ブブブキャリア① 大学4年生編

 どうも、ブブブです。 なんか前から決めてた記事内容があった気がするし、配信かdiscordで囁いたような気もするのですが、忘れてしまったので、一番ネタにしやすい「自分の歴史」について書きたいと思います。
 最初に申し上げておくと、例によって有料記事ですが、全文読めます。私の文章に少しでも感心し、慈愛の念が湧いたらで結構です、お金は
 最近、「文章を書く、人と話す」ことが仕事で増えてきたのですが、決まりきったフォーマルな対顧客のメールは書けても、身内に対する社内チャット、直接話すときにあまりにボキャ貧であることを実感してきたので、文章の筋トレとしてやります。ボキャ貧というか、会話・文章の構成とかがおかしく感じてくるヤバめな感じなので、生き急ぐが如く、記事を書き始めました。
 実は7月から課長になって、先月中旬からは7人の営業部下の売上管理、できてないやつの指導とケアもやってるのですが、自分が人の上に立つにはあまりに引き出しがなさすぎて、不器用で、結構上からも「どうにかせい、出世させたやろ、はよどうにかせえ」と脅されながら仕事しています。

怠惰な男、ブブブ

 さて、タイトルに「①」とか入ってるように、このキャリア記事はシリーズ化するつもりです。でもあんま時系列は考えてないです。思い立ったところから書きます。それでは前置きはこの辺で。

 学生時代の俺は、あまりに怠惰でした。周りもみんなそうだろ、そう思ってました。就職活動というものが始まるまでは。

 僕は、東京のほぼ千葉の方が地元です。都営新宿線なるもので新宿や秋葉原(厳密には駅として通ってないが、徒歩圏)に出やすいところでしたが、親の甘言に甘えに甘え、大学に通うことになってからは、東京の大学ながら、大学の近くで一人暮らししてました。
 同期には奨学金を貰って週5でバイト入れてるやつもいるのに、俺は学費も全額親持ち。当時は何も思ってませんでしたが、親の偉大さを今頃気づいてます。

 また構成がグチャってるので軌道修正。
 私は一人暮らしの家の家賃も親に払ってもらってましたが、さすがにガス代、光熱費、水道費なんかの固定費は自分で払ってました。
 これを乗り切っていたのが単発の派遣バイト。払わなくちゃいけない分だけ稼いで、後は家で天井を眺める。ネトゲをする(友達の誘いでラウンジのバイトを入学から1年だけやってましたが、ここで稼いだ金はほぼゲームの課金とかで溶けました)。
 これ以上に余剰に稼いでいたのは、大学2年の秋、彼女ができてからだけ。
 それも、大したプレゼント買えるほどの金じゃなく、あくまで飲み代、メシ代程度。それが卒業するまで続きました。

 大学4年の4月、大手企業は正式に新卒受け入れのために門を開けていいっぽいことになり、同期も俺もスーツにネクタイ、登録してたリクナビでエントリーシートを書いては集団説明会に行く日々…になろうかとしてました。

 話は前後しますが、先述のラウンジバイトを辞めてからの大学2年目は、朝1限目の必修もなくなり、暇すぎて、逆に勉強しまくってました。ちなみに講義のための勉強じゃなくて、宅建。
 当時の俺は、金こそがすべてであり、それがすべてのトラブルを解決し、願望を実現できると本気で信じてました。
 そこで、「不動産=稼げる」という短絡的な思考に取り憑かれ、講義中も宅建、講義が終わっても図書館で宅建、帰っても宅建、宅建宅建宅建という日々を送り、1回目の受験で合格しました。受験の2週間前には同じ放送サークルの同期と恋人として付き合い始め、人生は上々てな感じでした。ちなみに、受験は10月で合格発表が12月でしたが、4月から宅建の鬼になってた俺はすでに合格を確信してました。

 時を戻して大学4年の春。
 俺はいつもつるんでるグループで国際展示場の各種業界各社の集まる「就活の祭典」みたいなところに行きました。
 この時、思ったことを率直に表現するとこうです。
「え、だる、毎日こんな具合で電車で移動して会場に背広着て革靴で歩かなあかんのか、いやだる、てか春なのに熱くね?」
 です。
 俺は商社の総合職希望でした。なぜかといえば、特に売上とかの数字詰められて怒られないし新卒から高い給料もらえるから、というあまりにイメージ先行で甘い考えをもっていたからです(商社に就職した同期は入社して1ヶ月も経った頃には徹夜三昧、それからしばらく経って、アフリカの国に飛ばされました)。
 そこで商社の本社で行われる説明会に後日行ったのですが、相変わらず「だるすぎぃ!」と思いながら歩き、電車に乗り、会場についてほぼ挫折してたところで、次のような光景を目の当たりにして完全に心が折れました。

 そこは今にも乱闘いけまっせ、みたいなゴリラの軍団。ゴリラたちは質問の時間がやってくると一斉に挙手し、指名されたゴリラはホールに響き渡る怒声のような通る声で、
「ケイヨー大学ケーザイ学部、ゴリ田と申します!!!」
 と、雄叫びをあげた。

 僕は、ネクタイを緩め、第一ボタンを思い切り外して、会場をそっとでました。

 「だるいな、だりぃよ」
 帰りの大手町の駅のホーム、乗る電車が来ても、ベンチに座ってぼやいていたのを今でもよく覚えています。
 それから僕は決意しました。
「就職、しなくてええやん。いままでみたいに、生活に必要な金、工面するだけ派遣やってりゃええやん」
 と。
ちなみに、僕と同じ2017卒の人はわかると思いますが、当時はバブル時代以来の売り手市場(学生有利で就職しやすい)と言われているイージーな雰囲気がありました。実際、僕の同期は、顔見知りだけでも商社やら銀行やら、入社するには間口の狭そうな広く知られるところに就職して行った者たちがいます。

帰宅して、後から同じく就活帰りの彼女が帰ってきました。
「ごめん、俺就職しないわ」
「え、なんで?」
「だるいもん、今までみたいに生きてけるだけバイトでいいや」
「そう、でも私は就活するから、今のうちに貯めといてよ」
そんな感じで、あっさり僕は就職活動に終止符を打てるお墨付きをもらったような気分になり、何もしなくなりました。
 出る授業も殆どない、バイトするか天井を眺めるだけの日々の始まり。
 やがてやれと言われるであろう、卒論だけがめんでぇなぁおい。

 それから季節は夏と秋を超え、年末も近い12月中旬の冬。
 僕は、都心の、大学生が入っちゃいけなさそうな高級中華料理店にいました。
 学生時代の僕は今よりも生意気でして、よくおじいちゃん教授とかに講義終わり、学生ノリで絡んだりして無駄口叩いていたのですが、そのうちの一人が僕をかわいがってくれており、大学院の講義も担当しているその教授に、「君、暇だろ」と言われて、大学3年の後期から大学院の講義に、僕は聴講生として招かれ、僕としても居酒屋のバイトのある彼女が帰ってくるまでの良い暇つぶしと思って参加していました。
 いざ聴講生となると、社会人をやりながら、夜に講義にくる大学院生たちと講義後に飲みに行って談笑したりして、大人になった気分で酔いしれるのにも楽しさを感じていました、
 その教授に、大学院の忘年会をやるから君も来い、と言われてやってきたのが、この龍が如くに出てきそうな高級中華料理店。
 4年の前期の最後の講義以来、聴講しに行ってないし、唯一の学部生の僕が呼ばれるのはなんだか気まずいし、怖かったです。
 奇しくも、僕が大学1年のときにバイトしていたラウンジのすぐ近く。

 酒も食事もある程度進み、おじいちゃん教授(以降、ワタナベ先生)に切り込まれました。

「ブブ山くん、ゼミのエンドウ先生から聞いてるけど、まだ就職決めてないんだって?」
「はい、就活もしてません」

 しばし沈黙。ワタナベ先生がなにか考えたようだったが、返ってきた質問は、誰でも思いつきそうな拍子抜けするものだった。

「ブブ山くん、なにか資格は持ってないの?」
「宅建、持ってますよ」
「ほう、ええ!」

 ワタナベ先生は少し驚いたようだった。
 そして、僕はすぐに思いついた。
 あそこだ。

「宅建持ってるのに、どうして就活しないのかねぇ」
「いや、今思い出しました。僕の行きたいところが」
 具体的な思索より先に言葉が出ていた。
 僕は一瞬にして、3年前のことに思いを馳せていた。
 この街での日々を。

 僕が1年生のときにバイトしていたラウンジ。このラウンジはスタッフもキャストも酒好きな人が多くて、lastで締め作業した後も、店内で毎日のようにスタッフと一部の飲み足りなさそうなキャストが残って、朝まで酒を飲んでいました(僕、現役で大学入った1年生だったけど)。
 大体7時になるとお開きになり、スタッフが戸締まりの確認して、店長が鍵を閉めて、みんなでタクシー乗り場にいく。僕はそんなお金ないから、電車だが、タクシー乗り場は駅前。
 そこへと続く通り、みんな酔っ払ってわけのわからない事でもゲラゲラ笑いながら歩いている時、いつも僕の目にとまる人がいた。
 そこは都心の一等地には似合わない、ボロ臭い不動産屋事務所。
 その店頭で、いつも水を撒いて清掃している、腰の曲がり始めたご敬老。
 きっと、あれは清掃業者でもなく、年の割に身分の低い者でもない。
 多分、会社のトップだ。僕はそう直感していた。
 それが「行きたい」と思った理由なのかは、未だにわかりません。

「へえ、ブブ山くん、でもそこはこの時期も新卒募集してるのかな?」
「明日確認しますよ」

 そういうと、僕はすぐにスマホで通りを調べ、マップで会社名を特定。
 会社名を検索して、電話番号を登録しました。

 翌日。僕は会社の営業時間の始まりである、9:00になると同時に電話をかけました。5分置いたほうがいいかな、なんて思ってません。

「もしもし」
「もしもし、ボロカビ不動産です」

年季の入った女性の方だった。すぐに本題に移る。

「私、ブブ山と申します。現在、大学4年生でして、就職希望なのですが」
「少々、お待ち下さい」

 保留音も鳴らず、1分も立たないうちに、しわがれた、あのご敬老と思われる人の声が聞こえてきた。

「もしもし代わりました、代表取締役のゴ・ケイロウですが」
「はい、ブブ山と申します」
「はいはい、就職希望ということですが、履歴書持参で。面談はいつにされるでしょうか」
「本日、伺います」
「わかりました。今日であれば午前がいいのですが、準備と時間は大丈夫ですか?」
「はい」

 伺ってもよろしいでしょうか、ではなく、伺いますと強く言った。
 あまり常識的でないようなのはその時から思ったが、僕はもうここだと決めてしまったので、正面から突進するしかなかった。

 とはいっても、履歴書は書いてないし、証明写真もない。あるが、もう8ヶ月も前のものを貼っ付けるわけにもいかない。
 彼女に履歴書が余ってないか聞くと、引き出しから出してくれた。
 僕はネットで調べた画像を模倣して書き上げ、急いで駅に向かい、証明写真をプリントするあの機械で撮影して、ハサミを持ってきてないことに気づいてコンビニで無駄金を払って買ったハサミで、電車に乗ってからチョキチョキ切り始めた。他の乗客に通報されなくてよかった。

さて、本日はここまで。
続きはいつか、時系列的にはここから先で、「就職、新人編」みたいなタイトルになると思います。

ではでは

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