2010年代の20曲ヘッダ

2010年代の空気を20曲で振り返る:企画趣旨と目次

昨年こんなツイートをしてから、急に仕事が忙しくなったりして完成が危ぶまれたのですが…


年内には間に合わなかったのですが、一応何とか完成したのでこちらにアップします。様々な変化のあった2010年代について、20曲の楽曲を起点に振り返りました。

以下に20曲と付随するテーマ、各記事のリンクを貼ってあります。本編に入る前に少しだけ注釈を。

こういう「頼まれてもいないのに書いている文章」をやっていると自分の地金が自然と出てくるわけですが、今回の作業を通じてやはり自分がやりたいのは「音楽を媒介として世の中/社会について記述する」ことなんだなというのを改めて再確認しました。「そこで鳴っている音の話」ももちろん重要なんですが、その鳴っている音の先に何があるのか、その音が鳴っている世の中はどうなっているのか、その音がどうやって届けられているか、などなどについて考えたいというのが自分の基本スタンスであります。

なので、子細な楽曲分析みたいなものを期待されている方がいたら(少なくともこれ読んでる方にはあんまいないと思いますが)、以下のリンク先の文章はおそらく「読むだけ時間の無駄」になってしまうかと思います。

逆に、2010年代ってどんな時代なんだっけ?みたいなことが気になる方であれば、何らかピンとくる部分はあると思います。今回のこの企画はまず自分のためにやっていますが、次にそういった志向を持った方々のために書いています。

20曲どこから読んでいただいても成立する内容にはなっていますが、おそらく1曲目から順に読んでいただいた方が大きな流れは見えるのかなとは思います。たぶん20曲全部で40,000字くらいです。全記事無料ですが、それなりに手間がかかったので良ければサポートお待ちしてます!

それでは、楽しんでいただけたら幸いです。

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1
ASIAN KUNG-FU GENERATION 「ソラニン」 (2010)
「ぬるい幸せがだらっと続いたりする」わけない 
ロックバンドはフェスへ向かった

2
ももいろクローバー 「行くぜっ!怪盗少女」 (2010) 

「もはやアイドルではない」の系譜
刹那の輝きを超えて

3
FUNKY MONKEY BABYS 「あとひとつ」 (2010) 

絆キズナうるせえ
非常時に刺激はいらない

4
AKB48 「フライングゲット」 (2011)

AKBのセンター、時代のセンター
歪なビジネスモデルの先にあった悪夢

5
tofubeats 「水星」 (2012)

街とインターネット
2010年代の「シティ・ポップ」

6
いきものがかり 「風が吹いている」 (2012)

音楽と政治の微妙な関係
「時代」を歌うということ

7
SMAP 「Joy!!」 (2013)
 
みんなで踊れば怖くない
「さよなら」と「ご無沙汰」と

8
BABYMETAL 「ギミチョコ!!」 (2014)

ディスプレイ越しにつながる「世界」
アミューズにいれば何でもできる

9
BUMP OF CHICKEN feat.HATSUNE MIKU 「ray」 (2014) 
必然だった「ロック」と「初音ミク」の邂逅
オタク文化上位時代との付き合い方

10
三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE 「R.Y.U.S.E.I.」 (2014)
LDHというカルチャー
JポップにEDMがやってきた

11
秦基博 「ひまわりの約束」 (2014) 
流行歌はちゃんと世代を越える
2010年代の音楽番組とJポップの懐メロ化 

12
ゲスの極み乙女 「私以外私じゃないの」 (2015)
 
川谷絵音というモンスター
フェス経由お茶の間行き

13
西野カナ 「トリセツ」 (2015)
 
「ギャル演歌」の幸福なエンディング
揺れ動くジェンダー論の中で

14
三浦大知 「Cry&Fight」 (2016)
 
「新しいポップスター」 は大ベテラン
ライジングプロダクションの逆襲

15
欅坂46 「サイレントマジョリティー」 (2016) 
「大人たちに支配されるな」と秋元康は歌わせた
坂道を駆け上がる代償

16
星野源「恋」 (2016)
  
世界は星野源を中心に回っている
何かが変わった2016年

17
Dungeon Monsters 「MONSTER VISION」(2017)
 
スポーツとしてのフリースタイルラップ
「懐メロ地獄」ではない音楽番組のあり方

18
米津玄師 「Lemon」 (2018)

SNS時代に神秘的であるということ
翻訳家であり交差点であり

19
あいみょん 「マリーゴールド」 (2018) 
大ブレイクを呼び込んだ「温故知新」 
「個」を支える「チーム」

20
Official髭男dism 「Pretender」 (2019)

2020年代を目前にして「君は綺麗だ」と叫ぶことについて
フェスとかそういうことじゃない


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