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新潟県 糸魚川市 歴史と自然と復興

 新潟県の最も西にある糸魚川市、人口は4万人には届かない。フォッサマグナの西の端に位置しており、糸魚川静岡構造線が通っている。日本海に面しており魚も美味しいい、自然豊かで歴史もある、のどかな街である。
 新潟県は日本海沿いに細長い地形になっている。そのため新潟市までは160kmほど離れており、富山市の方が80kmほどで圧倒的に近い。今年福井の敦賀まで延伸した北陸新幹線の糸魚川駅がある。
 また糸魚川市の西端には断崖絶壁で知られる親不知(おやしらず)があり、交通の難所として古くから有名だ。飛騨山脈の北端が日本海で浸食されてできた300~400mの断崖絶壁だ。古くからここを通る人たちは崖の下のわずかな砂浜を通らねばならず、高波にのまれてしまう人たちもいたのだ。
 高校時代、近くの能生海岸で海浜訓練なるものに参加し、2kmの遠泳をした覚えがある。きれいな海だった。

天津神社

 糸魚川駅の南に天津神社がある。創建は景行天皇の時代とされる。景行天皇は第12代の天皇でヤマトタケルの父親。年代は定かではないが3世紀から4世紀とかなり古い。主祭神は天孫降臨のニニギノミコト。
 そして境内に摂末社として奴奈川神社もある。主祭神は奴奈川姫命、出雲の大国主の妃の一人である。大国主と奴奈川姫との子には諏訪大社の主祭神であるタケミナカタがいる。彼は姫川を遡って信濃へ入り諏訪の地に降り立ったという伝承が残る。
 
 糸魚川といえばヒスイの産地で有名であり、縄文時代から装飾品として重用されてきた。日本全国や朝鮮半島の遺跡より糸魚川産のヒスイが発掘されており、万葉集にも詠まれている。

 平成28年12月22日午前10時20分頃に糸魚川市のラーメン店より出火し、120棟が全焼するという市街地大規模火災が発生する。その一帯は昭和初期の木造の建築物が多く、密集しており強風の影響で糸魚川駅の西の火元から海沿いの国道8号に至るまで3万平方キロを超えて延焼が拡大した。鎮火には30時間を要したという。死者は出ることがなかったようだ。
 つい最近のこの大規模火災、しかも火元は一店舗、おそらくは多くの住民の人生に多大な影響を与えたであろう悲劇、あまりのことに衝撃が走る。

 古い歴史と美しい自然を擁する糸魚川市の発展を心より願うばかりだ。

国道8号沿いの展望台より能生方面を望む

【REG's Diary     たぶれ落窪草紙    9月7日(土)】


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