見出し画像

調停と不動産#1

こんにちは。
株式会社REGATEの金城です。

人気シリーズのほんとにいた怖い人を書こうと思ってどんな人がいたかな〜って思い出していたら怖い人ではないけどなかなかレアな事案があったな〜と思い出したので今回はそれにしてみようかな〜って感じで思い立ったので本日はそこについて触れてみます。
#句読点って大事
#読みにくい文章は区切りが少ない


沖縄独特の長男が仏壇を守り継ぐという風習がねじれにねじれて
そのねじれの間に私が巻き込まれて入ってしまったというケースです。

みなさんの今後の相続対策に活かしてください(活かせないと思いますが)

ではどうぞ〜


◆購入したい


トゥルルー・トゥルルー・トゥルルー♪

電話が鳴る。
「お電話ありがとうございます。不動産のREGATE・・・」
相手はこちらが名乗る前に話し出す。
「あのさお宅で出している〇〇市××の土地あるでしょ?買うから今から来てくれない?現金で買うよ!」
元気な大声で思わず受話器を遠ざける

「え・と。今からというとすぐですか?スケジュール調整が必要ですが、ちなみにどちらまで行けばよろしいですか?」


いきなり来てくれのパターンはあまりいい思い出がない。
あと買いたいから来てくれっていう人もなかなかいい印象ではない。

「〇〇市の△△っていうところに来て、窓口で沢田を呼んでくれたらいいよ。沢田ね!俺一人しかいないからそれで通じる。いつ来れる??」
おっと結構強引だな、そのパターンか。


「はい。少々お待ちいただけますか?スケジュール確認をしてみます」

電話を保留にしながら△△をネットで調べる。
お。有料介護施設△△か。
この強引さは介護施設の院長とかお偉いさんかもな。
ならなんとなくわかる。弁護士にも医者にも呼びつけられたことあるし。
新しい施設用地が必要なのかな?
市街化調整区域の土地で少し販売に苦戦していた土地だし、キャッシュで買うなら話も早いし、いいでしょう。買ってもらいましょう。

「お待たせしました、ではお伺いさせていただくんですが携帯番号をお知らせいただけますか?」
「携帯は来たら教えるよ。どうせ日中は繋がらないから!何時ごろに来れる?職員に話しとくからさ!」


う〜ん。ま、外での待ち合わせじゃないし携帯は後でもいいかw


「では13時にお伺いしてもいいですか?」
「いいよ!じゃあ待ってるから。なんなら契約書も持ってきてもいいから!がっはっは!」

呼び出されてへこへこといくのは好きじゃないけど、ケースバイケースだよな。売りにくい土地だったし、キャッシュで買うなら余計な審査とかいらないし。

とりあえず購入に必要な資料を一式準備するとするか。。。


◆予想外な沢田さん


時間通りに現地につき窓口で沢田さんと約束したと伝えると
隣接する応接ルームに待機させられた。
やっぱりお偉いさんだろうな。

ガチャ・・・

「おう!君が金城さん?わざわざありがとうね!」

電話口よりも元気な大声。
予想していたのは恰幅のいいおじさんか、少し強面の人だと思っていたが全然違った。
沢田さんは全身から管が出ていて背負っているリュックの中にある機械と繋がっている。あと手元のコントローラーで動く電動車椅子で入室してきた。

「びっくりした?気にしないでよ!人間ってさ右手と首だけしか動かないけど生きていけるんだよ!がっはっは!」

電動車椅子に乗って全身から管が出ている人とは思えないくらい元気だ。
話をしなければ思わず同情の視線を投げかけているところだ。

呼び出したのも一人では外出ができないからなんだな。と納得。
聞くところによると院長ではなくただの入所者らしい。
あ、でも院長とかじゃないってことはお金どうするんだろ?
私の疑問を察したのか沢田さんが口を開く。

「お金はあるよ!実家を売ったばかりでさ、通帳もみていいよ!今朝職員さんに記帳させてきたから。みるでしょ??」

器用に背後のリュックから通帳を取り出す。
確かに土地を買う分には十分といえる数字がならんでいる。

沢田さんはおもむろにタバコを出して火をつける。
右手しか動かないのにめちゃくちゃスムーズな動きだ。

「であの土地買いたいんだけど。どうすればいい?」
すぐにドアが開き看護師が入ってくる。
「もう!沢田さん!ダメでしょ!ここでタバコ吸っちゃ!」
若い看護師に怒られながら笑う沢田さん。
「いいじゃん、ケチ!ねえ!こんな障害者からタバコの自由も奪うんだから。不自由は体に毒だよ!がっはっは!」
看護師はタバコを取り上げて出ていく。
もはや何が不自由なのか何が毒なのか訳がわからない。
でもこんなに明るいと沢田さんが障害があることを忘れてしまう。


「んでどうやれば買えるんだっけ?」

断る理由がひとつもない。
ただ気になるのは土地を買ってどうするんだ?ということ。
一応説明がてら聞いてみる。

「売買契約書の内容を確認してから売主さんと沢田さんの署名押印をして代金をお支払いすれば完了となります。
差し支えなければですがこの土地を買ってご自宅を建てるんですか?市街化調整区域というエリアで・・・」
説明を遮る沢田さん。せっかちな人だ

「大丈夫大丈夫!実家を売った後に残っている木とか材木を置く場所を探していただけだから。ほら庭に大きな木があったからそれを移動したくてさ!」

「では、建築したりとかはされないんですか?」
「金城さんも意地悪だね〜!こんな体だよ?建物建てても中に入るのも一苦労だよ、ここにいた方が身の回りを面倒見てもらえるし快適快適!がっはっは!」

こんなに元気な体が不自由な人見たことない。会ったことないけど乙武さんくらいのパワフルさだ。
そうだな。調整区域だけど事業用のヤードとかでもないなら特に問題ないか・・・


その後とんとん拍子で契約が完了し、代金の支払いも済ませ所有権の移転も終わった。


めでたしめでたし




はい、ここで今回のお話が終わる訳ありません。
私のnoteはドロドロのイライラがないとなんの意味もなしません。

では本題へどうぞ〜


◆売りたい!


引き渡し後、しばらくして土地の近くにいくことがあってついでに立ち寄ってみた。
すると沢田さんが言った通りに庭に植えられていたであろう巨木とそのほかの材木などが置かれていた。
ま、なんの変哲もない使い方だな。買うときに言っていたまんまだし。


それからまた2ヶ月後くらいのことだった。。。


見知らぬ携帯から着信が
「はい!不動・・・」
「あ〜!金城さん!俺沢田!弁護士知ってる?あと、あの土地売ってくれない?半値でもいいからすぐに売りたいんだ!」

沢田さん?あそっか、あの時結局携帯聞かなかったんだっけwww

電話口では焦った様子の沢田さんの声。相変わらず声がでかいが何やら緊急っぽい。あと、弁護士というワードと買ったばかりの土地を半値でもいいから手放したいとは穏やかではないことがすぐにわかる。


「はい。沢田さん?売りたいってどうしました?買ったばかりの土地を・・・」
「金城さん時間ある?弁護士しってる?土地売れる?」
人の話を遮るのはいつものことだが
「沢田さん。落ち着いてください。何がありました?」

「う〜〜〜今さ兄弟に追い詰められててさ厄介なんだよ。だからすぐにでも土地を売ってしまいたいんだ!」

焦っているのは十分にわかった。
でも内容も知らずに“はいそうですか”と売るわけにはいかない。
なにせ買ったばかりの土地を半値でいいというからにはかなりの事情があるはずだ。

「沢田さん、緊急なのはわかりました。まず詳細を聞かせてもらえませんか?弁護士の紹介もその話を聞いてから私の方で要点をまとめてみます」

「う〜〜〜。わかった!じゃあ今すぐ来れる?」
よほど緊急なんだな。
「はい。では一時間後に施設に伺います。よろしくお願いします」
「もっと早くてもいいよ!早くきてね!」
ツー・ツー・ツー・・・
いや移動時間あるしもっと早くは無理だしwww


正直、今の状態では何もアドバイスができる状態じゃない。とにかく緊急事態ということだけは伝わってくる。
兄弟に追い込まれている?何があったんだろう?あんな体の沢田さんを追い込む兄弟?なにそれ?ちょっと面白く・・・あ、いや、ちょっとかわいそうになってきたじゃん♪

不動産のトラブルの闇を覗くのはもはや趣味のようなものだろうか?
ややこしくなればなるほど腕がなるしアドレナリンが出てしまう体になっているwww

施設について沢田さんを取り次いでもらい話を伺う。
沢田さんから見せられた資料は裁判所からの通知だった。

遺産分割協議書に関する調停違反・・・・
なにやら難しい内容の文書。

どうやら沢田さんに対する調停違反の強制執行の通知っぽい。
それで弁護士を。。。なるほどね。


今回も長くなりそうなので次回に続きます。

では~

調停と不動産#2←続き


HPでは不動産に関することとか沖縄の不動産あるあるについてのコラムを公開しています!
ご興味がある方はそちらもお読みください♪
沖縄不動産あるある→REGATEコラム
不動産テックのこととかそんな感じ→REGATEコラム


沖縄の不動産という独特な世界に迷い込んでいます!明るい外の世界の事は忘れました!これからも深海をはいずります!