見出し画像

親戚の家

母親から、親戚の家が無くなるそうだと知らされた。
親戚づきあいが苦手な僕だが、その家には小さいころから何度も行っていたため少し寂しさを感じる。

僕が小学生の時、その家に猫がいたので弟とよく猫探しをして遊んでいた。
僕の家は動物NGなので、猫と遊ぶことができる数少ない場所だった。
その猫は黒猫で、昔はよく暗い物置の奥に隠れていた。
当時の僕はわんぱくだったのでとにかく猫を追い回してたけど、向こうからしたらかなり面倒な存在だったことだろう。

高校生の時にはその家が放火未遂の被害にあった。
放火魔に火がつけられたが、なんとか炎上することなく最小限の被害で済んだそうだ。
親戚のおじさんがテレビでインタビューに答えていて、フィクションではなく実際に起こったことなのだと
感じた記憶がある。

最後に行ったのは今年のお盆休みの時。
相変わらず時代を感じさせる建物だとは思っていたが、まさか無くなるとは考えていなかった。
ならばもう少し、思い出に浸ってきた方がよかったのかも、とも思う。
いずれ僕の育ってきた家にも同じことを感じることが来るのかもしれないと思うと、今から少し胸が痛む。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?