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公正証書遺言・・・ラオウ登場#1

公正証書遺言書って聞いてどう思いますか?
不動産に携わる人間なら一度は耳にしたことはあるはず。
宅建の試験で絶対に触れますしね。

でも、実際に取引の現場で見たという人は少ないかもしれません。

私もこの案件に携わるまでは見たことがありませんでした。
というか普通遺言書ですらちゃんとしたためている人って少ないです。
(沖縄だけかな?www)

最近では終活という言葉が出てきたり、ネットでたくさんの情報があふれるようになったので、遺言をしっかりと残そうという人からの相談も増えつつあります。
(不動産屋の仕事ではないのでアドバイス程度しかできませんが)


さて、今回はそんなあまり見かけない遺言書に関する出来事。

さらに希少な公正証書遺言書が残されていたケース。

ネットなどでは確実な公正証書遺言が一番安心♪って言われていますが、、、
ところがどっこいの展開になりました。

今回はパチスロ北斗の拳の演出がちょいちょい出ますが
知らない人は無視してくださいwww
しかも初代4.5号機の記憶しかないので懐かしいと思う人自体が希少かもwww

ではどうぞ~


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@REGATE5

◆査定依頼


ピコ~ん♪

一件の査定依頼メール。

依頼者:林一郎

30代男性
場所は県内でも有数の一等地。
空き家
相続

いい感じにテンションの上がる内容。
とにかくアポだな。

「はい。林です。」
「林様!不動産の査定依頼ありがとうございます!不動産屋の金城といいますが、査定物件の調査後に売却の流れなどの・・・」
「ああ♪こんなにすぐに連絡来るんですね。
よくわからない事ばかりなのでぜひお会いして説明をお願いしたいです」
(来た♪いいかんじ!スイカ揃い!)



「ではさっそく調査に取り掛かって売却査定に移行します。明日の午後には査定書をお持ちできますがお時間いかがですか?」
「え?明日?そんなに早くできるんですか?助かります。では明日の13時に物件で待ち合わせでいかがですか?」
「はい!では明日の13時よろしくお願いいたします!」

電話の感じだと売る気は満々♪
気合い入れて査定調査だな。


現地確認へ

建物は劣化がひどいから解体前提。役所調査は問題なし。抜群の好立地。価格次第では業者買取も厭わない条件だ。
謄本の名義が母親のままなので相続登記の流れと相続人の人数が肝になるかな?

一般的な建物の解体費用、相続登記費用、それらに付随する作業の要点をまとめる。

いい感じに進めることができそうだ。


面談日当日。
待ち合わせの現地には最低でも15分前には着くようにしている。
沖縄の人はほとんど時間通りに来ないから実質30分くらい待つこともよくある。
でも林さんは私が到着するよりも早くきていた。
ご夫婦で来ていて室内を見せるために片付けをしてくれていたらしい。

査定の段階で解体前提となっていたから室内は大丈夫ですとは言いづらいwww
外からみた想像のとおり雨漏り、シロアリ、排水管の破損。。。
ま、解体前提だから気にならない。


◆ネックポイント


一通り室内を見た後に査定書の内容説明。

「やっぱり建物は価値つきませんよね。解体費用を差し引いた土地代だけでこの価格ですね。わかりました。お話を進めたいです」

話が早い林さん。
(ジャギステージ♪)

「ではまず相続登記をしないといけません。ご兄弟はいますか?」
「・・・う〜ん。いるっちゃいるけど・・・」

あれ?林さんのテンションが下がる。

奥さんが入ってくる
「お義父さんが亡くなった時に出て行った義理の姉が一人います。
お義母さんとも仲が悪くてもう連絡を取っていません」

お父さんは10年前に病死。
お母さんはお父さんの闘病生活を支えていたらしい。
お父さんの死後お母さんが一人で住んでいたが、林さんご夫婦がよく顔を出していた。
5年くらい前からお母さんが痴呆症を発症。
ガンも見つかり自宅療養はできない状態に。。。
やむなく入院生活を過ごすお母さん。
その介護を林さんご夫婦で一点に引き受けていたそうな。

少しピンと来た。
(お姉さん要チェックや!ここだけ彦一・・・)
「なるほど。今回の物件売却にはお姉さんのご協力も必要ですが連絡取る手段はありますか?相続の際の遺産分割協議書が必要になります」
「え?連絡、、、取りたくないな。。。」


一気に渋り出す林さん

さらに詳しく聞くとお姉さんは昔から借金癖があるらしい。
妊娠して子供を作っては離婚を繰り返している。林さんが知る限り3回は離婚していて、全部の子供を引き取っている。だが一度も子供達の顔を実家に見せることはなかったらしい。というかその時々の歴代の旦那さんも誰も見たことがないという感じ。。。お姉さんの生活苦は想像に容易い。


お父さんの闘病中にも実家に来てはお金をせびる始末。
闘病に付き添うお母さんとは毎日大喧嘩。
挙げ句の果てにお父さんが死んだ時に葬儀代をクスねて出て行ったとのこと。。。。
嘘みたいなほんとの話。
不動産をやっているとこんなにたくさんの人のドラマチックな人生をトレースすることができてうれしい(うれしくない)

こういうケースの場合、不動産を売却して姉弟で分ける際に揉める。いや、もう揉めに揉める。もみしだく。嫌になるくらいに。。。

このパターンが見えました。

今まで支出した介護費用を取り戻したい長男とお金が欲しい疎遠な姉で戦争勃発。

せっかくの好条件の物件だけどここで頓挫するかもしれない。

一気に暗礁に乗り上げた。。。

(普通ステージ)




◆公正証書遺言書


「お姉さんは相続人になっているのでどうしても相続登記の際に連絡を取らないといけないんですよね。遺産分割協議書とかが必要になってきますし。。。お母さんが元気な時に書いた遺言書とかで林さん一人に相続させるということが書かれていれば話は違いますが・・・」
不意に奥さんが口を挟む。

「あの〜、お義母さんが残していたメモにこんなのが」
奥さんとお母さんは仲が良くお父さんの闘病中も本当の母娘のように接してくれていたらしい。
奥さんが見せてくれたメモ書きには自体を好転させる文言が。

”公正証書遺言書を残しています。私が居なくなったら〇〇公証役場に連絡してください。全部息子に相続させたいと考えています”

日付はお父さんが亡くなってすぐくらい。
物件をお母さんの名義に所有権移転をした直後の作成。
なんでもお姉さんに一円もあげたくないと考えたお母さんが相続登記をするときに司法書士に相談したら公正証書遺言書を勧められたとのこと。
奥さんにはことあるごとに
「全部あんたたちが貰ってね。お姉ちゃんには一円も渡さないでいいよ」
と言ってくれていたらしい。
その言葉に安心してお母さんが病気になったときも介護費を惜しまずに捻出することができていたそうな。。。

自体は急展開♪
「もしかしたらお姉さんに連絡を取る必要はなくなるかもしれません!司法書士と一緒に公正証書遺言が残されているか確認して、その内容を持って判断してもいいですか?念のため林さんの委任状をください!」

後日、公正証書遺言書の確認ができた。
確かに林さん一人に単独相続をさせる内容。
司法書士に相続人の確認も依頼したがお姉さんと林さんの二人が法定相続人であることも判明。

(いける!いけっぞおい!単チェリー連発!)


◆遺留分が・・・


一つだけ気がかりなのは相続登記を済ませることができても
「遺留分減殺請求をされる可能性は否定できない」
これが厄介だ。


事情を鑑みても林さんご夫婦が全てもらうことに道義的な問題はない。
だがこういうお姉さん。取り分があることがわかると絶対に主張してくる。
しかもこういう人に限って絶対変な法律知識をもった輩と一緒になって現れるから厄介。。。

林さんにも遺留分の侵害を訴えられたらなかなか退けないという旨を説明。
でもお父さんの葬儀以来、顔も見ていない。
もう10年も家族と疎遠な人に資産を分けるのは嫌だという。
そりゃそうだ。

後日、、、
「あれから調べたんですが消滅時効があるんですよね?10年も連絡をとっていない人なら大丈夫じゃないんですか?」

(たしかに10年も連絡をとっていないからそのまま気がつかずに遺留分の時効を迎える可能性もある。遺留分という存在すら気が付かない可能性も。。。
遺留分の消滅時効は知った時から1年。もしくは相続発生から10年。
いけるか?いや、変な期待は持たさないほうがいい)

「確かにその可能性も否定できません。でも、確実にできるとは言い難いです」
「沖縄にも近づかない人がこれ(母の死亡)に気づくこと自体が可能性的に薄いと思います。だからそのまま進めましょう!金城さん進めてください!お願いします!」
「林さんがそういうならやってみます。でも遺留分があることを踏まえて、万が一のために遺留分に該当するだけの金額は取っておいてくださいね」

一抹の不安を抱えながらも林さんの希望を優先すべく売却に取り掛かる。

(ラオウステージ突入♪)

◆無事売却完了


公正証書遺言書をもとに林さん単有名義に登記。
その登記申請中にあっという間に物件は売れた。
査定時の狙い通り好立地物件だから驚きはしない。

買ってくれたのはお隣さん。

”隣の土地は三倍でも買え”

この不動産の金言がまさにはまる買い手さん。
子供達が孫を連れて顔を出す時に近所に路上駐車をさせていたから敷地を広げたいとずっと思っていた。
いくつかの事業を興している社長さんでお金は潤沢にある。
お父さんとお母さんをよく存じ上げていて長男さん夫婦の献身的な姿もずっとみていた。今まで大変だったろうから建物の解体費用や測量費用も全部買い手さんが負担する。

好条件が好条件を呼ぶ内容だ。
これ以上の好条件は出てこないと確信できる契約だ。

もちろん林さんは二つ返事でOK。
林さんご夫婦は今まで支出してきた介護費用なども取り戻すことができて大満足。

売買契約から引き渡し決済もスムーズ。
全て順調で万事OK♪

これにて一件落着♪
(バトルボーナスゲットぉぉ!!)

あとは10年間気がつかれなけr・・・・・



はい、私のnoteコラムをお読みの方。
お待たせしました。

金城の記事がこんなにハッピーエンドでいいわけない。
金城の記事がこんなに順風満帆でいいわけない。
みんなが幸せなんて許せない。
みなさんのその期待とお気持ち。察するに余りあります。。。


10年間のドキドキチャンスタイムはわずか1ヶ月で終了。
初代パチスロ北斗の拳でいえば北斗揃いレインボーオーラ。
バトルボーナスで1ターンで負けるケンシロウの気分。。。。ユリアもリンも出てきません・・

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ああ懐かしいwww


・・・・最強のラオウお姉さん登場です。


長くなったので続きは次回・・・

公正証書遺言・・・ラオウ登場#2

では〜

HPでは不動産に関することとか沖縄の不動産あるあるについてのコラムを公開しています!
ご興味がある方はそちらもお読みください♪
沖縄不動産あるある→REGATEコラム
不動産テックのこととかそんな感じ→REGATEコラム

沖縄の不動産という独特な世界に迷い込んでいます!明るい外の世界の事は忘れました!これからも深海をはいずります!