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腐葉土の謎に迫る⑤

腐葉土の謎に迫る③の引用


落ち葉や枝も同じで、ただ集めて放置するだけで良い腐葉土ができるわけではないし、放置の仕方ひとつで栄養価を損なうこともある。
植物の葉なら何でもいいのか、同じ腐葉土ができるのかと言えば
それも違います。
紅葉樹、常緑樹、針葉樹それぞれに適した腐葉化があるので、
そういう見極めが絶対的に必要なのだと思います。


リフォレスター実験の結果、
一般的な家庭で消費する野菜のくずや、園芸用のパーム繊維などの
植物繊維、ナッツの殻を使って土の再生ができることは分かりましたが、
植物なら何でもいいのかと言えば、そうではありませんでした。
酸性度の高い果物や針葉樹のおがくずは
微生物との相性が悪くおすすめできません。
なぜかどんぐりや松ぼっくりは好きみたいですが…。

ベランダでのリサイクルサイクルを目指して
リフォレストした土で育てたミニトマトやバジル、豆類の蔓を
リフォレスターに入れたところ、
思いのほか分解に苦労した上、土の質が下がってしまいました。

分解が遅い原因はリフォレスターに入れる際に茎をしっかり乾燥させず、
ほとんど生のまま投入した事ではないかと思います。
ただ、それだけでは納得できないこともあります。
例えば、ブロッコリーやキャベツの芯もかなり硬いのですが
割と順調に分解します。
それなのに、トマトもバジルも2週間経ってもあまり分解している風でない。

そういえば、リフォレストした土で栽培した野菜の茎は
日照が足りないにも関わらず
ある程度成長した後はかなりしっかり硬い茎になって、
外気温が35度を超える日が続いてもびくともしませんでした。

植物の茎を硬くする効果があるものとして
卵のからや蠣殻があるというのは聞き知っていましたが、
卵の殻だけでも相当なものなのかもしれません。

それに、葉や実に比べ
茎の繊維は成長する際の繊維の構造、編み方が違うのかもしれない。
編み物だって同じ糸でも編み方が違えば
暖かさや丈夫さに差が出るくらいだもの。
丈夫な野菜の茎にも食べられる部分とは違う
丈夫でしなやかな網目構造の繊維があるのかもね。

ここに至って
どんなにリフォレスターがベランダでの土の再生に適していたとしても
万能とするには限界があることに気づきます。

最終的にはトマトの茎もバジルの茎もきれいに分解できたのですが、
「できる」のと「やる」は「分けて考えるべき」でした。

リフォレスターはベランダでの運用に特化しているため
許容できる植物素材の量は箱の大きさで決まります。
それに、野菜を栽培して栄養分が減っている土は、
次の栽培に向けて野菜くずや卵のからを足して、
土に栄養を戻す必要があります。

野菜の残渣も栄養素になりそうですが、そうとも言い切れません。
成長し切った野菜の茎は思ったほど栄養分があるわけではなく、
野菜の皮や根、葉物と比べれば足元にも及びません。

それに、少なからず病害虫の洗礼も受けるので
再生材料として好ましいものでもありません。
ですから、収穫を感謝した後は燃えるゴミとして見送るべきだと考えます。

リフォレスターのサイクルリサイクルとしては、
収穫後の茎や葉は根本から切ってゴミとし、
根だけはそのまま残し、1〜2週間放置してある程度枯らす。
何もしなくても、地上からの栄養が途絶えた根は
土の中の微生物が分解を始めるので、
1〜2週間後には根が張っているとは思えないほど土は柔らかくなっているので、少し掘りかえしたのち野菜くずなどで
リフォレストを始めるというのが望ましいです。

たとえ次の季節につなげる部分が根だけだったとしても、
ベランダ栽培では十分に意味も意義もあると、私は思います。

この実験結果を踏まえて、
畑で野菜残渣を腐葉土化することに関しては、
自然の落ち葉で作る腐葉土とは作り方を変える方が良いのでないかと
思うのです。

一番望ましいのは、なるべく乾燥させてから焼却して
灰を活用すること。

それは、害虫や病気を翌年の畑に持ち越さない
一番簡単で安全で、土の酸性度も中和できる方法だと思うからですが、
量を捌くのにはちょっと向かない。

あくまで野菜の残渣を腐葉土にしたいのであれば、
作り上げる腐葉土の質を担保するための工夫が必要だと思いますが。
それに関しては思うところがあるのです。

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