みたいなところに連れていかれ、周りに誰もおらんくて不安だし、どうしようもなくて情けない声が出る。
・会場である洞光寺に着いたはいいが、整列の仕方がわからず、スタッフのお姉さんに保護される。(予め指定された番号順に入場)
・靴を脱ぐところで焦って靴紐を解いてたら足を吊る。(もし次回があれば脱ぎやすい靴にするといいよ!)
・足を吊ったまま、変な歩き方で会場入り。
・パニクってマイク考察をせずに適当な位置にポジる。(会場は自由席)
というまあまあな動揺っぷり。

色々と気が動転しすぎて着席してからも借りてきた猫状態。
この場から逃げ出したい私を「墾田永年私財法」を唱えることでどうにか精神統一し、人の形を保っておりました。きっと隣のおねーさんにめちゃ挙動不審に思われただろうな。

当初は「近藤さんに頑張ってサインくださいって言うぞおおおおお」と意気込んでたけど「サインとか言ってる場合じゃねえ!生きて帰ることが最重要課題だ!!」とすぐさま身の丈にあった目標に変更。

いや、だって近いんだ。畳二畳挟んだ先にマイクがあるんだ。こんな近くで推しを浴びたら死んでしまうがな。

あ、ここで説明をしておくと会場はお寺のお堂です。四角く囲ったステージの三方を囲むようにコの字型で席があり、前方三列ほどは座布団、後方席が椅子でした。便宜上ステージと呼びますけど、別にお立ち台があるわけではなく、畳の上に敷物を引いてスペースを作っているのみ。最前列の方はそれこそ手を伸ばせば演者に届いちゃう。会場に入った時にはマイクが4本たっており、マイク横に行燈が設置されておりました。客席170名ほどの小さな空間。

というわけでご理解いただけましたでしょうか。
演者との距離の近さに緊張がおさまらない。

それでも無情にも時間は過ぎてゆき、1人あたふたしている間に前説が始まり、会場が暗転しました。

真っ暗になるのか!ハッ!これって怪談を楽しむイベントだったー!!!
とイベントの本来の趣旨を改めて噛み締めていたところで、蝋燭を持った茶風林さんが登場。

ステージ上に設置された行燈に火を灯して回りながら、語り始めます。
そう会場を照らす灯りは四つの行燈だけなんです。雰囲気出るよ〜。
そしてあちこちに設置されたスピーカーから色んな音が聞こえる。
立体音響みたいな感じ。
これはもうダミヘです。※個人の感想です。

そんなこんなで不思議な雰囲気にのまれていると、茶風林さんの語りの裏で静かにゆっくりと暗闇の中を進んでくる複数の人影が。
ステージ上の椅子に座ります。

あのミニマムさに丸いフォルム…
どこかで見覚えのえる人影だぞ…

と思っていたら、そのお方がさっと立ち上がりマイクの前にやってきます。
そして、今日が「私の命日」だなと思いました。

私の真ん前に来た!!!!!!!!!!
まさかのドセン!!!!!!!!!!!
なんてこった!!!!

もうこうなったら腹を括ってガン見するしかありません。(?)
彼の一挙手一投足を逃すまいと、とにかくガン見しました。

いや、というかガン見してても全く飽きないのが近藤さんのすごいところだと思う。

近藤さん、本当にずーーーっとお芝居をしている。
茶風林さんが「小屋の戸が〜」と語ると、視線を向こうにやり、戸を眺めている。
寒さでガタガタ震えるところでは、実際に小刻みに体が揺れている。
雪女を目の前にすると、その美しい姿に魅入られてしまったかのように大きく息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す。
「覚悟を決めた〜」の語りで、意を決したように口を引き結び、真っ直ぐで強い目をする。

そう!ずっと!お芝居をしている!自分が喋らないターンでも!ステージ上では!ずっと巳之吉を演じているのだ!

本当に彼は全身でお芝居するタイプの役者さんなんだなあと思いました。身振り手振りをすることは少なかったけど、代わりに表情が目まぐるしくクルクル変わっていて、本当に目が離せない。いっときも目が離せない!これはガン見してしまう!
(拝啓 近藤隆様、ガン見して怖がらせてしまったのならごめんなさい)

雪女を目の前にして「大層綺麗に違いないよ」の言い回しが恐怖と儚さと恋心が混ざったような、それでいて真っ直ぐ前を見据えながら、青年の純粋さをしっかり残していて、おめめきゅるっきゅるで、まるで恋愛映画を見ているような美しさ。そこにいたのは近藤隆(44)ではなく、10代の青年巳之吉。

そう!怪談を聞きに来たはずが、思いっきりラブストーリーじゃないか!!!恋愛映画見てるのかと思ったよ!!楽しいな!?!?

と夢女脳の私はきゃっきゃはしゃいでおりました。

その後、雪女さんに殺されずにすんだ巳之吉は、道端で綺麗な女性と出会うんですが「巳之吉だ」って名乗った時の近藤さんの顔がなんていうか『恋する乙女』の顔だったんだよ!もうこっちがどうしたらいいのかわかないくらい『恋する乙女』の顔してたの!!自己紹介しただけだけど!あれは間違いなく恋してたの!!

と思ったら次のシーンでは、巳之吉さん結婚なさって、子供が10人いる世界線になって、声や目つきが明らかに変わっていた。所帯を持った責任感ある少し寡黙になった大人の巳之吉さんになっていました。一瞬で歳取ってた。あれどうやってるんだ??なんであんな一瞬で歳を自由自在に操れるわけ??どういう自然の摂理??

もう本当にこんな距離感で近藤さんの超絶演技をずっと見ていられて、本当に嬉しかった。幸せでした。

ラストシーン、雪女さんの秘密がバレてしまって、もう行かないといけないという雪女さんに対して「愛するひとはおまえだけだ」って苦しそうに泣きながら笑顔で見送るところでぶわあああって鳥肌。どこで選択肢ミスったんだろう😭こんなしんどい展開はいやだ😭どこから巻き戻せばいいんですか😭ってもう気分は乙女ゲーム攻略中にバッドエンドに突入しちゃった人。

物語の中でお役目を終えたキャストさんは行燈の灯りを消していくので、物語が終わる頃には再び会場は真っ暗に。
その後、蛍光灯がともり、茶風林さんの「礼!」という掛け声で一礼し去っていく、という最後までなんとも粋な雰囲気でございました。

※蛇足ですけど、ここの挨拶で近藤さんすごい渋い顔してたけど(そりゃあ雪女さんを失ったばかりだからね)、一瞬視線がキョロキョロなったの、素の近藤さんがちょっとだけ現れた気がしてふふってなってしまいました。フリトでだんだん近藤さんに戻っていく感じを思い出した。

開演前はあんなに緊張してたのに、お芝居が始まったら、その世界に引き込まれてあっという間だった〜!!!体育座りによるお尻の痛みも忘れるほどの45分間でした!!

そして実はこの配役、各公演で変更があって、それぞれの役作りが楽しめるのもすごく良かったです。

1日目夜
伊藤さん(雪女)×近藤さん(巳之吉)×鶴岡さん(茂作)×茶風林さん(語り)
2日目昼
茅野さん(雪女)×吉野さん(巳之吉)×茶風林さん(茂作)×伊藤さん(語り)
3日目夜
伊藤さん(雪女)×近藤さん(巳之吉)×吉野さん(茂作)×茶風林さん(語り)

って感じで、特にメインの2人が違うとかなり印象が違って聞こえました。

茅野さんの雪女は王道で雪女といえばこれ!っていうようなお芝居で、伊藤さんの雪女はちょっと得体が知れない感じが強くて怖かった。
吉野さんの巳之吉さんはちょいやんちゃで純粋さを全面に出していた気がするけど、近藤さんは真面目・朴訥・寡黙って感じ。

たしか2日目の昼公演の幕間で、近藤隆さんが「茅野吉野ペアはロマンティックだった。僕らのは人形浄瑠璃みたいになってしまった」とおっしゃっていたけど、言い得て妙だなと(笑)

同じ脚本なのにこんなにも違って見えるのか!と、演者側は互いに引っ張られたりして大変かも知れないけど、見ていてとても面白かったです。
両方のパターンを見ると、それぞれ役者さんの解釈がより際立って見えるしね。

と、まあここまで既にえげつない量の感想書いてますけど、問題はここからなんだ。

そう!公演の後は待ちに待った「お清めの時間」です!!

説明しよう!「お清めの時間」とは、朗読劇の合間に「キャストの皆さんと酒酌み交わしながら、おつまみつまみながら、どんちゃんやろうぜ♪」というすごい時間なのだ!!

会場ではお弁当が売られており、もちろんこの時間に食べてもOK。

チケットにはお酒とおつまみ代が含まれているので、客席にどんどんお酒が配られ、ワイワイガヤガヤしだしてもうここからはお祭り気分。

推しとお酒を酌み交わせるなんて後にも先にもこんな贅沢な機会、絶対にないぞ!?!?と思い、お酒苦手な私もせっかくなので、一緒に乾杯しました。

升で飲む日本酒、人生初の出来事です。

出雲富士を頂きましたが、思いの外めちゃくちゃ飲みやすい。甘い。ゴクゴクいっちゃいそう。マジで。たしかに度数はそれなりにあるので飲んだ瞬間はカーッってするけど、それもまたたまらない。
お弁当もほんとうに美味しくて酒林堂さんのセンスが光っておりました。

ちなみに客席ではお水で乾杯してる人もいましたが、演者のみなさんガチの日本酒を飲んでいたそうです。このあとも朗読劇あるのに。仕事中の飲酒、最高か!!!!!!!!!!

そしてこのお清めの時間、近藤さんもステージに登場してくださり、ちょっとしたトークとかあったんだけど、もう色んなことが起こり過ぎてキャパオーバー。

一番私が萌え転がったのが、終始舞台上でスタッフの如く床に膝つきながら、マイクのケーブルを八の字巻きする近藤さんが観測されたところ。もうたまらなかったです。なんで八の字巻きしてるの!演者なのに!「八の字巻きする近藤さん」というトレンドワードが爆誕した瞬間でした。

というわけで、ひたすら可愛くてミニマムだった推し様のお話はまた今度にします。(さすがに疲れた)

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