ほんとにいた怖い人パート1
こんにちは。
株式会社REGATEの金城です。
本日は不動産実務に従事する上で
「マジかよこいつ」
と思うような怖い思想を持った方に出会うことがあります。
個人の特定ができないように配慮していますが
思い当たる方は充分に反省してくださいwww
本当に世の中いろんな考えの人がいます。
でも、同義的にどうなの?という困った人もいます。
不動産の売買は資産に関わる重要な局面を相談されるケースが多々あります。
そんな中で出会った人たちをご紹介しようという記事♪
今回も胃薬を常備してお読みください。
ではレッツらゴー♪(死語)
◆実家を売りたい男
カランコロ〜ン♪
事務所のエントランスが開くと覇気のない男性が佇んでいる。
(おぅ・・・なんか嫌な予感)
とりあえず応接テーブルに促す。
「どうされました?」
「宮本ヒロシと言います。実家を売りたいです・・・ブツブツ」
消え入るような小さな声。最後の方は何を言っているか聞き取れない。
キョロキョロと不審な目の動きだが絶対にこちらと目を合わせようとしない。。。。
「ではまず査定をしますね。宮本さんご実家の場所はどちらですか?」
「〇〇町△△番地□□・・・ブツブツ」
「ありがとうございます。謄本を取得して、現地の確認に行きますが今誰かお住まいですか?」
「ブツブツ・・・住んでいません。。。ブツブツ」
「不動産の調査をしながら現地で気になることが出てきた場合に近所の方とかに色々聞き込むこともありますが問題ないですか?」
(不動産の調査をよく思わない親族などが近くにいる可能性もあるのでこれは必須の質問だ)
「大丈夫問題ない。。。ブツブツ」
「かしこまりました。ではまず査定と調査を終えてから再度連絡します」
その日はとりあえずそのままお帰りいただいた。
最後の最後まで目が合わない不思議な人。
自閉症気味な印象といえば伝わるかな。
とにかく不気味な印象だけは拭えない。。。
とにかく現地に行く前にネットでできる調査をすることに。
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え〜と。Google mapでは・・・お♪いい場所じゃん。
市街化区域の1中ね。
道は・・・う〜ん位置指定かな?行き止まりの私道っぽいな。
道路の謄本は、と。
あちゃ、道路は4名の共有かよ。
接する道路は宮本の名字を冠した他人4名の共有。
物件の土地と建物は宮本さん本人の単独名義。
宮本さんの持ち分は道路にはない。
苗字が一緒だし兄弟とか親戚の共有なら問題ないかな?
近隣に宮本姓のお宅があるからわからないことは聞いてみよう。
ネットで調べた感じだと道路の持ち分が無いこと以外は特に問題なさそう。
空き家って言っていたし、売る前に兄弟に話をして掘削許可とか通行許可を貰えば大丈夫かな。
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その後ネットで集めた資料をもとに役所に確認。
現地を見てから役所に行く場合もあるが、今回は道路が一番気になったので
先に役所調査を済ませる。
道路は位置指定道路とかではなく、完全な私道。
再建築の際に通行掘削許可が必須だ。
親戚の共有なら大丈夫だと思うけど。。。要チェックだな。
◆現地確認
一通りの役所調査を終え現地の確認。
役所から車で10分程度。
市の中心部の好立地。
現地に着くと舗装整備がされていない道路が現れる。
整備メンテがされていない私道だと埋設されている給排水管とかがネックになり得る。上下水道管の埋設の跡もよくわからないくらい長いことメンテされていない道。
(やっぱり道が最大のネックか・・・)
道路脇に車を止めて物件の敷地に入る。
古い木造家屋がポツンと建っている。
敷地はある程度草刈りなど手入れがされている。
ふと見ると古屋の扉も窓も空いている。
というよりも誰かいる感じがする。。。
(住んでいないって言ってたよな??)
「おい!誰だおまえ!」
後ろから鎌を持ったおじさんに怒鳴られる。
「はい、宮本ヒロシさんのご依頼で調査に来ました」
「調査だぁ?なんのよ?」
明らかに警戒しているおじさん。
「え。。。と」
やばい。これ不動産の売却とか言ったら怒って鎌で切られるかも・・・
とりあえず不動産の売却については伏せよう。
「道路境界と地籍調査です。」
「あ?なんか怪しいな。ヒロシがなんでこんなことを依頼する?」
「はい、ご実家が古いので今後のために事前調査をしたいということでした」
「今後だぁ??」
おじさんが怒り出した。やばい鎌が光っている。
「はい、細かいことは伺っていませんが・・・」
「・・・あんたヒロシになんて言われた?不動産は売らんよ。」
「え?あ。はい。。。」
(あ、やっぱ感づいたか・・・ww)
「ちょっと来い」
鎌を持ったままのおじさんに言われるがままに実家の中に通される。
実家の中は生活感丸出し。
全然空き家じゃない。
(ヒロシの嘘つき!!)
こなったら。。。腹を括ろう。
「私、不動産屋の金城と言います。嘘ついてすみません。ヒロシさんからの依頼で不動産の売却調査に伺いました」
名刺を受け取りながらおじさんはため息をつく。
「アンタで4組目だよ。今月に入ってから・・・」
(え?マジかwwwそりゃ怒るわ)
「え。そうなんですね。失礼しました・・・」
「まあ、いいよアンタも何も聞かされていないだろ?」
「はい。すみません」
やけに同情してくれる感じのおじさん。
でも鎌は離さない。怖い・・・
「そこの襖開けてみ」
(え??何?怖い。何か出てくる??)
奥の襖を恐る恐る開けると・・・老婆が寝ている。
「あ。失礼しました・・・」
・・・すっと襖を閉める。
「母親だ。俺とヒロシの実の母親。ずっと寝たきり。」
「え?ずっと?」
「そう。ずっと。俺が面倒見ている。そのせいで俺の嫁も子供達も出て行った」
・・・ここから想定外の深い深い家族の話に陥る。
◆ヒロシの家族
おじさんはヒロシの弟らしい。
簡単に話をまとめるとこんな感じ。
ヒロシは5人兄弟の長男。
お父さんが亡くなった時に家督相続の流れで実家の土地と建物はヒロシ名義に相続登記。
他の兄弟が周辺の土地をもらってそれぞれの名義に登記。
道路についてはとある人のアドバイスでヒロシ以外の人で共有とした。
なんでもヒロシは昔から実家に寄り付かず、お金があれば散財する性格。
実家も頑固な父親の遺言でヒロシ名義にしたものの、すぐに売ってしまわれて仏壇も無くなることを危惧した兄弟が相続時に不動産屋に相談。
そこで不動産屋さんが出した提案が
「道路の持ち分を兄弟で確保しておけば迂闊に売ることはできない。」
というアドバイスらしい。
法的に袋地にしてしまおうというアドバイスだ。
確かに通行掘削の承諾が取れないと建て替えもできないから簡単に売ることもできなくなる。
なるほど。やるじゃん昔の不動産屋よ。
でももうこの時点でこの実家を売るという選択肢は私の中では消えていた。道路の掘削許可とかも出るわけないしwww
さらにヒロシは病に伏せた母親名義の預金口座を全額引き出して逃亡。
全額使い切ったと思ったら実家を売ると騒ぎ出し、おじさんと寝たきりの母親に出ていけと言い出す始末。。。
ヒロシの暴走は止まらず、おじさんがいない時にはお嫁さんやお子さんにも脅しをかけてくるようになったらしく、ヒロシに恐れをなしたおじさんのご家族は離散という最悪の結末に。。。
そこで今月になって何も聞かされていない不動産屋がいきなり現地に現れるようになったので気が立っていたと鎌を持ちながら話してくださった・・・怖いってw
普通に考えてももうこの実家を売る手伝いはやめにするよね。
寝たきりの母親と自分の家族を犠牲にしてまで看病をする弟。
それを追い出そうとする兄の売却の手伝い。
こんなん請け負うことができるはずもないwww
◆ヒロシの言い分
調査の段階でもう売却の手伝いをする気が失せた私。
(一応依頼を受けたからには仲介ができない理由を説明するか。。。はぁ気が重い・・・)
ヒロシに電話をするも出ない。
その後も何度か着信を残すが出てくれない。
もしかしたらそのままフェードアウトしてもいいかも♪
そう思った私はそれ以降ヒロシを追うのをやめた。
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二週間くらい過ぎただろうか。
カランコロ〜ン♪
エントランスが開く。
ヒロシが地面を見ながら立っている・・・
「宮本さん!お電話したのに・・・」
「金城さんなんで売ってくれない?なんで手伝わない?なんで俺を無視する?ぶつぶつブツブツ・・・」
矢継ぎ早に質問攻め。
声も小さいし俯いて顔も見せないから聞き取りづらいったらありゃしない。
「いや、何度も電話しましたが折り返しもしてくれなかったじゃないですか?」
「ブツブツ・・・普通電話は相手が出るまで鳴らすもんでしょ。俺は客だし、俺からかけたら電話代かかる・・・・ブツブツ」
「すみません。何度も何度も電話したけど折り返しもないもんですから」
「だから相手が出るまで鳴らせって言ってる。。。ブツブツ・・・そんな常識もわからないのか。。。。ブツブツ」
(カッチ〜ン。。。もういいや)
「あのね宮本さん。普通は何度も着信があったら折り返すもんです。電話代が嫌ならワン切りでもいいじゃないですか?しかも一回かけるごとに10コール以上鳴らしていますよ」
「でも俺が出るまでならさんと・・・ブツブツ」
(あ、もうこの話無意味だ!本題!)
「わかりました!この話はここで終わり!次からは出るまで鳴らしますね!(もう電話しないけど)そもそも宮本さんご実家にお母さんと弟さん住んでいるでしょ?空き家って言ったじゃない?」
「この物件の所有権は俺。だから売るもの自由。あいつらが勝手に俺の不動産に住んでいる」
「いやね、勝手に住んでいるって、お母さんは昔から住んでいてお父さんが亡くなって名義が宮本さんに変わっただけでしょ?」
「俺の名義になったのに勝手に住んでいる。不法滞在だから追い出したいブツブツ・・・」
「不法滞在とかじゃないし、そもそももし売ることになったとして買い手さんがついた場合どうするの?寝たきりのお母さんと看病する弟さんはどこ行くの?」
「買う人に決めさせればいい」
「????買う人に?何を決めさせるの?」
ここからの彼の言い分はすごいです。
胃薬の準備はいいですか?
OK?
じゃどうぞ。
「中にいる母親も弟もそのまま売るから要らなければ建物壊す時とかに一緒に埋めていい」
「・・・・。」
「俺は不動産を売る。中のものも全て一緒に売る。だから買う人が勝手に自由に処分すればいい。その分安くするのは問題ない」
その後のお話は何を話したかよく覚えていませんがそのままお帰り願いました。
あれから5年。
半年おきくらいに宮本さんからのワン切りが着信として残る。
私の説教のおかげでワン切りを残すという技術を覚えたようだwww
もちろん出ないし、折り返しもしません。
たまに宮本さんのご実家の近くを通るけど古屋が壊されずにそのまま建っているから誰も手をつけられないんだろうな。。。
お母さんはまだ寝たきりなのか?それとも亡くなって弟さんも出て行ったのか?
事実は本人たちしか知り得ません。。。。完
いかがでしたでしょうか?
嘘みたいなほんとの話。
ほんとにいた怖い人。
いや〜秘密結社や偏屈弁護士やうつ病社長。。。
私のnoteを読んでいる人には伝わるおかしな人たち。
いろんな人に会いましたがこの宮本さんの肉親さえも不動産と一緒に処分する思考は今までで一番怖いかもwww
本当はもっとたくさんの人をご紹介したかったけど長くなったのでこの辺で!
怖い人シリーズはまた次回に別の人をご紹介します!
では〜
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