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ジャズライブ配信の功罪

 私はジャズのライブが大好きなので持病の経過観察のため、上京するたびに都内近隣のライブハウスに出かける。コロナで閉店してしまったお気にいりのお店もあるが、今でも頑張ってライブを続けてくれるお店には感謝しかない。マスターやプレイヤーとのやり取りも楽しいし、楽器のこと、楽曲のこと、演奏者のことなどレアな情報を得ることもできる。

 今はライブも配信で見ることが可能だ。音もかなり良いし、カメラを複数台置いている所はいろんな角度から見ることができる。コロナで外出が制限され、ライブも難しくなった頃よりよく見かけるようになった。
 生配信だけでなく、アーカイブで一定期間繰り返し見ることができるというシステムのお店もある。これだと異なる場所の同時刻ライブも見ることができるし、離れた場所からも視聴できるのでライブを見る機会も増える。

 そんなのはライブを見たとは言えないという人もいる。もちろん異論はない。その場の空気感や生の音の方が良いに決まっている。しかし、忙しくて時間が取れない時、遠くまで出かけることができない時、多くの新たな演奏者に出逢いたい時にはとても有効な手段となる。

 ライブ配信には店側のハードルも高い。先ずは配信に必要なネット環境や機材を揃えなければならない。それらを運用すにはトラブルに備える必要もあるので、店側にそれなりの知識や詳しい人材も必要になる。それに飲食を大事な収入としてる場合、配信ではそれが望めない。

 見る側も大画面で見たり、音もアンプにつなげることにより臨場感を得られるのだが、そんな環境を皆が持っているわけではない。スマホの小さな画面や低音がしっかり出ないスピーカーでは魅力は半減してしまう。
 
 今は過渡期なのかもしれない。店側が充分な環境を整え、聞く側もそれを楽しめる条件が揃えば、キャパの小さなライブハウスでも顧客は日本全国か対象となる。多数の配信視聴があれば飲食が無くても利益を上げられる。広告戦略は大事になるが。

 あくまでも生のライブ鑑賞が一番なのは間違いないが、ジャズだけでなく音楽全般においても会場に足を運んでくれる顧客を増やす手段の一つとして、ライブ配信はこれからも重要になると思う。

 ネット社会においてはマーケットは世界に広がる可能性もある。

【REG's Diary   たぶれ落窪草紙   7月28日(日)】

 

 

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