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私は “不完全さを探し求める“という意味がわかってきた

シャルロット・ゲーンズブールの新作「母との約束、250通の手紙」という映画が今年上旬公開されていたようだ。フランスの作家、ロマン・ガリを育てたシングルマザーの物語らしい。全然知らなかった。見落としていた。

シャルロット・ゲーンズブールは僕より1歳年下でほぼ同世代。1985年の『なまいきシャルロット』、86年の『シャルロット・フォー・エヴァー(変な映画だった。自分で監督して娘にこんな役やらせるセルジュ・ゲーンズブールはそうとうヤバい)』あたりから日本でも人気が出始め、同世代ということでなんとなく気にはなっていたが、そんなに熱心に映画を追ってるわけではなかった。

ところが、2000年に公開されたパトリス・ルコント監督作『フェリックスとローラ』。これがよかったなー。移動遊園地にふらりと現れた謎の女ローラ。このシャルロットは素敵だった。当時29歳だけど、少女だった時よりはるかに魅力的になっていた。

それから時が経ち30代、40代になるにつれますます魅力が増している気がする。07年の『I'm Not There』のラフなファッションの彼女も良かった。
ただ、『アンチクライスト』と『ニンフォマニアック』はいろんな意味で恐ろしくてまだ観てないんだよな。

父セルジュと母バーキン同様、音楽活動もやってるけど09年にベックのプロデュースでリリースしたアルバム「IRM」がとても良かった。ベックのビザールでLo-Fiなところが意外とシャルロットとマッチしていて、一時期よく聞いていた。ジャケ写もイカす。

50代を迎えようとしてる今も母親ジェーン・バーキン譲りのスタイルの良さでミニスカートを着こなすかと思うと、普段はどっかそこらへんにあるもの適当に着ましたというようなファッションで街を歩いてる。しかし、これがカッコいいんだよな。
だが、近年彼女のインタビューを読むと女性として老いて行くことに対しての不安、恐怖を(ユーモアを交えてだが)語っているのが見受けられる。女性としては正直な気持ちなのかもしれない。

それでも、繰り返しだが若い頃より今の方が僕には魅力的に映るし、自由さを感じる。こうやって素敵になっているのを見ると同じ世代として嬉しくなる。年をとることも悪くないなと思う。僕も見習って普段はそこらへんにあるものを着て街をウロウロしたいと思う。職質されなければいいが。

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