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難民・移民フェスLINEスタンプ制作ノート。

 難民・移民フェスの準備をしているなかで、
 「フェスで会った外国ルーツの人に話しかけてみたい。話しかけることばが知りたい」
 との声が上がりました。あぁそれはいい考えだ、各国語の挨拶ことばを書いた紙を用意して配ろうか、と思いましたが……。じつはわたし、パンフレットなどをもらってもかなりの高確率で見失い、数週間後にカバンの奥底からぐちゃぐちゃになったそれを発見するダメ人間。だから、紙の代わりにLINEスタンプを作ることにしました。これなら失くす心配はないし、いつでも使える!
 第1弾はリンガラ語とクルド語。これらの言語はどこのものぞ?  絵に描かれているのはなんであるか? を以下、簡単にご説明いたします。

① リンガラ語と日本語、仲良くなることば

 中部アフリカに位置するコンゴ民主共和国には400を超える言語があり、公用語はフランス語。だが地域共通語として多くの人が暮らしの中で使っているのがリンガラ語である。かの国では地下資源をめぐる紛争や市民の虐殺などが数十年にわたって続いており、520万人が難民となった(UNHCR、2021)。つらい経験をして日本に逃げてきたコンゴ人の友だちに「リンガラ語のLINEスタンプを作りたい」と相談したらゲラゲラ笑って協力してくれた。一緒にたくさん笑って生きたいものだ。

スタンプ1

 帽子を取ってMbote!(こんにちは)と挨拶するおじさんは「サプール」と呼ばれるおしゃれ紳士。貧しくても猛暑でもスーツを着こなす伊達男だ。sango nini?(ご機嫌いかが?)は直訳すると「ニュースなんかある?」。問われた方は「sango te(ニュースないよ)」と返すのが基本形。kitoko(キトコ)はかわいい、かっこいい、すてきの意味。相手を褒めたいときは連発しよう。オカピとヨウムはコンゴの森に生息する味わい深い生き物。

② クルド語と日本語、仲良くなることば

 クルド人は「国を持たない最大の民族」と言われる。古くから中東の山岳地帯に住んでいたが、20世紀になってトルコ、シリア、イラン、イラクの国境が引かれたために分断されてしまった。それぞれの国で迫害を受けて、難民・移民として国外に出るケースが多発。日本にも約2000人が暮らしている。クルドのことばは、映画『東京クルド』や『マイスモールランド』にも関わった日本クルド文化協会のワッカス・チョーラクさんに教えてもらった。クルド語は居住地域によってローマ字表記をする人とアラビア・ペルシャ文字表記をする人がいると聞いて、引き裂かれた彼らの歴史を思う。

スタンプ2

 クルド人家庭では食事のときにテーブルや椅子を使わないのが一般的。敷物の上にお皿を置いて、手で食べるスタイルだ。キョフテという肉団子がおいしい(ホワシャ)。ワインで乾杯(ノーシュ!)することもあるけど、毎日飲むのはチャイ。登場する動物は、山岳民族として生きるクルド人にはおなじみのロバとヒツジ、そして左右の目の色が違う猫。この猫はクルド人が多く住むヴァン湖付近に多く、「Kurdish Cats(クルドの猫)」と呼ばれているとか。

 LINEスタンプ「仲良くなることば」シリーズは1セット120円。売り上げは難民移民フェスの活動に使います。みなさま、応援のほどよろしくお願いいたします。ほかの言語も鋭意企画中です。次回リリースもどうぞお楽しみに!

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難民・移民フェス詳細↓

イラストレーション:金井真紀
制作協力:安藤順

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