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読書録「幸せをつかむ戦略」

富永朋信さん著の書籍「幸せをつかむ戦略」を読了。
個人的な備忘録として、簡単な感想とまとめを記載しておく。

1.経緯
行動経済学の入門書を読んだときに、幸福経済学というものがあると知り、軽く調べてみたらヒットした書籍。本書含め、行動経済学に関する書籍が面白くなってきた。

2.概要
著者である富永朋信さんが尊敬するダン・アリエリー氏を訪れ、2人のインタビューのやり取りから、幸福とは何か?幸福になるための戦略を導いていく内容。非常に面白くもあり、理解が追いつかない部分もあり、他の書と合わせて見返したい書。

3.個人的な要点
本書を読了後に心に残っていた要点は、以下の2つ。
① パートナーとの幸せ
② オートノミー(自己コントロール性)
家族を持ち、主体的に仕事を行っている身として、自分の考えや行動に対して、1つのお墨付きをもらえたことから印象に残っている3つである。この他、消費、人間関係、企業と従業員の立場に立った幸福論が読み取れる内容となっている。

4.個人的な深堀り
3で示した2つの要点について、個人的な深堀りを記しておく。
① パートナーとの幸せ
これは、個人的にも答えを持っていない領域であったため、1つの指針とする学びを得ることができた。パートナーと年々仲が悪くなる要素は、人間が持つ「慣れる」という能力であると。パートナーとの生活が「慣れる」ことにより、背景的に溶け込むのだがパートナー(というか人)は「モノ」と異なり、こちらに対してアクションをかけてくる。ここが難しいポイント。

長期的に幸せを掴むための示唆として、1つは「離れる」ことが推奨され、1つは「変化する」ことが示されている。「離れる」ことは「慣れない」ために、「変化する」ことは「慣れた」状態をリセットするためにある。つまり、人間は「慣れる」と幸福から離れてしまうということ。

「慣れる」ことを防ぐというキーワードは1つの幸福への道かもしれない。

② オートノミー(自己コントロール性)
幸福に感じるための要素として、オートノミー(自己コントロール性)が挙げられており、人間は自己決定ができる状態にいることが所得や学歴よりも高い幸福要素となっているということ。Amazonで本を買うのと、本屋で本を買うことの違いを例に挙げられ、前者はInputされる情報がある程度決められるが、本屋は自分が選んでいる状態のため、幸福度が高いという。自分で決められる状態にいることの重要性を感じる一節であった。

また、自己コントロールの効かない範囲は気にしないことが重要とあった。これは、自身がコントロールできないことにある事象に対して、悩んだり怒ったりするより、コントロールできる範囲に対して思慮を深めることの方が幸福度が増すということ。

コントロールのできる範囲に集中すること、自己決定権のある状態を保つこと、この2つは幸福な人生を考える上で非常に重要な要素になると思う。

5.所感とまとめ
幸福に至るために示された道筋は、これまで私が個人的に考えてきたことと一致することも多く、自身の行動指針に裏付けを得ることができた。「慣れないこと」、「自己決定権を保つこと」、「コントロールできる範囲を意識すること」の3つは、これからの家族との生活や仕事において、大きな指針になるだろう。

幸福経済学のような人間とは何か?を研究している書をいくつか読んでいき、理解を深めて行くと面白いだろうなと感じた1冊。

※同書の行き先:自宅保管。