新曲"This world, that is ephemeral"について語ります。

作者的「ここすき」ポイントは各Aメロ前半です。
どうも、regulusです。

恒例になりつつありますが、新曲について熱く語っていきたいと思います。

今回の曲も、以前に記事にした他の曲と同様、自身7枚目のアルバム"Absolute Zero"収録曲です。

まだお読みになられていない方は、ぜひ以前の曲の記事もご覧いただけると、内容理解が深まると思います。

では早速、内容について話をするために歌詞を記載します。

歌詞 ※英語は訳例

夢の続きをまだ見ていたのね
You're still dreaming about the rest of your dream
恐れるものなんかは何も無かったのに
There wasn't anything to fear for us

答えを知ることが怖くなったの
I was afraid of knowing the answers
伝わるその恐怖が夢を崩していく
That fear which is transmitted, crumbles the dream

何の為?誰の為?
What's that for? Who's that for?
まだ消えないで消せないでいるの
It hasn't gone away yet, and I can't make it go away
迷って立ってる夢の淵
I'm lost, standing on the edge of a dream

君の髪 君の指
Your hair, your fingers
ただ美しく儚いままで壊れないように
Just stay beautiful and fragile and don't break

嗚呼、愛おしい
Ah, lovely

君の声が ねえ 聴こえないよ
I can't hear your voice
まだこの世界終わるまで少しあるのでしょう?
We still have a little bit of time before the end of the world, don't we?

追いかけて景色の向こうまで
Follow it to the other side of the landscape
ただ儚くて壊れゆく一筋の光を
Just a fragile and broken ray of light

君の声が 君の顔が
Your voice, your face
消えるなら愚かしい
If it goes away, how foolish it would be

この夢が この願いが
This dream, this wish
叶うなら色を失くすように
If it comes true, it will lose its color

全て終わることも気にしないで
Don't mind that it will be all over
互いに触れることを止めてはいけないわ
We must not stop touching each other

溺れていく鳥の羽のように
Like the feathers of a drowning bird
潰えるその命に切り離されるまで
Until we are cut off from that life

何の罪?誰の罰?
What crime? Who's punishment?
その苦しみを消せないでいるの
I can't make that pain go away
迷って待ってる夢の音
I'm lost, waiting for the sound of a dream

嘘でもいい囁いて今
Now you could lie or whisper to me that
凍らせて無くした人は私じゃないと
I'm not the one who froze it out and lost it

嗚呼、狂おしい
God, it's crazy

君の声が ねえ 聴こえないよ
I can't hear your voice
まだこの世界終わるまで少しあるのでしょう?
We still have a little bit of time before the end of the world, don't we?

追いかけて景色の向こうまで
Follow it to the other side of the landscape
ただ儚くて壊れゆく一筋の光を
Just a fragile and broken ray of light

君の声が 君の顔が
Your voice, your face
消えるなら愚かしい
If it goes away, how foolish it would be

この夢が この願いが
This dream, this wish
叶うなら色を失くすように
If it comes true, it will lose its color


前にもお話した気はするのですが、日本語と英語で言語として根本的に特徴が違うので、こういう解説をする際は英訳を用いたほうが楽な部分が少なからずあります。

誰が何に対して言っているのか、英語の方が明確になりやすいんですよね。

例えば、「愛してる」と「I love you」で考えると、日本語は誰が誰を(何を)愛しているのか分からないのに対して、英語は明確に「私は貴方を愛してる」と表現しますよね。

日本語の場合、状況や文脈から判断する必要があり、とは言え「愛してる」が「You love me」ではないことは実際問題分かるっちゃ分かるのですが、文字だけ突然ぽんと置かれたら、まあそれは分かりにくいですよね。

そういう意味では、夏目漱石の「月が綺麗ですね」なんてのは以ての外なのですが、それが日本人らしさというかセンスでもあり、僕は日本語のそういう部分も含めて美しいと思いますし、好きなところです。

諸外国語を全て知っているわけではありませんが、日本語のそういう部分は他に見られない特徴であり、オンリーワンな要素じゃないかと思います。

「解釈の幅」を残すという話をもう幾度かしたと思いますが、日本語がオリジナルの歌詞として使われる場合は、そこの想像の余地が広く残されやすくて助かります。

(関係ない話ですが、"そこにいたこと"という僕の曲なんかは最たる例で、日本語のタイトルじゃないと成り立たない曲なんですよね。結局YouTubeに投稿するために無理やり英訳しましたが、"The Fact That I Was There"だと、「私がそこにいたという事実」ということになってしまい、タイトルの時点でもうネタバレしているようなものです。曲を最後まで聴いて、ああ、"そこにいたこと"ってそういう意味か、ってならないとダメなんですけどね、本当は。)

まあ英語も、常に文法通りきっちりかっちりって訳でもなく、普通に省略したりはしますが、日本語はもうそれがデフォルトみたいなものですからね。

日本語の歌詞を紐解くのに、日本語だけで説明しようとするとどうしても難易度が高くなります。

なので英訳を載せているのですが、もし英語がどうしても苦手だと言う方は、説明しやすくするためというだけなので、そこまで重く考えてもらわなくても大丈夫です。

まあ僕の作品を聴いてくださる方々は、僕のグローバル化への意識の強さをご存知でしょうから、そこまで英語アレルギーではないとは思いますけど。


まず最初に、「解釈の幅」もなく確定的に明らかな比喩表現を、元の意味で表しておきます。これを理解しないままだと、まず何言ってるか分からないはずです。

夢=まだ人間だった頃の世界、あるいは未だそう在りたいという願望。

答え=現実。自分が人間ではなくなっている事実。

この世界(景色)=自分自身の生。主観的に目に映る視界。

終わること=死(生物としての死よりも、人間として持つ尊厳の死の方が近いかも?)

光=主人公にとっての希望。ほぼ確定的に「君」を指しているでしょう。

これらを意味的に頭の中で置き換えながら、歌詞を追っていただく必要があると思います。


それと、今回の歌詞は女性の話し言葉で書かれています。

これは少し珍しいというか、解釈をかなり限定的にする要素なので普段はあまりしませんが、敢えて今回はドラマチックにするためにそうしました。

英訳すると逆に失われる要素なので、日本語ならではの良さですね。

なので前提として、主人公の女の子が主観的に語っている歌詞だということは認識していただいて構いません。


夢の続きをまだ見ていたのね
You're still dreaming about the rest of your dream
恐れるものなんかは何も無かったのに
There wasn't anything to fear for us

最初の一行ですが、本当はクエスチョンマークを付けようか迷いました。

しかしそうすると、確信を得ていない状態で普通に質問しているように感じられ、僕の思うところと違ったので、疑問文にはしませんでした。

というのも、英訳でも「You」と言っているのですが、実際は自分で自分に語りかけているのであり、鏡に映るもう一人の自分のような、内面に対する発言です。

先述の、比喩としての夢を元に戻すと、
「(現実から目を背けて)人間だった頃の平和な日常にまだ想いを馳せていたのね」というニュアンスになります。

二行目は、恐れるものが今はあることを示唆していますね。そしてそれは、ほぼ明確に「終わること」を指していると言えるでしょう。

人ならざるものであることを受け入れ、更にはその先に待ち受ける「終わり」を迎えるということが最大の恐怖であり、夢を見ていればそんなものは感じなくて済んだのに、という後悔や諦めのような感情が同居しているように見受けられます。

答えを知ることが怖くなったの
I was afraid of knowing the answers
伝わるその恐怖が夢を崩していく
That fear which is transmitted, crumbles the dream

ここは前述の内容で、問題なく理解できると思います。

ここも最初はクエスチョンマークを付けようとしていたのですが、違うなと思って止めました。

やはり、「分かってはいたけど目を背けていた」というニュアンスを保ちたかったのです。

そしてその現実逃避も虚しく、徐々に現実が夢を崩していくのです。

何の為?誰の為?
What's that for? Who's that for?
まだ消えないで消せないでいるの
It hasn't gone away yet, and I can't make it go away
迷って立ってる夢の淵
I'm lost, standing on the edge of a dream

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、「迷って立ってる夢の淵」は"Wisteria"という僕の既存曲のワンフレーズで、メロディも歌詞も同じです。当然わざとです。

これは"Doomsday"の時にお話したクロスオーバーの話と完全に同じで、世界観が繋がっていることを示しているわけではありませんので、ご注意ください。

ここのパートでは、日本語も英語も共に不明瞭な書き方になっていますが、実際、明確に答えを教えることが僕にもできません。

出たな?って感じかもしれませんが、はいそうです。登場人物と僕の人格が違うので、登場人物が持っている考えについて作者である僕自身も解釈する必要があります。

消えないで、消せないでいるのは何なのか。恐らく後述の「一筋の光」を指しているのではないかと思えますが、「夢」を指している可能性もあり、絶望的な状況でありながらも未だに希望を捨てられないと言っているという考え方が、まずあります。

しかしながら、それとは逆に現実や罪悪感といった目を背けようとしていたネガティブな要素に対して、どうしても消えることはなく自分に迫ってくるのだと言っているようにも感じ取れます。

前後にある、何の為?誰の為?迷って立ってる夢の淵、という文章から察するに、絶望的な状況にいながらも希望を持ち続けることが何の為になるのか、という発言の方が文脈的にしっくり来るかなと思ってはいるのですが、まあこれは所謂「解釈の幅」でしょうね。

君の髪 君の指
Your hair, your fingers
ただ美しく儚いままで壊れないように
Just stay beautiful and fragile and don't break

嗚呼、愛おしい
Ah, lovely

ここなんですけど、比喩表現は特になく、文章自体は直接的で分かりやすいのですが、視点の切り替えが起こっているのではないかという意味でかなり難しい部分です。

というのも、主人公の想い人である男の子が、主人公に対して発言した内容なのか、純粋に主人公の女の子が発言した内容なのか、はっきりしません。

僕が一番推したい説は、上の二行までが男の子側の視点で「君は美しく、怪物なんかじゃないから、壊れないで」と発言していて、「嗚呼、愛おしい」というところだけ、女の子がそれを受けて溢れさせた感情なのではないかというものです。これはもはや妄想の類ですけど。

自分が人ならざるものへと変化していくにつれ、人間だった頃の日常というものが、より尊く、愛すべき存在へと昇華していった末の発言ではないかと考えるのが、僕の中では一番しっくり来ます。

更に、後述の同様の部分との対比として、主人公の女の子が怪物として狂っていってしまっていることの布石なのではないかと考えられます。

おかしくなってしまっているからこそ、当たり前だった日常が愛おしく感じるのかなと。

ただし当然、普通に全部女の子の発言であることも有り得ます。壊れないように、と言っているそれらが自分のせいで壊れてしまわないように、という願いかもしれないですし、簡単に壊せてしまうものを愛おしいからこそ守りたいと思っているのかもしれません。

これはね、わからん。

君の声が ねえ 聴こえないよ
I can't hear your voice
まだこの世界終わるまで少しあるのでしょう?
We still have a little bit of time before the end of the world, don't we?

サビに入ると、総じて人ならざるものとしての立場での発言が続きます。

自分を境界線(Borderline)の手前へと引き留めようとする声も、もはや届くことはなく、終わり(Doomsday)への時間を着々と進めてしまっている状況。それでもまだ、少しだけ猶予は残されているのでしょう?

それがサビの最初ですね。

追いかけて景色の向こうまで
Follow it to the other side of the landscape
ただ儚くて壊れゆく一筋の光を
Just a fragile and broken ray of light

ここの二行は比喩的で分かりにくいです。

景色の向こうまで光を追いかけて、というのを元の意味に戻すと、
「人ならざるものとなり、その果てに今見えている世界が終末を迎えたとしても、失いかけている希望を諦めないで」といったニュアンスになります。

儚くて壊れゆく、というのは自分のせいで壊してしまいかねないということですね。どちらかと言えば、光を追いかけていたいという願望がメインであり、自分のせいで大切なものをぶち壊してしまうことへの恐怖から、ここでもまた逃避したいという願いが表れているのかもしれません。

「一筋の光」というのが正に、真っ暗な闇に塗りつぶされかけている主人公に、唯一差し込む一縷の希望であり、それを失えば主人公は完全に闇堕ちのような状態になってしまうことでしょう。

君の声が 君の顔が
Your voice, your face
消えるなら愚かしい
If it goes away, how foolish it would be

この夢が この願いが
This dream, this wish
叶うなら色を失くすように
If it comes true, it will lose its color

サビの後半は特に難しいことはなく、直接的な表現が続きます。

強いて言うなら最後の「色を失くすように」が詩的な表現ではありますが、人ならざるものという状態を仮に禍々しい色に染め上げられた状態だと例えた場合、その色がすっと抜け落ちるような、自分にまとわり付く邪悪なその色が嘘のように消えていくような、束縛からの開放が得られるのに、という感じの表現です。

しかしこれも、そうはならないということを理解している前提で、そういった「色」に飲み込まれていく様を描いているという表現になります。

全て終わることも気にしないで
Don't mind that it will be all over
互いに触れることを止めてはいけないわ
We must not stop touching each other

二番に入ります。

ここの二行ですが、一見すると普通なんですが、実は設定的にかなり核心に迫る内容を含んでいます。

というのも、"Absolute Zero"の物語上の設定として、「触れる」ことが本当に「全て終わる」ことに直結する行動になってしまうんですね。

まだ物語本文を公開していませんので、よく分からないとは思いますが、以前"Borderline"の記事に書いた文章を再掲載します。

この物語は、主人公の女の子と、その子に非常に近しい存在の男の子の二人をメインに展開されます。そして主人公の女の子はある事件に巻き込まれ、それを起因として人の容姿をしていながらも人ならざる能力を身につけてしまい、存在しているだけで周囲に危害を及ぼす存在となります。危害を及ぼすというのは、容易く命を奪うレベルだと考えてください。

女の子は、自分がいなければ誰も不幸にならないと考えますが、男の子の存在がそれを阻止します。互いに強く求め合う気持ちと、ただ存在するということすら諦めなければならない理不尽と、己の中に生まれる罪悪感と、それらの葛藤の中で客観的に正しいと言える選択を迫られる。この「客観的」というのが厄介で、結局のところ誰から見た正しさを優先すべきなのかを考えてほしいのです。その結果、独善的と言われる選択になったとして、それを「罪」と呼ぶのでしょうか? 誰が「罪」だと裁くのでしょうか?

それでも、全て終わることも気にしないで、互いに触れることを止めてはいけない、と言っているんですね。

どれほど強い想いで相手を想っているか、よく表されている箇所だと思います。そして更に言えば、もうここで主人公の意思は決定していると言っても過言ではなく、大切な存在の為であれば他を犠牲にしても構わないと、この時点で思い始めていると受け取れます。

溺れていく鳥の羽のように
Like the feathers of a drowning bird
潰えるその命に切り離されるまで
Until we are cut off from that life

溺れていく鳥の羽のように、というのは例えば他の比喩表現なら、枯れていく木々の落葉でもいいですし、少しふざけるなら、ゾンビになりそうな人のもげた腕とかでもいいです。

つまり「潰えるその命」が本体であり、その尊厳ある生から切り離され無価値の存在となるまで、その瞬間までは前述の触れ合うことを止めてはいけないと言っているということです。

ではその切り離しているのは誰かと言うと、紛れもなく自分自身であり、その原因は「触れ合う」ことに他ならない訳です。

ややこしくなってきましたね。

整理すると、主人公は人間から人ならざるものへと境界線を跨いで変化しようとしている。それ自体は不可抗力なのですが、人間としての主人公の本当の死は、人間であることを諦め自らが怪物だと認めることにあります。

しかし、主人公が何かに「触れる」という行為は設定上、能力を行使し他者を傷付けることであり、それを自らの意思で行い続けることは、自ら尊厳ある生を否定し、怪物への道に歩みを進めることです。

狂っていってしまっていること、分かりますか?

「嗚呼、愛おしい」のところでも述べましたが、主人公の女の子は置かれた状況やその先の未来を、温かかった日常と対比することで、その温かさに縋っている。あるいは中毒症状のように、その温もりを享受することに盲目的なのだということが、この辺りから読み取ることができます。

使ったことがないので適切な例かは分かりませんが、違法薬物に手を出す人が、最終的に壊れると分かっていながら、壊れてしまうまでその快楽に縋っているような、そういう状況だということです。

主人公にとっては、愛する人に触れるという行為が、自らが怪物である事実を加速させ、本来の自分を殺していってしまう禁断の行為なのです。

そうして潰える命に切り離された後は、もはや後の祭りというか、後は野となれ山となれというか、要するにもうどうでもいいという自暴自棄な感情なのだと説明できます。

ちなみに、理解が進んでいらっしゃる方は、こういう疑問を持たれるかもしれません。

「触れる」ことが容易く命を奪う行為なら、何故男の子と「触れ合い続ける」ことができるのか?と。

まだ具体的に答えを言うことはできませんが、それは男の子が特別だからです。男の子自体が特別なのではなく、女の子にとって男の子が特別だからです。つまり、例外という意味の特別です。

しかし、そんな特別な男の子すらも徐々に蝕んでいく自らの罪を、女の子は感じざるを得ません。

何の罪?誰の罰?
What crime? Who's punishment?
その苦しみを消せないでいるの
I can't make that pain go away
迷って待ってる夢の音
I'm lost, waiting for the sound of a dream

どうして私がこんな目に遭わなければいけないの?私は何も悪くないのに。
それが一行目の裏に隠れている言葉でしょう。

しかしここで言う「苦しみ」とは、罪悪感に他なりません。

私は何も悪くないのに、という感情の持ち主は罪悪感など持ちません。
人ならざるものとなってしまったことは、完全に不幸な事故であり、被害者でしかないはずなのに、しかし自分が存在し続けることが多くの命に危害を与えている事実。

何の罪?誰の罰?と叫ぶ主人公の気持ちが理解できますか?

完全に境界線を越えてしまう、その最後の最後まで主人公を引き留めるたった一本の糸が、ここで言う「夢の音」です。

目を瞑れば蘇る、温かった日常、優しい声、大切な人の温度、それら「夢の音」がもしかすれば帰ってくるのではないか。そのような希望が、完全に「終わること」を少しでも先延ばしにしているのです。

嘘でもいい囁いて今
Now you could lie or whisper to me that
凍らせて無くした人は私じゃないと
I'm not the one who froze it out and lost it

嗚呼、狂おしい
God, it's crazy

この曲で解説する最後の箇所になります。

今まで解説してきた内容の答え合わせのような、全てがぎゅっと詰まった歌詞だと思います。

嘘でもいい囁いて、という台詞は十中八九嘘だと分かっているけど、それでもその言葉を聞いて安心したい人の台詞です。

(分かる人には分かるかもしれないですが、初代ラストオブアスの一番最後の二人の会話がそんな感じですね)

凍らせて無くした人は私じゃないと、というのは比喩ではありません。

それ以上の説明はし難いのですが、自分自身がそういうことをした存在なのだと理解しているからこその、嘘でもいいから言って欲しいという発言ですよね。

そしてそれに続く、最後の一行。

一番の「嗚呼、愛おしい」に対しての、「嗚呼、狂おしい」。

もうこれ以上、説明は必要ないですよね?


歌詞の解説は以上です。

"Borderline"は、人と人ならざるものの中間にある境界線を越えるかどうか、という次元の話でしたが、今回の曲は全体として、境界線を越えて狂っていってしまう主人公の変化にスポットを当てた内容だと言えるでしょう。

もはや99%境界線を越えたけど、1%の未練がある。そんな曲です。

そろそろ物語本文を前提としないと話がし難くなってきてしまったので、そこは申し訳ないのですが、最終的にはインターネット上で全文公開しますので、お待ちください。

それでは、また次の機会にお会いしましょう。

ここまでお付き合い下さって、ありがとうございました。

2020.09.27 regulus

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