【東京ドーム公演直前特集】 「予言」で「祈り」、そして『約束』。『2020年以降のAqours』の歌詞と歩みを読む。
「約束があって あってあってよかった」
「なんどだって約束！」/Aqours
作曲: TAKUYA, MEG, Kanata Okajima
作詞:畑亜貴
編曲:本間昭光
こんにちは！レです。
連載記事『歌詞を読む』。
今回は、Aqoursの2022年4月13日に発売されたシングル「なんどだって約束！」。
そして、そこにたどり着くまでの
「2020年以降のAqours楽曲」にも焦点を当てて、「歌詞」と「歩み」を見ていきます。
1.楽曲について
まず「なんどだって約束！」の楽曲説明から入ります。
目を見張るのは、超豪華作詞作曲編曲陣。
作曲: TAKUYA,MEG,Kanata Okajima
作詞:畑亜貴
編曲:本間昭光
「邦楽界を代表する」と言っても過言ではないクリエイター陣。
TAKUYAさん、CYaRon!の1stアルバムの楽曲提供や、CYaRon!2ndライブでのバックバンド、「CYaRoTOMO'S」のギターとしても馴染みが深いですが、言わずもがなの国民的ロックバンド、「JUDY AND MARY」のギタリスト。
MEGさん、Guilty Kissの1stアルバムでのレコーディングメンバーでもあり、Guilty Kiss2ndライブでのバックバンド、「Guilty Devils」のギタリストとしても馴染みが深いかもしれません。
また、なんといってもAqoursへの楽曲提供も数多く、後述のKanta Okajimaさんとの共作曲で、数多の名曲をこの世に生み出しています。
中止となった前ドームツアー「Fantastic Departure!」、初のキャストMVが話題になった、「DREAMY COLOR」など、「今のAqours」を代表する楽曲のサウンドは、MEG × Kanata Okajimaの連名クレジットから多く生み出されています。
Kanata Okajimaさんは、もはや近年のAqoursのメインコンポーザーとも言える存在。
「Hop?Stop?Nonstop!」をはじめ、
「Jump up HIGH!!」、「KU-RU-KU-RU Cruller」など、上記のMEGさんとの連名クレジットの楽曲を含めいわゆる近年の「大人Aqours」の立役者の一人と言っても過言ではありません。
また、Aqoursメンバーの一人である逢田梨香子さんの楽曲である「ME」の作詞を手がけるなど、コンポーザーとして以外にもマルチに活動する音楽家です。
編曲は、これまた日本を代表する大物プロデューサー、本間昭光さん。
ポルノグラフィティの数多くの楽曲を手がけ、他にもいきものがかりなど人気アーティストの編曲やプロデュースを手がける大物ミュージシャン。
そして何より、Aqoursのメンバーの一人でもある、降幡 愛さんのソロアーティスト活動の「共犯者」的存在。
プロデュース、全楽曲作曲を担当し、彼女のソロ活動も手がける彼が、CYaRon!に引き続き、Aqours楽曲にも参戦です。
作詞は言わずもがな、Aqoursの歴代楽曲の全ての作詞を担当する畑亜貴さん。
彼女の作り出す、Aqours、ラブライブ！シリーズの楽曲は、時々「予言」と評されます。
楽曲がライブで披露された時の状況や想い、披露して初めて芽生えた感情がすでに歌詞として書かれていたり、楽曲制作時から、すでにその楽曲や、グループの行き末や成長を予感しているかのような楽曲の歌詞たちは、ファンのみならず、キャストからも「予言」と表されることが多いです。
畑さんは予言者だと思う。ある曲を1年後とかに歌ってみると
「あれ？ 今の私たちってこの歌詞に追い付いたような状態なのかな？」と思ったり、ライブをやってみて初めて芽生えた感情がすでに歌詞として書かれていたり。
「なんで知ってるんだろう？」と思ったことが何回もあります。
そんな畑亜貴先生の「予言」めいた歌詞から読み取る、劇場版以後、アニメのストーリーに大きなひと段落がついたあとのAqours。
『2020年以降のAqours』を畑亜貴先生の歌詞から読んでいきます。
2.2020年以降のAqours
今回、Aqoursの活動の中でも『2020年以降』のAqoursに着目して歌詞を見ていきます。
『2020年以降』がAqoursにとって何を意味するかというと、
活動期間の中で2019年までを「結成→劇場版まで」とすると、
2020年以降は、「劇場版以後」という言い方になります。
2020年以降は、つまり、アニメの千歌たちのストーリーを描き切った後でのAqoursの活動という括りになります。
そして、ラブライブシリーズ全体でも大きな意味を持つイベントとなった、2020年1月の「ラブライブ！フェス」。
ここでAqoursは結成当初からの憧れであるμ'sと初のステージ上での共演、2日目においては大トリを飾るなど、Aqoursにとっても届かなかった星たちに懸命に手を伸ばし、やっと届いたという、大きな大きな「一区切り」となりました。
そして、2020年2月以降のコロナ禍による「有観客ライブ活動の停止」。
2020年は、Aqoursにとって、『5周年』の年でしたが、この年に催される予定だったライブイベントは中止、延期。
これもまた、大きな大きな出来事、
「劇場版以後」、「ラブライブ！フェス後」、そして「コロナ禍」。
この3つの「区切り」からして、『2020年以降のAqours』に今回は着目しました。
3.ラブライブ！フェス〜『LOVELIVE! SUNSHINE!! UNIT LIVE ADVENTURE』
2020年前半のラブライブ！サンシャイン!!の活動から振り返っていきます。
まず、1月、
ラブライブ！シリーズの9周年を祝う最高のフィナーレ、Aqours、Saint Snow、ニジガク、そしてμ'sが揃い踏む『LoveLive!Series 9th Anniversary ラブライブ！フェス』が開催され、2020年は最高のスタートを切りました。
大舞台での『憧れ』との共演、そして2日目はイベント全体の大トリを勤めるなど、Aqoursとしても大きな大きな意味を持つステージとなりました。
そして2月、3月
ラブライブ！フェスの勢いをそのままに
『LOVELIVE! SUNSHINE!! UNIT LIVE ADVENTURE』と題して、シリーズ初のユニットワンマンライブが開催。
・LOVELIVE! SUNSHINE!! UNIT LIVE ADVENTURE 2020 Guilty Kiss 1st LOVELIVE!~ New Romantic Sailors ~
・LOVELIVE! SUNSHINE!! UNIT LIVE ADVENTURE 2020 CYaRon！First LOVELIVE! ~ Braveheart Coaster ~
・LOVELIVE! SUNSHINE!! UNIT LIVE ADVENTURE 2020 AZALEA First LOVELIVE! ~ Amazing Travel DNA ~
の3公演が開催される予定でした。
『ADVENTURE（冒険）』を冠するライブコンセプトの元、すでにリリースされていたユニットの新曲、
・New Romantic Sailors
・Braveheart Coaster
・Amazing Travel DNA
の3曲をそれぞれテーマにしたライブ。
それぞれの曲の歌詞の中にも
どんな『冒険』がしたい？
だんだん速く時を越えそうなHyper drive
悔やみたくないBrave heart
解放しよう Brave heart
予想以上のセカイ広がる それが『冒険』だ
目覚めた『冒険』DNA 誰でも持ってますよ
『冒険』という言葉が印象深く使われています。
ラブライブ！サンシャイン!!楽曲の中で印象強く使われるワードである『冒険』。
先の三曲と同じく2019年にリリースされたAqours楽曲、「冒険Type A,B,C!!」と合わせて、
「『冒険』4部作」とも言えるのではないかと思っています。
はじまりの曲である「Step!ZERO to ONE」の最初のフレーズである
『冒険』に出るんだ 最初はひとり
やがてみんなと巡り会えるかも
作中でライバルとして描かれるSaint Snowの楽曲、「Believe again」の最後のフレーズ。
So 遊びじゃないよ Let's go
Ah 『冒険』は終わらないよ Let's go!
スクールアイドルに関して、対照的な考えを持つように描かれていたAqoursとSaint Snowでしたが、両グループとも「スクールアイドルの青春」を『冒険』と例えていたことが、ライバルのラブライブ！決勝用の楽曲のラストフレーズで判明したのも、なんとも心に残っていた『冒険』というワード。
2020年前半のライブは、間違いなくこの『冒険』という言葉をテーマに、駆け抜けて行っていたはずです。
しかし、先に説明した、
『LOVELIVE! SUNSHINE!! UNIT LIVE ADVENTURE 2020 AZALEA First LOVELIVE! ~ Amazing Travel DNA ~』、
そして追加公演、
『LOVELIVE! SUNSHINE!! UNIT LIVE ADVENTURE 2020 ~ PERFECT WORLD~』も共に、世界的な感染症の拡大により開催中止を余儀なくされてしまいました。
AZALEA、そして3ユニットが揃い踏む予定だったPERFECT WORLDの開催断念により、Aqoursの『LOVELIVE! SUNSHINE!! UNIT LIVE ADVENTURE』は意図せぬ形で幕を下ろしてしまいます。
4.Aqours 6th LoveLive!DOME TOUR 2020
『LOVELIVE! SUNSHINE!! UNIT LIVE ADVENTURE』が終わるとそのまま、Aqours結成5周年、『Aqours 5th Anniversary 地元愛！Take Me Higher Project』に突入します。
世界的な感染症拡大は終息が見えない中ですが、5周年最大の企画、『ラブライブ！サンシャイン!! Aqours 6th LoveLive! DOME TOUR 2020』が発表されます。
プロジェクト最大規模のライブツアー、夢の舞台東京ドーム含む5大ドームツアーが発表。
テーマソングの発売も決まり、さらに邁進していく計画が立っていたAqours。
テーマソングは、本来5/20に発売予定で、後に緊急事態宣言解除後の7/22に発売された、「Fantastic Deparute!」。
この曲の歌詞にも、『UNIT LIVE ADVENTURE』を引き継ぎつつ、
新たな船出を象徴する『冒険』が歌われています。
大胆な『冒険』ありえないことが起こる
それが僕らさ！
衝撃な『冒険』 ありえないこともオールオッケー
それが僕らさ！
そんな想いを歌う歌と共に、出港する予定だった、『ラブライブ！サンシャイン!! Aqours 6th LoveLive! DOME TOUR 2020』は、途中無観客での開催決行を予定しながらも8月22日に、完全断念。
そして、代替企画、Aqours初のオンラインライブ、『Aqours ONLINE LoveLive! ～LOST WORLD～』の開催が同時発表。
この「Fantastic Departure!」は、制作当初に想像もつかなかった未来を生きる楽曲へと、今後、成長を遂げていきます。
5.Aqours ONLINE LoveLive!〜LOST WORLD〜
ドームツアー2020の代替企画として発表された、
『Aqours ONLINE LoveLive!〜LOST WORLD〜』。
開催中止となった『LOVELIVE! SUNSHINE!! UNIT LIVE ADVENTURE 2020 ~ PERFECT WORLD~』の要素も引き継がれた、Aqours初のオンラインライブとなりました。
開幕は、先述の『冒険』が歌詞テーマの、
Guilty Kissの「New Romantic Sailors」、
CYaRon!の「Braveheart Coaster」。
そして、 振替公演含め開催中止となった『AZALEA First LOVELIVE! ~ Amazing Travel DNA ~』を踏まえた
AZALEAの「Amazing Travel DNA」。
再び目覚める『冒険DNA』を感じさせるこの楽曲から、AZALEAは連続3曲披露。
「空中恋愛論」、そして「メイズセカイ」。
Maze!抜けられないの
Maze!セカイは今や
Ah,滅亡寸前かもしれない
もしかしたらこの楽曲の歌詞が一番「予言」めいてるかもしれません。
崩壊するセカイを歌うこの曲がトリガーになり
Aqours9人によるライブ本編、
『LOST WORLD』が開幕します。
ライブ本編一曲目は、「Fantastic Departure!」。
華々しいドームツアーのテーマソングとして披露される予定だったこの曲も、ある種のこの残酷な運命を予言するかのよつに、「暗闇からわずかに見える輝きに手を伸ばす」楽曲。
目閉じて 目を開けて
眩しさ味わってみるよ
新しい 願い事 キラキラ泳ぎ出す
一度目を閉じて、『暗闇』を感じないと見えてこない『眩しさ』への言及。
「ありえない」はないよ
それが僕らさ！
何があっても諦めない、
「ありえない」はないと突き進むAqoursを体現する歌詞。
この楽曲は、未曾有の逆境に立ち向かうAqoursだからこそ歌える歌だったと思いますし、
この歌詞をあらかじめAqoursに授けていた畑亜貴先生は、やはり「予言」だったのかもしれません。
他にも、
誰にも届かない声が 闇を駆け抜け
から始まる無観客での「Deep Resonance」。
やぁ！そこだね
間に合ったようだ 出口へと連れて行くよ！
と、崩壊するセカイから出口へと連れて行ってくれるような「Dance with Minotaurus」など、
『LOST WORLD』初披露になった楽曲の歌詞と、Aqoursの「今」とのリンクも「予言」めいたものを感じました。
6.Aqours ONLINE LoveLive! 〜WHITE ISLAND〜
続いて行われたライブは、二度目のオンラインライブ。
「ラブライブ！サンシャイン!! デュオトリオコレクションCD VOL.2 WINTER VACATION」と共に、
ジャケットを飾る「未熟DREAMER」や、「MIRAI TICKET」、「Step!ZERO to ONE」、「Aqours☆HEROES」など、
ベストアルバム第一弾、「Aqours CHRONICLE (2015~2017)」をベースに作られたセットリスト。
1stシングル「君のこころは輝いてるかい？」のリリースからちょうど5年後、2020年10月7日に発売されたベストアルバムである「Aqours CHRONICLE (2015~2017)」。
そのベストアルバムに新曲として収録されたのが
「みんなで作るAqoursの歌」、「Furture flight」。
リリース時や、ライブ披露時含め、「希望」が見えづらくなっている時期の楽曲でしたが、歌詞に込められているのは、「希望」そのもの。
Hello New world!
こころは希望だらけさ
この曲の頃から、畑亜貴先生の歌詞は、
「予言」から「祈り」めいたものに変わってきたように思います。
Aqoursに「こうあって欲しい」、「このような気持ちでいて欲しい」。
そのような「祈り」が歌詞になり、エールになり。
まるで畑亜貴先生から「Aqoursへの手紙」のような歌詞が増えてきたように思います。
そして、カウントダウン最後となったこの「Furture flight」と共に、Aqoursは、2021年を迎えます。
7.Aqours 5th Anniversary LoveLive!〜LET'S GO WONDER TRIP〜
WHITE ISLANDにて発表された、5周年、地元静岡での初の野外ライブ、『Aqours 5th Anniversary LoveLive!〜LET'S GO WONDER TRIP〜』。
このライブの開催に合わせて、
ライブテーマソング、「smile smile ship Start!」そしてそのカップリングの「心の羽よ君へ飛んでけ！」が誕生しました。
僕も歌う エビバディ歌ってるとさ
世界は綺麗な『冒険』を見せびらかすんだ
歌えば思い出す まだまだ諦めないと
追いかける自分でいたいよ
夢半ばの『冒険』はここでも歌われます。
志半ばの『冒険』を「歌えば思い出す」。
「まだまだ諦めない！」と叫ぶAqours。
これも「こうであって欲しい」という畑亜貴先生の「祈り」のような歌詞に思えます。
「心の羽よ君へ飛んでけ！」は、「smile smile ship Start!」で始まった船上パーティ、それが終わる「祭りのあと」を歌う楽曲。
楽しい一日は終わるけど、また、きっと会える。会えるよすぐに。そんな『約束』をする楽曲。
今にして思えば「なんどだって約束！」の前身のような楽曲のような気がしてきます。
いっぱい遊ぼうって 君との『約束』だった
これからだって 一緒に遊ぶんだ
すぐに会える君と
会えるよすぐに
しかし、この『約束』はすぐには叶いません。
『Aqours 5th Anniversary LoveLive!〜LET'S GO WONDER TRIP〜』は、開催5日前に開催延期が決定。のちに開催断念。
だからこそ。
だからこそ、一回切りじゃなく。
これから『なんどだって』『約束』を交わす必要があったのです。
8.Guilty Kiss、CYaRon!、AZALEA1st Album発売。
AZALEA 1st & 2nd、Guilty Kiss、CYaRon!2ndライブ開催。
つま恋断念の傷も癒え切らない中、
待望のシリーズ初、ユニットのフルアルバムが発売されます。
限定楽曲やライブSE含む既存曲全曲収録。
そしてそれぞれ新曲3曲も入ったフルアルバムとなっていました。
『UNIT LIVE ADVENTURE』の中断、『DOME TOUR 2020』、そして『LET'S GO WONDER TRIP』の開催断念を経て、この世に出されたユニットの新曲では、執念とも言える『再会』の『約束』が歌われていました。
いつだって戻ってくるよ
たとえセカイが壊れたって
セカイが壊れても『再会』を誓う「Shooting Star Warrior」。
思い切り味わってたい
大好きな場所だから
ここにいる君と僕は 今を生きてるんだ！
大好きな場所で君と僕とで生きる「今」に対する讃歌、「ある日…永遠みたいに！」。
CYaRon!2ndライブでの伊波杏樹さんの叫び、
「絶対にこんな楽しい場所（＝ライブ）をなくしちゃいけないんだよ！！！」も想起されます。
どんなことが起きてもなんとかしましょう
世界にどんなことが起きても取り戻す光を
信じてください（Oh,yeah!）
信じてください（Oh,yeah!）
何度だって立ち上がる
みんな悔しいのです
本当に悔しいのです
人が人と触れ合えないことが
また遊びましょう（Oh,yeah!）
また遊びましょう（Oh,yeah!）
いつかどこか出会いたい
『UNIT LIVE ADVENTURE』中断の影響を受けてしまったAZALEAの「We'll get the next dream!!!」は、「かつて、ここまでラブライブ！楽曲で我々の生きる『現実』を歌詞のテーマにしたことがあっただろうか。」というくらいのメッセージ性。
タイトルの単数形の「dream」を『3人』で追い求める「!!!」の数にも強く心を打たれる「祈り」。
アニメ、劇場版も一区切りした今のAqoursだからこそ、畑亜貴先生は、Aqoursに「この現実」を生き、歌う使命を授けた。
そう感じさせられるようなユニットの三曲。
この3曲と共に、再び有観客ライブを実現したラブライブ！サンシャイン!!。
3ユニット共に1st、2ndライブを駆け抜け、
ついに2021年年末、最初で最後の9人でのワンマンライブ、『Aqours EXTRA LoveLive! 〜DREAMY CONCERT 2021〜』にたどり着きます。
9.Aqours EXTRA LoveLive!〜DREAMY CONCERT 2021〜
単体記事はこちら。
2021年の年末に行われたAqours、2019年6月以来の2年半ぶりのワンマンライブ。
表題曲となったのは、
Aqours CLUB 2021のテーマソング、初の実写MVでも話題となった、「DREAMY COLOR」。
この曲の歌詞で歌われるのは、「新しいAqours」。
そして、「変わっていくもの」と「変わらないもの」。
風の向きは変わってくけど
夢追う情熱は変わらないから
ミライの色が変わる 変わってもきっと
僕らの想いは変わらない 伝えたい
想いがある ずっとあるんだよ
伝わってると信じたい だって
君の声が聞こえてくるから
胸に君の声が届くよ
「セカイが変わっても、ミライが変わっても
それでも前に進み続けて欲しい」、そんな畑亜貴先生のAqoursへの「祈り」が感じられる歌詞。
そして『想い』を「伝える」、「伝わる」
声が「聞こえる」、「届く」。
これらは、次のライブ、『Aqours 6th LoveLive! KU-RU-KU-RU Rock'n'Roll TOUR』全体にもかかってくるテーマにもなっていきます。
10.Aqours 6th LoveLive! KU-RU-KU-RU Rock'n'Roll TOUR <OCEAN STAGE> <SUNNY STAGE>
<OCEAN STAGE>、<SUNNY STAGE>単体記事はこちら。
2022年2〜3月に行われた、Aqoursのドームツアー。初のバンテリンドームナゴヤと、セカンドホーム、ベルーナドームの2箇所を周るツアーで、
開催中止となった『Aqours 6th LoveLive!DOME TOUR 2020』における前半二会場を取り戻す形でのツアーとなりました。
ツアータイトルとなったのは、スマートフォン向けゲーム『モンスターストライク』とのコラボソング、コラボMVも話題になった
「KU-RU-KU-RU Cruller!」。
「オンラインライブ」をテーマにした本楽曲のMV。
それを反映してか、楽曲の歌詞にも「繋がる」、「伝わる」という歌詞が多く使われてます。
空はつながってるよ
海もつながってるよ（君と）
ツナガリタイ
いつだって君へと繋がる場所がある
心から心へと繋がる音は消えないよ
信じているんだ 君には伝わると
大好きが伝わると（大好き！）
前ライブの表題曲、「DREAMY COLOR」でも歌われた「伝える」、「伝わる」。
ライブに参加する/しない、どちらの選択も尊重されるべき世の中で、より強く「繋がる」、「伝わる」を歌い上げるAqoursが「KU-RU-KU-RU Cruller!」のメッセージ性。
この、「繋がる」、「伝わる」。
これは、2枚目のベストアルバム「Aqours CHRONICLE (2018~2020)」収録の「涙×」、
ラブライブ！シリーズのANNタイアップソング、「not ALONE not HITORI」にも受け継がれていくメッセージ性にもなります。
伝えなくても伝わればいいな
会いたいのに 会えないなんて
くやしい つまんないっ
だけどつながる 僕ら繋がるよ
そして、「KU-RU-KU-RU Cruller!」のカップリング曲の「SUKI for you,DREAM for you!」は2020年初め頃から立ち上がったプロジェクト、
SCRAP×ラブライブ！サンシャイン!!
「輝け！Aqoursぬまづフェスティバル」のテーマソングとして作られた楽曲。
イベントの開催延期により、「KU-RU-KU-RU Cruller!」のカップリング曲としてイベントより先に世の中にリリースされることになったこの楽曲。
イベントレポート単独記事はこちら
この楽曲は、感情のままに「好き」を「伝える」ライブアンセム。
好きだって 好きだって
好きだって 思うから伝えたくなっちゃう
分かちあえたら嬉しいよ
まさに「大好き」を「伝え」合うようなこの楽曲の歌詞は、『Aqours 6th LoveLive! KU-RU-KU-RU Rock'n'Roll TOUR』全体に流れる一本の筋となりました。
元々、「輝け！Aqoursぬまづフェスティバル」のテーマソング、「みんなで一緒に大合唱ができる曲」として制作されたこの曲の歌詞。
その「予言」が、ライブ会場などで、いつか叶う日を、夢見ています。
11.「なんどだって約束！」
そして、<OCEAN STAGE>、<SUNNY STAGE>を終えて、夢の舞台、東京ドーム、<WINDY STAGE>。
そのテーマソングとして書き下ろされたのが、
「なんどだって約束！」
この歌詞に書かれているのは、
真っ直ぐな『再会』の『約束』。
歌詞のテーマとしては、「Shooting Star Warrior」、「ある日…永遠みたいに！」、「We'll get the next dream!!!」の三曲と最も重なるところがあり、
ユニット3曲と「なんどだって約束！」を合わせて「『再会』4部作」、「『約束』4部作」とも言えるかもしれません。
『Aqours 6th LoveLive!DOME TOUR 2020』から『Aqours 6th LoveLive! KU-RU-KU-RU Rock'n'Roll TOUR』に生まれ変わった今ツアー。
その追加公演として公演される<WINDY STAGE>のテーマソングが、「なんどだって約束！」。
「迷ったら？」「一回転！！」などツアー全体にかかる「KU-RU-KU-RU」要素も込められているのも印象的です。
「くるくる」という言葉自体が、
「"何度"も回ったりまたは回したり、巻いたりするさま。」という意味。
ツアータイトルを飾る「KU-RU-KU-RU」が、「なんどだって」にもかかってくるのも面白く、
浦の星交響楽団の参加など、だんだんと『Aqours 6th LoveLive!DOME TOUR 2020-Journey to the Sunshine』の『再会』公演である、というベールが剥がされていくのも、ワクワクしてきます。
約束があって あってあってよかった
会いたくてがんばれた
なんと言っても「なんどだって約束！」はこの歌詞が全て、と言っても過言では無いと思います。
ここ2年間、正直なことを言うと、
『約束』があったからこそ、辛かった。
悔しかった。
心が壊れていくのを感じた。
そんな日々だったと思います。
『約束』なんて最初からなければよかった。
何度思ったか分かりません。
だけど、
『約束』があったからこそ、
「Aqoursのライブ」があるからこそ、頑張れた、という気持ちも、同じくらいに『本当』で。
「私の夢の話をしてもいいですか？
私の夢は！！Aqoursのライブが！！
みんなの生きる活力になることです！」
「みんな今日まで学校とか仕事とか頑張ってここに来てくれてるんでしょ？！
あと何日でAqoursのライブだから頑張れるって思っていただけるようなライブをしたいです。」
「予言」で「祈り」、そして『約束』。
畑亜貴先生は、彼女たちが言葉にして叫んできた『約束』をも歌詞として紡ぎ始めました。
そして、「DREAMY COLOR」以降、大切にされてきてメッセージ、「繋がる」、「伝わる」。
『Aqours 6th LoveLive!DOME TOUR 2020』から『Aqours 6th LoveLive! KU-RU-KU-RU Rock'n'Roll TOUR』の全体のテーマの一つである「大好き」を「伝える」。
この「伝える」のベクトルは、
Aqours→ファン、だけでなく
ファン→Aqoursのベクトルでもありました。
「#きっとAqoursに会える」の想いや、
6thツアー、名古屋、埼玉と会場にできた虹。
そんな想いを受け止めるかのように。
伝わってる。大丈夫。
だから！みんなと一緒に！
約束しよう！
「伝わってる。大丈夫。」と綴られた歌詞。
「DREAMY COLOR」以降のファン側からの「繋がる」、「伝わる」の想いへのAqoursからのアンサーのような歌詞な気がします。
12.最後に
「2020年以降のAqours」。
アニメ、劇場版も終わり、千歌たちが先をいくのではなく、キャストたちが道を切り開かなくては行けない中で、
畑亜貴先生は、Aqoursに「この『現実』を歌う」ことを背負わせたのだと思ってます。
畑亜貴先生の歌詞は、その中で、
「予言」から「祈り」へ、そして『約束』へと
Aqoursへの想いを手紙にしたような、
「ラブライブ！サンシャイン!!」の物語をつづるいわば、神の視点から、いちAqoursの周りにいる大人の1人としての言葉に移り変わっていったように思います。
その集大成が「なんどだって約束！」であり、<WINDY STAGE>なんだと思います。
『冒険』は、『約束』の場所、東京ドームへ。
会えなかった時の分も想いを連れて、
きっとその想いは「繋がる」、「伝わる」。
「伝わってる。」「大丈夫。」
2022年、6月25日、26日。
最高のライブになる予感しかしないこの二日間を。
私は「期待ばかりをして」、待ち望んでいます。
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