雨降り日曜日

都内まで足を運び、モデルさんと対面して講師の指導を受けながら、5週間かけて1枚の作品を制作した。油絵を習うことは楽しく、終わった後は毎週筆を手入れしないと次の週に困るため、生活のルーティンに入れる必要がある。自閉スペクトラムの当事者としては、そのことをつい忘れてしまうことも多いため、アトリエに向かう前日の金曜日には、手入れをしていないことがずっと気になって頭の中で渦を巻く。なぜかそういう時は手入れしようという気持ちにはなれない。ただ、思い悩むだけ。

 きっと、筆を手入れすることは、油絵制作の一工程だけではない。それは、自分を整えるための作業でもある。筆を手入れすることで、心身ともに整えられる。毎週筆を手入れすることは、自分自身を大切にすることでもある。

 油絵制作のために都内まで足を運ぶことは、疲れることが多かったけれど、最近はそれほど疲れを感じなくなった。体力がついてきたこともあるけれど、絵を描くことに少し自信がついたからだと思う。今まで帰ってきたらすぐにダウンすることもなくゲームやVRゴーグルを使って遊んでいる。遊ぶことは心身のリフレッシュにはなるができれば友達と遊びたい。

自分自身を大切にするために、油絵制作に必要な筆の手入れを毎週行う。それが、自分を整えることでもあり、疲れを癒すことでもある。油絵制作を通して、自分を大切にすることの大切さを再認識した。

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