誘集中力

2022.05.17 タイトルを「被集中力」から「誘集中力」に変更。伴い本文内の単語も修正。


これは、過去何度か書くのを挑戦したが、どう書いてもわかってもらえないだろうと思って書くのを断念した話。
最近は、まあ、運良くわかってくれる人がいれば良いか、くらいの気分で書いているので今なら書けるだろうと思って書いてみる事にした。

瞑想

少し昔、googleのサーチインサイドユアセルフというのが流行った時に試してみたことがある。中身はマインドフルネスや瞑想と呼ばれるものなのだけれど、瞑想なんてやったことがなかったので面白い体験だった。
瞑想は一定時間呼吸にのみ集中するという行為だ。半目で座禅を組むのはそれがしやすい格好だからだ。この呼吸にのみというのが難しい。しばらくするとどうしても余計な事を考えてしまう。今日の作業の手順や、まだ終えてない連絡事項や、締め切りなどが自然とどんどん浮かんできてしまう。
これを、テクニックによって手放してまた呼吸のみに集中する。そのような時間を5分程度やるだけで何故か妙に頭がスッキリする。
文章で読んでも、まあ、よくわからないと思うので興味がある人はやってみるのをオススメする。
このあたりを見ればできると思う。(この映像はお寺が作ったようなので、宗教感を避けたい人は別の動画を探してください。)

瞑想は、思考がどんどん湧いてくるのを制御できないという事がおもしろい。日々を過ごしていて雑念のない状態ってほとんどないんだ、という驚きがある。そしてコツをつかむとまあまあ制御できるようになるというのも面白い体験だなと思って、今でも思い出したときにやってあそぶ。
これを呼吸ではなく、「食事」や「手を洗う」など日常の行動でやってあそぶのがマインドフルネス。

映画

瞑想をしてみたときに、この「妙に頭がスッキリする」というものに近い経験をしたことがあるなと思った。
映画館ですごく面白い映画を見終えた時。ボクは妙にスッキリと、晴々とした気分になることがある。バッドエンドの映画であっても関係なく晴々としてしまう。
おもしろい映画を見ている時、余計な事を考えず、時間すらも忘れて集中している。瞑想と似た状態になっている。

エンターテイメントの役割の中に、楽しみながら瞑想に似た状態を作り出し、気分をスッキリと晴々とさせるというものがあるんじゃないかと考えるようになった。それが、エンターテイメントは、人が、生活や損得から一時的に距離を置き、自身を取り戻すための作品や方法の一角という話につながる。
ある力によって、生活や損得から意識を引き剥がし、時間も忘れてド集中させる。その力の強さが、イコール、エンターテイメントのパワーともいえるんじゃないか。

逆算する

じゃあ、逆に自分がそのド集中状態に入っている時、映像の中では何が起きているのか?ということを、映像制作業の自分は観察し始めた。
視聴者の集中を引っ張り出す「誘集中力」みたいなパラメーターが、映像の中にあると仮定して作品を見る。そうするとだんだん「今すごい集中していたな」「今この瞬間に誘集中力が弱まったな」とわかってくる。
最近すごく良い例を見つけました。
これです。

このヒカキンが「長いよ!」「飽きる」というタイミングが、すごく良くて、「まさにいま自分の集中力が弱くなった」と思うタイミングと一致していてうれしくなった。実感してみたい人は、自分の集中力を意識しながら見てみてほしい。

ミュージックビデオの映像で5分、誘集中力値を下げないように作るのは本当に大変。でもヒカキンは毎日のように10分近くの高い誘集中コンテンツを出している。この誘集中力値は、ヒカキン映像の構造によってある程度担保されているのだけれど、これをコンスタントにやっているのは怪物だと思いますね。

その誘集中力値を上げる具体的な方法はいずれ書くかな・・・書かないかも。
見ていて嬉しさがある、快楽といえるようなものがそうなんだとボクは思っている。なので「身体反応の快楽」みたいな書き方をする。

最近、自分でELV.HALLについて「つながり」を作れなかったなどのやりきれなかった部分について書いたりしていましたが(このあたり)、この誘集中力値に関しては自信がある。VRChat内でVRで見た時は、最後まで集中させます。
映像版は残念ながらちょっと弱いかな。
VRChatで見てほしい。


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