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少し高尚?

早朝5時前。
和室の窓を開けて外を眺めながら珈琲を飲んでいた。
頭に浮かぶのは清少納言の枕草子である。
春はあけぼの…と浮かんだ。
夜明けの描写が短いながらも美しい。
私も夜明けの山の稜線が見たい。
でも私の目の前にあるのは家。
その隣も家。
連なる家。それだけ。
虫の声は夏だったか、秋だったか?
どちらにしろ若い頃はいつの間にか虫が鳴き始めていた。
今は結構、真剣に毎晩耳を澄ます。
早く、鳴き始めてくれ、もう暑さに耐えられん。
虫よ鳴けと半分は祈りである。
秋が来れば過ごしやすい。
ここでまたふと思う。
私は長生きしたいのだろうか?
虫の声から長生きしたいのか?そんなはずはない。それにもう充分生きたではないか?
まっ、いいや。
深く考えまい。
真夏の葬儀は家族が大変だ。
せめて涼しくなってからの葬儀のほうが楽だろう。
枕草子からの連想も感想も10代の頃とは様変わりした。

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