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日本維新の会は統一地方選で何人当選できるのか?

来年4月の統一地方選で、党所属の地方議員の数を現在の約400人から600人に増やす目標を掲げています。では、実際現状ではどれぐらいの当選が見込めるかを予想してみました。

1.現状の地方議員数

12月27日現在の議員数は424人であり、その内の統一地方選で改選されない議席数は141議席あります。当然、改選されない議席数は統一地方選前の選挙で議員を誕生させれば増やすことができます。統一地方選で改選する議席数は283議席です。600議席に到達するには現時点で459人の当選者を統一地方選で出す必要がありました。

2.今年の地方自治体選挙の結果

今年は津市議選から始まり、西東京市議選、福津市議選で終わりました。公認候補者に限ると57の選挙がありました。


表1 2022年の日本維新の会の地方選

2022年の日本維新の会が公認候補者が擁立された全ての地方自治体選挙(地方選)と衆院選、参院選の比例票の得票率を表1にまとめました。
擁立率とは擁立数/定数のことで定数に対してのどれだけ日本維新の会の候補者がいるかを表したものです。当然、1人区なら100%です。

3.大選挙区制で行われる選挙でどれだけ当選させることができるか

統一地方選では大選挙区制で行われる選挙でも約700ほどあり、計算上では全ての選挙で1人当選されば目標達成となります。しかし、小さな市町村では政党自体がマイナス要因になる自治体や、そもそも維新の比例の得票率すらかなり少ないというところもあります。当然、地方選は国政選挙とは違い党派より地縁という側面や、地方選に限らずですが候補者の質など数字では測れない部分が大きいですが、目安として、国政選挙の得票率とその地方選での得票率の関係を調べところこのような結果が出ました。


図1 地方選得票率と国政選挙得票率の関係(大選挙区制)

これを見ると地方選の得票率と国政選挙の比例得票率には比例の関係がみられました。地方選の得票率と参院選比例得票率を参院選後に限ってみるとこうなります。


図2 地方選得票率と参院選得票率の関係(大選挙区制、参院選後)

参院選後のものに限っても、同様に比例の関係にあります。これ線形近似の数式にそれぞれの自治体における、参院選の比例得票率を当てはめることで、地方選の得票率を算出してみることにします。


表2 日本維新の会の統一地方選の基礎自治体選挙の議席予測

統一地方選の大選挙区制で行われる選挙の内、すでに候補者が決まってる選挙、定数20以上の市、大阪、兵庫、京都は統一地方選で行われる大選挙区制の選挙などを無投票の場合を除いて、全てを対象に検証しました。予測得票率が先ほどの数式から導き出した得票率です。次にその得票率を前回の最下位当選者の得票率で割り、小数点以下を切り捨てることで理論上の当選者数を導きました。しかし、これは前回の最下位当選者付近に完璧に票割りをした場合なので到底現実的な数字ではありません。そこで、前回当選ラインから+1%した得票率で割って計算したのが理論当選者数1です。(直近で行われた西東京市議選で当選ラインから+1%程度だと7位周辺、他の選挙でも中位に位置する)
何の補正もかけてない理論当選者数0で-1という値が散見されますが、これは数式の切片の0.0727(7.27%)より参院選の比例得票率が低いという事です。実は2022年に行われた選挙の内、参院選比例得票率が7.27%を下回った自治体では必ず落選しています。(例:臼杵市、沖縄市など)
予想当選者数は1人当選できると出た選挙では理論当選者数0を、複数人当選できると出た選挙では理論当選者数1を基準にして議席を予想しました。
※守口市等少し変更しているところもあり。

表3 日本維新の会統一地方選の議席予測(大選挙区制)

大阪では前回擁立者数の72人を大幅に超えた118人を筆頭に多くの都道府県で前回の統一地方選の倍増以上の見込みで、合計362人が当選すると予想します。この予想から考えると目標の600人に到達するためには後97人必要です。

4.府県議選、政令市議選で何議席取れるか?

97人が当選出来たら目標達成ですが果たして…
2022年のデータでは定数が2~18議席のデータ非常に少なかったので大選挙区制の時よりは信憑性は低いですがご容赦ください。
また、1人区は別途定数1のみで計算しています。

表4 日本維新の会の2022年の選挙(定数2~18)


表5 日本維新の会の2022年の選挙(定数1)


図3 地方選得票率と国政選挙得票率の関係(定数2~18)


図4 地方選得票率と国政選挙得票率の関係(定数1)

同様に、数式に当てはめて表にしました。なお、1人区の場合は得票率が50%を超えたら1議席とします。今回は最低ライン+5%の得票率で票割りをしています。(6人区程度だと中位~上位、3人区程度だと下位の場合もあります)それを基準にした予想が予想当選者数1です。
対象は定数4以上の府県議選の選挙区、全ての政令市議選の選挙区、大阪、兵庫、奈良は全て、京都は一部の1人区を除く全ての選挙区(無投票は除く)。
道議選に関しては、鈴木宗男氏が擁立しない方向ということなので記載なし。(おそらくやっても0)


表6 日本維新の会統一地方選議席予想(府県議選・政令市議選)
表7 各議会の議席予想

表を見ると大阪府議会過半数、大阪市議会過半数という結果が出ました。府県議選、政令市議選合計で210議席となり、90議席を大きく超えています。

表8 統一地方選全体の議席予想

奈良県では一部の小さな町村を集計していないところがあるのでさらに数議席は増やせる可能性もあります。
一方で現在の立候補者数が計算した当選者数を超えている選挙区がいくつかあり、共倒れの可能性があります。

4.この予想を超えるには?

これはの予想には比例得票率から平均的な地方選の得票率を割り出しているので当然、良い候補者がいたり、地盤を持ってる候補者がいれば当選に大いに近づきます。市議選鶴見区や県議選中原区はかなり惜しい値になっているのでこのような選挙区はもしかしたら本人の力で覆せるかもしれません。

5.終わりに

個人的には、大阪以外でどれだけ取れるかよりも、大阪でぎりぎりまで立てられるかが勝負だと思います。参考になれたら幸いです。 

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