鹿島アントラーズは何故eスポーツ参入を選んだのか?

さる1月15日に鹿島アントラーズがeスポーツチームを設立し、サッカーゲームFIFAシリーズのプレイヤーのナスリ氏と契約することを発表した。

あまりに突然の発表に疑問を呈するサポーターも多かったこの件。
他の選択肢もある中で、鹿島アントラーズはなぜeスポーツを選んだのか、自問自答してみた。

他のスポーツじゃダメだったのか?

例えば、アルビレックス新潟はBリーグに湘南ベルマーレはFリーグに参入している。
鹿島も同じように他のスポーツに参入する選択肢は無かったのか?
ここで障害になるのが鹿島の子ども人口だ。
鹿島が他のスポーツに参入した場合、確実に起こる問題が競技間で子供の取り合いだ。
アントラーズは下部組織での育成が弱く、ユース出身選手が少ないという欠点がある。
土居聖真が出てくるまで、曽ヶ端準と野沢拓也の二人しかトップチームに定着した例がなかった。
最近、土居に続いて鈴木優磨、町田浩樹が出てきて改善の兆しが見られる状況だ。
これはホームタウン人口に比例して子ども人口が少ないことが原因の一つだ。
もしも鹿島がラグビーチームを持っていたら、ラグビー選手鈴木優磨が生まれ、サッカー選手鈴木優磨は失われてたかもしれない。
ただでさえ人口リソースに限りがあるのに他のスポーツに参入して内輪で争う余裕はない

レディースチームじゃダメだったのか?

女子チームなら男子チームと競合しない。
他のスポーツで例に上げたアルビレックス新潟や浦和レッズはレディースチームを持っている。
しかし、ここで問題になるのは観客動員。
なでしこリーグの動員は2011年の女子W杯優勝をピークに下降している。
以下の記事は観客動員に苦戦するチームの中で唯一奮闘しているINAC神戸レオネッサについてのもの。

この中で、2018年の観客動員はリーグ平均1,414名、リーグ最多のINAC神戸でも2,550名とある。
大都市で人口の多い神戸ですら、観客動員3000人に届いていない。
女子リーグは興行として成功しているとは言いがたい
言い方は悪いが、男子で稼いで女子を養う形になってしまうのは想像に難くない。
企業としてわざわざ参入する旨味が少ないと言わざるを得ない。

鹿島アントラーズがeスポーツを選んだ理由

他のスポーツやなでしこリーグへの参入で考えられる問題がeスポーツにはない。
eスポーツについて詳しく知らないので、間違っているかもしれないが、必要なリソースもチームスポーツに参入するよりは低いだろう。
そして、eスポーツにも様々な競技があるが、鹿島アントラーズが選んだのはサッカーゲームだ。
本業との親和性が一番高い。サポーターも見てみれば意外と馴染めるのでは無いかと思う。
ゲームキャラとはいえ鹿島アントラーズのユニフォームの選手が世界大会で躍動する姿はテンションが上がるだろう。
実際1月17日の大会映像を見て盛り上がってるTweetもあった。

eスポーツは世界が近い。
2016年のCWC、2018年のACL優勝を経て、鹿島アントラーズが世界と戦うことは夢物語ではなくなり、現実となった。
そんな鹿島アントラーズが世界と戦うeスポーツに参入するのは必然であるように思う。


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