見出し画像

困ったお客さん達


こんにちは。
㈱REGATEの金城です。

本日は体験談というよりは過去にあった細かい事例をご紹介します。

この季節は引っ越しシーズンでネットで得た知識を披露して賃貸業者さんを困らせる人が大量発生します。
その人たちの言い分はTwitterとかでよく見かけますが、売買でもこんな人がいますよ~という事を知ってもらい誰かのケーススタディになればいいな~。

不動産仲介奮闘記の番外編でプチエピソードをお楽しみください♪



◆節約マン


「このマンションを購入した場合の諸費用を教えてください」
「はい、仲介手数料、固定資産税清算金、管理費等清算金、抵当権設定費用、移転登記費用、契約書貼付用の印紙、あと不動産取得税がかかる場合があります」
「ありがとうございます。後程連絡します」


「先ほどのマンションの件ですがいいですか?
仲介手数料って割引できるってネットで見たんですけどできます?できない場合他の業者さんにお願いして申し込むことも可能ですか?
固定資産税って1月1日時点の所有者が納税義務者ですよね?清算は義務じゃないですよね?
この登記費用ですが自分でやるんで見積もりから省いてもらってもいいですか?
価格もこのマンションの評価額にしては高いと思うんですよね。中古でしょ?中古を買うんだからあと300万くらいは安くするのが一般的だと思いますよ」

「・・・・・」


うちの専任物件でめちゃくちゃいいオーナーさんの物件です。
もちろんこんな人を仲介するわけにはいきません。


◆期日ブレブレ


「すみません。明日の契約ですが土曜日でお願いできますか?」
「売主様と調整します。」

「調整できました!土曜日で大丈夫です」
「すみません。土曜日は私の私用があったので日曜でお願いします」
「はい・・・」

「たびたびすみません。やっぱり土曜日の用事がなくなったので土曜でお願いします」
「・・・・・」

契約後。

「すみません。明日の決済って私は同席しないといけないですか?」
「はい、前にも説明したと思いますがご本人さんが居ないと送金だったり司法書士の本人確認だったり・・・」
「え~明日仕事入れちゃったな。どうにかなりません?あ・じゃあ午後のやつを午前中にずらしてもらえますか?」
「・・・司法書士や金融機関の担当者のスケジュールもありますから。。。一応調整してみます」
「お願いします。月末なんで仕事が忙しいんですよ」
「お待たせしました。どうにか調整できました。金融機関が開いた直後の9時なら対応できるということでした」
「え~~。9時?早すぎない?勝手に決められても困るな~」
「・・・・」


この人は結局ぶつぶつ文句を言いながら9時に来てもらい決済できましたが、最初から決まっている期日を自分の都合でどんどん変える人は信用を失います。
仕事は百歩譲っても私用って・・・

月末は金融機関も司法書士もこっちも忙しいんじゃ!


◆偉い人


とある物件を気に入った娘さんのお父さんが見に来た時。

「私こういうモノですが」

求めても居ない名刺を渡された。名刺の肩書は「内閣官房参与」。
ふ~ん。偉い人なんだね。

「あのさ、この物件・・・」
ブルル・ブルル・・・
「あ、ちょっと待ってね。はい。あ~あの件は・・・・・・・」
10分後。
「あ~お待たせしました。あのね・・・」
ブルル・ブルル・・・
「あ~ちょっと失礼。はい。はい。あれは○○先生が・・・・・・」
10分後。
「すみませんね。たびたび。んで・・・・」
ブルル・ブルル・・・
「ふぅ。失礼。はい。・・・・・・・」

これを数回繰り返し秘書みたいな人が近づいてきて
「もうお時間です」
「あ、そうか。わかった。じゃあ失礼しますね」

・・・何も話せていないし名刺を交換しただけじゃんwww

娘さんから連絡があり
「金城さん!対応ありがとうございました!難しい父が珍しく褒めていました♪契約お願いします!」


・・・何もしていないけどな~w

こういうほのぼのしたこともありました。



◆気にしすぎ・・・


物件案内にて

「すみません。こちらの物件って耐震基準どうなっていますか?」
「平成の物件なので新耐震ですよ」
「耐震基準適合証明書ありますか?設計図面と立面図、構造計算書あります?」
「売主さんに確認してみますね」
「あ、御社の宅建免許って何番ですか?供託金とかどうなっています?」
「宅建免許は○○。供託金は協会に加盟して・・・」
「金城さんは宅建持っている?」
「はい・・・」
「基礎の配筋とか排水経路の工事の写真とかありますか?」
「施工した建築屋さんが売主さんに渡していればあると思います」
「白蟻の防蟻処理っていつやっています?」
「防水塗装ってやりました?」
「水圧ってどのくらいですかね?」
「室内のクロスの糊ってどの素材を使っていますか?アレルギーがあるので気になるんです」
「過去に犬や猫を飼っていた履歴ありますか?」
「床の素材とコーティング剤ってわかりますか?」
「天井の高さって・・・」
「窓の寸法は・・・」
「ドアのメーカーは・・・」


ここまで細かいと中古物件を引き渡した後に何言われるか・・・

もう土地買って新築建てた方がいいんじゃないですか?
建築屋さんを困らせそうな予感がしますがw


◆邪魔したいだけ?


新婚の夫婦がとても気に入った物件にて。
「ね♪ね♪いいよね~♪今まで見た中で一番じゃん?価格も手ごろだし」

夫婦で今後の新生活に向けての妄想を膨らましている。
それをほほえみながら見守る私。

「すみません。今から母に見せてもいいですか?30分くらいお時間あります?」
「はい。一応次の方が同時刻に来るかもしれませんが同時に案内させていただきます」

どうやら近くに住む旦那さんのお母さんに見せるらしい。

30分後。別のお客様がご来場。
例の夫婦はあれやこれやと楽しそうに話している。
将来の子供部屋の話まで膨らんでいる。
お母さんの返事次第ですぐに買い付けがもらえるな。

後から来たご夫婦も気に入ってくれている。
こちらも買い付けを入れそうな雰囲気だ。
いいぞ。二組で競争心理が働けばいい結果になる。

「あ。お義母さんが来たみたい。私駐車場まで迎えに行くね」

お義母さん登場するや否や喋りだす。

「え?このバルコニーはどこ向き?東?ダメよそれ」
「壁紙汚いわね」
「床も傷があるじゃない」
「管理費とか幾ら?は~?高すぎるでしょ」
「部屋の形が悪いわ」
「狭い。暗い。」
「あれもダメ。これもダメ。・・・・」

新生活を夢想していたご夫婦は死んだ魚の目。
息子である旦那も何も言い返せないみたい。

この母親のダメ出しリサイタルが披露されている間に二番手に見込んでいたご夫婦も意気消沈して帰ってしまった。

そりゃこんなにダメだしを聞かされたらいい気分にならんよな・・・


おい。おばさん!
金も出さないくせに息子夫婦の気持ちを踏み潰すだけ踏み潰して帰るんかい!
人の物件見に来て文句言って満足そうにしてんじゃねえ!

こんな母親の近くに住んだらお嫁さん大変だろうな・・・と思う事例でした。

さて、いい感じに温まってきました。
いよいよ最後。
覚悟はいいですか?


◆証拠を残したい人



「すみませんこの物件気になるんですが」
「はい!まだありますよ!」
「よかった。ではこの後メールします」
「???」

ピコ~ン♪
一通のメール。

****************************
拝啓
先ほど問い合わせをした○○です。
不動産に関するやり取りは全てこちらのメールにてお願いします。
尚、必ず「返信」で返して、過去のやり取りを残すことをお約束ください。
また、私からの質問事項の回答に関しては全てエビデンスの添付をお願いします。
質問に返答ができない場合はその旨の連絡と、なぜ回答ができないのかという理由も明記下さい。
こちらの物件を気に入っておりますのでできるだけ早く決断したいと考えております故、全ての質問事項に対して早急な返答を求めます。
御社の返答が遅れる事によって他の人で決まってしまう場合はなんらかの対応及び損害賠償等を求める事も御了承ください。

質問1.仲介手数料の金額は下げれますか?
質問2.こちらの物件の過去の閉鎖登記簿等をご提示願います。
質問3.引き渡しは半年後を希望していますが対応願います。
質問4.価格を1割下げてもらえますか?交渉をお願いします。
質問・・・・・・・・・・・・・・・・・

*******************************

「申し訳ございませんが弊社ではお客様のご要望に沿える事ができません。ご縁が無かったとご承知おきください」

送信っと。

メールで証拠を残したいという点は不動産屋としてもありがたい。
あの時言ったよね?とかの証拠がしっかり残ると後々のクレーム対応に活きるし。
だけど質問すべてにエビデンス出せとか、返答が遅れているあいだに他決したら損害賠償を求めるとかもうこの時点で相手にしたくないですよねw
不動産屋が信じられないから警戒をするという気持ちも分からんでもないけど、、、この対応じゃこの人は一生不動産買えないと思います。



◆まとめ


いかがでしたか?
とりあえず思いつくままに普段のドキュメントになるまでもないくらいのプチエピソードを披露しました。

皆さんできるだけ安心して安全な取引を求めていて、費用を節約したいという目的がありネットでたくさんの知識を身に着けています。
ネットの情報で「不動産屋さんに騙されるな!」という事を謳う人が増えてくるこの季節。この類の触れ込みを見ると春の訪れを感じます。

一部の不動産屋さんに不満を持った人の声を集めて増幅したものがこの「不動産屋さんに騙されるな特集」だと思うんですけどねw

基本的にちゃんとした不動産屋はお客さんを騙そうとして動きません。だってクレームの方が時間かかるし面倒だしお金にならないし・・・
ましてや引っ越しがピークになるこの時期にわざわざ細かい知識を披露して喧嘩を売ってくる人を相手にする時間はありません。

できるだけいい買主さん、借主さんと契約をして気持ちよく引き渡したいというのが本音です。

あとネットで得た知識で武装して不動産屋さんをぶん殴りに来てもあまりいい事ないよ。むしろそんなことしているといい物件に巡り合えなくなるからね。
ネットで知識武装した人だとわかった瞬間に不動産屋さんの顧客優先度は一気に最下層まで落ちるので要注意です。
いや、忙しいちゃんとした業者さんだと最下層というか顧客として相手にしないかなwww



仲介手数料無料とか値下げサービスでしかお客さんを捕まえられない業者と契約するから事後対応の悪さやクレームが大量発生するんだよね。
値下げでしか客寄せできない業者はそれしかできないんだから当たり前でしょ?と思いますが・・・
これは安かろう悪かろうだと思います。

スーパーとかでも値下げした商品は定価の商品よりも質が悪いでしょ?
それと一緒です。

あ。あと、仲介手数料無料とか初期費用減額とかやるやつって基本的には家賃にオンされているよ。これは内緒ね♪

とまあ、今回は季節柄の「賃貸不動産を借りる攻略法!」という時流に乗って少し売買の事例をお披露目しましたとさ。

では~

沖縄の不動産という独特な世界に迷い込んでいます!明るい外の世界の事は忘れました!これからも深海をはいずります!