レジーの「はじめてのほんづくり」⑪辛い校正作業 #夏フェス革命

※12月11日発売 画像のリンクから予約受付中です

(前回のあらすじ)商品としてほぼほぼ固まってきた。

本文、図表、表紙、タイトル、帯…できた!本になった!という感じなんですが、ほんとのほんとに「本」にするための最後の作業、それがゲラのチェックです。作業としては本文を再度確認して誤字脱字や日本語のおかしいところ、あとは事実誤認などがないかを確認するというまあ当たり前のもの。最初の原稿作成時点からもちろん意識してやっていることだし、原稿をゲラに起こす前の時点でも何度も読み返して細かい表現を調整しながらやってきた(編集の人にも「誤字脱字が少ないほうだ」というお墨付きはもらっていた)のでそこまで心配はしていなかったのですが…

10月終わりに調整した原稿や図版が完成して、その後出てきたゲラを見たときは結構衝撃でした。見た瞬間に、誤字がある。重複表現がある。てにをはがわかりづらい文章がある。あんなに確認したのになぜ…?これに関しては明確な理由がわからないが、縦書きで本の体裁になることでチェックの仕方が自然と変わったのかなとも。自分としてはゲラチェックをする前に完璧なものを作っている「つもり」だったのに(そしてもちろん編集側でもチェックがあったはずなのに)、出てきたものは完璧には程遠かった。

週半ばの夜にリアルサウンド編集部に立ち寄ってゲラをもらい、そこから夜と朝を中心に細々したチェックを繰り返していく。その後の編集サイドとのやり取りはこれまで中心になっていたメールだけでなく、対面でも何度か行った。土曜日の夜に自宅の近所まで来ていただいてファミレスで確認したこともあった。しかし何回見ても気になる部分は出てくるし、図版の部分で思わぬ間違いがあったり(エクセルで渡した表に記載されていた日時がただの数字列に変換されてしまったりしていた)、ファクトを再度洗っていたら読みようによっては事実誤認になりかねないところがあって何とか表現を調整したり…あとは10月後半に継ぎ足して書いた部分ともとからある部分の整合性が少しおかしくなっていたり、ページ数調整のために校正作業中に書き足したところが正しく修正反映されていなかったりと、「長期にわたって書く」、かつ「自分ひとりではなく共同作業で仕上げをする」という側面からの難しさを感じることも。どれもいい経験である。…ただ、本音で言うとこの辺の作業を100%完遂することができたかというのは今でも不安である。スケジュールが許せばあと5回は確認したかった。たまに本を読んでいて誤字を見つけたり(超老舗出版社の本ですらたまにそういうことがある)文章の詰めがやや緩かったりするものを目にすることはままあるけど、そういうものに対して少し優しくなれそうな気がする。

いずれにせよ、入稿してしまったのでもう後戻りはできない。あとはできあがりを待つのみ。本ができるまでをまとめてきたこの企画なので、次回で最終回です。

もし面白いと思っていただけたらよろしくお願いします。アウトプットの質向上のための書籍購入などに充てます。