赤い公園と私③ あみこ編

3人目にお話を聞いたのは、黒盤リリース前から赤い公園を聴いていて、ますみと同じく当時メンバーとのやり取りが盛んだったあみこ。この方は、『ゆうパラ』で読まれるコメントとか、人に会ってる時はすごくテンションが高いんだけど、SNSを見ていると落ちてる時もあって、なんとなく自分に似てるような気がして勝手にシンパシーを感じています。あみこ、元気だった?


――あみこってさ、テンションに差があるし、赤い公園に対してもSNSで好き度がグンと急浮上してくる時とシュンっていなくなる時があるじゃん。
あみこ「それはずっと前からそうだね。でもどうでもよくなってるわけではないよ。『ゆうパラ』も最初から2017年の途中まではずっと送ってて、2017年の2月の私の誕生日には『しょうがねえから祝ってやるか、くらいでいいから祝ってください』って送ったら読んでくれたし(笑)。あのメッセージ、レッパーに対する『転職なさったんですね、レッパーさん』ってコメントの次だったからよく覚えてる。一時期、最後の数分に今日の感想を送ると読んでくれる説があって、めちゃくちゃ最後に読まれてた」
――駆け込みで送るやつね(笑)。同じことをしても俺は絶対に読まれないんだよ。どこかで熱が冷めたの?
あみこ「冷めてないわ!でもなんでだろうね。2017年だから、それこそ千明が抜けたから、っていうのは私もあったよ」
――3人のインタビューが似ちゃうな(笑)。
あみこ「でも前の二人の話を読んでて、千明の偉大さは感じたよ。もちろん曲作ってるのは米咲だし、なおちゃんのドラムとひかりのベースっていうのも独特じゃん。でも千明の存在感っていうのは、昔からのファンで、特に『情熱公園』を見てると感じるよね。たくさん笑わせてもらったし、千明がいたから楽しかったことってたくさんあるから」
――赤い公園との出会いから教えてくれる?俺が赤い公園と出会った時には、もうますみんとあみこさんはすごいメンバーに話しかけてたから、この人たちが名物ファンの人たちだって思ってた。
あみこ「私と赤い公園の出会いの話は『ゆうパラ』で読まれたこともあるんだけど、最初はmixiで出会った『きょわん』っていう友達とバンドを組んでて、私はドラムだったんだけど、リハスタに入って終わる前にライトがチカチカするじゃん」
――『もうすぐ退出ですよ』っていう合図ね。5分前に。
あみこ「そうそう。そこで片付けながら『これだけ聴いて。最近出会ったバンドがめっちゃいいんだよね』って言われて、それが『ブレーメンとあるく』で、最初からじゃなくて『ふやける』から流したんだよね」
――へえ~。5分しかないからかね。
あみこ「そう。たぶん『ふやける』が好きだったんだろうね。それを聴いた時に『めっちゃいい。めっちゃ面白い』って思って」
――待って。『いい』なの『面白い』なの、どっち(笑)。
あみこ「『面白い』!それこそ私も今までJ-POPが好きで、ミスチルとか大塚愛とか聴いてたけど、こういう音は今まで聴いたことなくて。『歌詞それだけ!?』とも思ったし、曲の展開は全然違うし。それで『めっちゃライブ行ってみたい!』って思って、そのままきょわんにCDを借りて、めっちゃ聴きまくった。それが始まり。2011年の終わりごろかな」
――Twitterはいつから?
あみこ「自分もちょっとツイ消ししちゃったりしてて分からないんだけど、米咲から私へのリプは残ってるよ。『つのさん、大好きです』みたいなやつを送って(と言いながら探す)。

それは2012年4月だけど、始めたのはもうちょい前。この時フォローもしてくれたんだよ。千明にもめっちゃリプを送ってたんだけど、千明はアカウントを消して見れなくなっちゃった」
――で、初めて見たライブはいつ?
あみこ「たぶん、黒盤のリリパ(「透明なのか黒なのか」リリース記念公演 2012年4月6日)だと思う。それもきょわんと行ったな」
――その時ってどんなファンがいた?
あみこ「おじさんが多くて、歳が近い人はますみときょわんくらい。当時のTwitterを見返すとめっちゃますみが出て来る」
――なんでますみと仲良くなったの?
あみこ「千明に絡んでた人同士、流れでフォローしあって、かなあ」
――女の子のファン同士ってこともある?
あみこ「それもあるんじゃん?たしかに女性ファンはほとんどいなかった」
――千明とますみとあみこのやり取りが面白かったんだよな~。
あみこ「大喜利みたいになってて、そこになおちゃんとか米咲も入ってきてね。『ゴリエル』みたいな名言が生まれて。今、ゴリエル時代を知ってる人っているのかな」
――もうほとんどの人が覚えてないよ、アリエル+ゴリラね(笑)。
あみこ「あと、私が行く予定だったきのこ帝国とかindigo la Endが出るライブに、米咲も観に行くってツイートをしてて、『まじか』と思って『つのさん、見かけたら声かけていいですか?』ってリプしたのよ。そしたら『ぜひ』みたいな感じでリプくれたんだよね。

でさ、当時よく着てた青いニットがあって、それを着てるまいさを会場で見つけたから思い切って声をかけて」

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あみこ「お互い最初は人見知りを発動してたんだけど、私が『高円寺のライブハウスで働いてるんです』みたいな話をしたら、『ファンにそこまで言って大丈夫?』っていうくらい、住んでるとことか、通ってる美容室とかいろんなことをめっちゃ話してくれた」
――ああ、あそこね。たぶん亡くなるまでずっとそこに通ってたと思う。じゃあ、つのさんも千明も好きだったんだね。あみこってどの時代が好きなの?好き度はずーっとマックスなの?
あみこ「赤い公園に対してはずっとフラットに好き。今も含めて」
――じゃあますみんやちぴろとはそこがちょっと違うかもしれないね。もちろん二人もずっと好きだとは思うけど。
あみこ「千明が抜けたことでの落ち込みはあったけどね。でも好き度はずっと変わってないし、何より米咲の曲が好きだからね。赤い公園の曲だけじゃなく、ほら私ハロプロも好きだから『泡沫サタデーナイト』もめっちゃ好きだし、SMAPも好きだったし、米咲の外部提供曲を聴いてもやっぱり好きだなって思う」


――つのさんの曲のどういうところが好き?
あみこ「なんだろうね。なんか聴くと落ち着くんだよね。さっきさ、テンションが沈む時は沈んで、急に浮上する時もあるって言ってたじゃん。その沈んだ時に、米咲の曲は沁みるんだよね。そこに根拠はないんだけど」
――それってさ、どういう曲?暗い、明るい、速い、遅いとか。
あみこ「何でもいい。でも沈んでる時は『デイドリーム』とか『交信』とかをずっと聴いてたね。『デイドリーム』聴くとめっちゃ落ち着く。仕事で『もうやだ!モヤモヤする』みたいな時でも、帰り道に聴くと、気持ち自体は晴れなくても家着く頃には多少は落ち着いてるとかさ」
――興奮するより落ち着くのが大事なんだね。
あみこ「そう。レッパーが曲の考察してたじゃん。あんな感じで自分なりの解釈?をしたりして。最近の歌詞は分かりやすいけど、昔はわけの分かんない歌詞も多かったじゃん。こないだiTunesを見たら『ランドリー』を一番聴いてて、『ランドリー』こそ歌詞の意味分かんないじゃん。でもなぜだか落ち着くんだよね」
――『ランドリー』俺も好きだ。
あみこ「その次に『潤いの人』聴いてた。やっぱり意味の分かんない歌詞が落ち着くんだと思う。もちろん最近の曲も好きだけどね。『Highway Cabriolet』がめっちゃ好きで、実はこないだ弾き語りのライブをこっそりやったんだけど、そこで初めて赤い公園をカバーした。3コードで簡単じゃん。今まで米咲の作る曲なんて難しいからコピーできなかったんだけど」
――呼べよ~。
あみこ「緊急事態だったしさ(笑)。次は呼ぶよ。赤い公園って歌うと楽しいんだよ。カラオケ行くと超歌うし」
――落ち着くって何だろうね。俺は赤い公園の曲って落ち着く曲と興奮する曲と2パターンあるんだけど、落ち着く曲はたいてい子供の頃を思い出すからかな。
あみこ「ああー、あるある。米咲っていう人自体がそういう感じするよね。子供の時の心を大事にするじゃないけどさ、そういう気持ちを持ってたと思うよね。その見える景色とか視点とか感じ方とかが、なんか自分にも分かる。急にトリップする感じ?」
――分かる~!
あみこ「それ、レッパーからも感じるよ(笑)」
――俺の話はいいよ(笑)。そういうのが落ち着くのと関係あるのかね。
あみこ「そう。そういうのが落ち着くのと関係あるし、沈んだ時に沁みるのとも関係あるんじゃない?子供に戻りたいわけじゃないんだけどね。でも子供の頃はああいうふうに感じられたな~って思い出すみたいな」
――俺たちみんな、幼少期に傷でも負ったかな(笑)。
あみこ「どうだろうね。あるかもね」
――あとさ、つのさんの曲で落ち着くとして、あれをそのままの打ち込みでやってもダメな気がするんだよね。4人が演奏して歌うからこそ、人の何かが込められてる気がする。
あみこ「例えば『楽しい』とかさ、曲調は明るいけどさ、なんていうか……」
――切ない?
あみこ「そう、切ないよね!『NOW ON AIR』も切なくない?」
――切ない。
あみこ「米咲ってさ、やっぱり自分に劣等感を持ってたのかな。『あの子みたいになりたいな』(急げ)みたいに、そういう葛藤があったのかなって」
――そうかもね。普通のミュージシャンだったらそういうところはカッコ悪いから隠したいじゃん。でもつのさんはそういうのを素のまま出す、本当に普通の女の子と一緒だったと思う。
あみこ「分かる。私もめっちゃ劣等感あるし、キラキラした世界に憧れもあって。だから落ち着くっていうのもあるのかな」
――つのさんは憧れられる立場でもあるのにさ、憧れる気持ちも忘れてなかった気がする。
あみこ「たしかに。そういう世界にいたのにね。それこそ子供の頃の記憶とかって消えないじゃん。子供の頃の覚えてたことって忘れないんだよね。そういうのが落ち着く理由かもしれないな」


――ますみんとちぴは、千明が辞めた時にちょっと気持ちが離れたって言ってたんだけど、あみこは落ちたけど好き度は変わんなかったんだね。実は俺もそこでは変わらなかったんだけど。
あみこ「まあ千明が辞めるって時はちょっと落ちたけど、千明もいろいろ考えたんだろうなと思ったし、新しいことやりたいんだろうなっていうのも受け入れられたし。3人になった時はライブに行けなかったんだけど、米咲の書いたセトリを見て一人で妄想して楽しんでたし、3人のアー写も良かったし。理子ちゃんが入った時も配信で見て良かったし。もちろん千明が歌ってる感じとは違ったけど、今までの曲を歌っても遜色ない声質だなって思ったし」
――そうだね。
あみこ「『消えない』がすごいカッコ良かったし、私の地元の人形町も出て来るし」
――燃えてるじゃん(笑)
あみこ「燃えてるけど(笑)。だからずっとフラットに見れたよ。もちろん千明の時代はめちゃくちゃ楽しかった。けど理子ちゃんの声質も良かったし。私『消えない - EP』がすごい好きでさ」
――俺も好き。発売されるまでは長かったけど。
あみこ「たしかに、めっちゃ焦らしてたよね。でも理子ちゃんが広島にいたっていうのもあるだろうし、それを超えるくらい良かったよ。2019年終わるまで2か月くらいしかなかったけど、2019年で最も聴いた一枚」
――『THE PARK』は?
あみこ「『THE PARK』はね、最初あんまり入ってこなかった」
――周りの人はみんなそう言うなあ。なんでだろう?
あみこ「なんでだろうね。『消えない - EP』は入ってきたのに。だから、選曲した人のセンスとかもあるんじゃない?あれはメンバーじゃない人が選曲した気がする。私なんか米咲の曲ならみんな好きって人なのにな。でもね、今『THE PARK』を聴くと好きなんだけどね」
――俺も曲は悪くないと思うんだよね。でも最初の衝撃はなかった。
あみこ「ね。なんでだろうね。歌詞がだいぶ変わったってのもあるかな。音色とかは面白いものを使ったりしてるからそんなに変わってないと思うんだけど、歌詞はリアリティーがある感じになったよね。米咲が大人になったんじゃない?」
――そっか。ちぴは理子ちゃん向けに書いてるって言ってて、俺もそれは思ったんだよね。
あみこ「米咲は曲を作る時、デモでは自分で歌うけど、歌う人の声を想定して作るじゃん。だから理子ちゃん向けに作ったっていうのはあると思う」
――昔さ、俺がつのさんと呑んでた時に、「『Joy!!』があれだけヒットしたんだから赤い公園でセルフカバーすれば?」って言ったことがあるのよ。そしたら「いやいや、あの曲はSMAPが歌うからこそ説得力が出るんだよ。私たちみたいな小娘が歌っても説得力が出ないし、SMAPのために書いた曲だから私たちは歌えない」って言ってて、その時、『あ、俺、愚かな質問をしたな』って思ったの(笑)。
あみこ「米咲はSMAP愛が強かったし、余計にね。『泡沫(サタデーナイト)』もそうだよね。娘'16が歌うからいいんだし、℃-uteもつばきもこぶしもさ、そうなんだよね」
――だから『THE PARK』も、「理子ちゃんが歌うからいい曲なんだ」っていう曲を作ったんだろうなとは思う。ただ、千明時代の曲を「千明が歌うために」と思って作ってたかどうかは謎じゃない?そこの違いかなって思う。
あみこ「個人的には千明に対しては、合わせにいくっていうよりかは『試しに歌ってみて』って投げて、どう歌うか楽しみにしてた感じがする。それを一番思うのは『急げ』で、何かのインタビューで米咲が、『『すすめの青が』って歌った時のちーちゃんの声がガサッてなるのがめっちゃカッコいい』って言ってて。だから千明には『ここはイケるかな?』ってギリギリのところまで試しに投げてみて、想像を超えるどんな歌が返ってくるのか期待してたんじゃないかな。だから、がなってるところが超カッコよくなって返ってきて、作った米咲が楽しくなるみたいな。理子ちゃんには、年が離れてるのもあるし、音域とかも理子用に合わせて考えて作ってたような気がする」
――なるほどね。本当はピッチとかも直した方がきれいかもしれないけど、そういう意味では昔の赤い公園は、音楽の模範解答からはちょっとズレてたのかもしれないね。
あみこ「米咲って絶対音感あるのに、そういうところ直さずにそのまま行ってたのが面白いね。不協和音とかも残すじゃん。そういうのも落ち着く理由なのかな」
――そうかもね。人間味があってね。
あみこ「『THE PARK』にそういう面白さは無かったのかもね。教科書通りというか、打ち合わせしてそのまま作られた感じ。『公園デビュー』とかは打ち合わせしたのに、どんどん変えたりしてそうじゃん」
――ひかりさんのベースの音がめっちゃ歪んでったりしてそう(笑)。
あみこ「そういうのもマネージャーが変わったりして変わったところなのかね。選曲も自分たちでしてなさそうだしなあ」
――ちぴが『闇の部分が無かった』って言ってたのもそういうことかなあ。
あみこ「そうかもね」


――赤い公園を追っかけてて、ミラクルが起きたことを教えてください。
あみこ「当時ライブって終演後にメンバー出てきてくれたじゃん」
――相当前だよね。俺は数回しか経験してない。
あみこ「渋谷のLa mamaでライブした時(おそらく2012年8月ごろ?)に、ライブ終わって挨拶した直後に、2列目にいた私が『ちーちゃんバナナ』って言ってバナナを渡したのよ(笑)」
――渡すな(笑)。
あみこ「そしたら千明が受け取ってくれて、終演後の客席にそのバナナを持って出てきてくれたのよ(笑)。その時千明の腕に『スーパーフライ』って書いてあったんだよ、ヤバくない?『スーパーフライ』って書いてある手で私のあげたバナナを剥いて食べてた(笑)。その日の夜にTwitterで誰かが『La mamaでちーちゃんにバナナあげた人、誰?』みたいに話題になってて、ますみが『あみこ先生お呼びです』ってリプして教えてくれて『私です』って入ってって。面白かった思い出です、あれ、マジでなんだったんだろう(笑)」


――『あれ、マジでなんだったんだろう』ってそれお前だから(笑)。
あみこ「私がなんでバナナ持ってたのかも覚えてない(笑)。すでにゴリエルとか呼ばれてたからね」
――歌ってる姿がゴリラみたいって言われてたんだよね。奥浜レイラさんの番組でもアリエルのモノマネしたり、ウホッとか言ったりしてたし。
あみこ「ニコ生の白盤の番組ね。『ランドリー』のMVの米咲がすごい好きで、MVも流れたから超覚えてる」
――それ録画してあるよ(笑)。視聴者クイズがあって、ちーちゃんが『私の高校時代のあだ名はなんでしょう?』って言って、三択に『朝青龍』って出てて、レイラさんから『ヒントは?』って聞かれて『ヒントはモンゴル』って言ってて答えがバレバレで大爆笑した。
あみこ「自己紹介の時から『どうも、26歳OL顔、佐藤千明です』とか言ってなかった?最初からウケ狙いに行ってるからね」
――つのさんの腕が360度回るのを披露したり。
あみこ「なおちゃんがヤンクミのモノマネしたり(笑)」
――超懐かしい(笑)。
あみこ「あとはDJ事件だよね。赤い公園って2012年に目黒の鹿鳴館で自主企画をやろうとしてたんだけど、米咲が活休しちゃって。で、私がその時働いてたライブハウスで10月にDJイベントがあって、『赤い公園をかけまくります。鹿鳴館のぶん踊りましょう。楽しませてみせます』ってツイートしたら、めっちゃ反応があって。ひかりさんが珍しくリプくれて、千明も反応してくれて」

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――そのイベントであみこがDJやってる動画あるよ。
あみこ「そして一番ビビったのが、そのDJイベントにミッツが来たっていうね。終電も終わってる時間にいきなり来て、開口一番『米咲がありがとうって言ってました』って言って、泣いたもん。『大好きなんで、って言っといてください』って言って。タバコ吸ってすぐ帰っちゃったけど」
――それを伝えに来てくれたんだね。


――『黄色い花』をゲットした話は?
あみこ「『純情ランドセル』のツアーの時だね。なおちゃんが黄色い花の輪っかを頭に付けてて、もう一つは米咲だったかな?『黄色い花』が終わった後に二人が客席に向かって投げたんだよね。そうしたら私がいた辺りに飛んできて『マジか!?』と思って取ったら、隣にいた人と同時にキャッチしちゃって。でジャンケンして勝って、見事もらえたんだけど、それが誰かの知り合いなんだよね。ゆきちゃんか誰か。『すみません』って感じで」
――匂い嗅いだ?(笑)
あみこ「嗅いだ。無臭だった(笑)」
――(笑)。
あみこ「あとは番組収録だね。『プレミアMelodiX!』と『Love music』の観覧が当たって、『MelodiX!』は『KOIKI』の時。『KOIKI』を1回歌うんだけどうまくいかなくて、2回目をやることになるんだけど、私は2列目くらいにいてさ」
――一番前じゃなかった?女と男で分けられて、女の人は前だったよね。
あみこ「いや2列目だよ。その1回目の収録と2回目の収録の間にしばらく無音の時間があって、その時に私はなぜか千明の背があまりにも高すぎることが気になって、思わず『ちーちゃん今何センチ?』って聞いたのよ。いたでしょ?その時」
――いたよ(笑)。スタッフがバタバタして舞台上はシーンとしてるのに、いきなりステージに向かって声かけてるやつがいるからビックリしたよ。そしたらちーちゃんが『めっちゃナチュラルに聞くな?』って返して(笑)。
あみこ「突っ込まれつつも、『173プラス10(ヒール)だから183!』って返してくれて。めっちゃ面白かった。あの番組で一瞬映ったし」
――その時の画像も貼っとくわ。
あみこ「貼んなよ!その収録後に、米咲が投げたピックを受け取った男の人が、なぜか私にピックをくれた」
――へえ~。あれ、それがッスーさんじゃないかな。(※ッスーさんじゃないそうです、失礼しました!)たぶん、メンバーと普通に会話してたから、あみこのことをめっちゃファンの人だと思ったんじゃない?ペンタトニックスとの2本立てっていう謎番組ね。
あみこ「ペンタトニックス懐かしい(笑)。なんであの二組だったんだろう、どういうブッキング(笑)。それがミラクルその3くらいだね。『journey』の時の『Love music』は他に誰もいなかったし、衣装が普段着みたいでかわいかったのと、その時出てたNakamuraEmiがめっちゃカッコ良かった」
――赤い公園関係ねー!
あみこ「あとメモによると、レッドクロスのTHA BLUE HERBとのツーマン(『赤い公園の拝啓新宿殿』2012年8月22日)で、千明から×××をもらったって書いてある」
――それ載せられないから!怒られる!


――つのさんが亡くなっちゃってさ、落ち込んでるかと思ったけど。
あみこ「落ちてたよ。こうやって誰かと会って話せば大丈夫だけど、家で一人でいるとくるよね」
――あみこもね、つのさんもそうなんだけど、会って話すとめっちゃ元気だけど、家で落ちる人なんだろうなっていうのが分かるから、なんか同じ匂いを感じるんだよね。
あみこ「友達から連絡が来て最初は信じらんなかったけど、公式で発表があったから『そっか』ってなって。ちぴろとめっちゃLINEしてたんだよ」
――そうだったんだ。あの子は明るいから俺たち闇属性の人は救われるでしょ。
あみこ「そうだよね。ちぴろは元気くれる、ますみもね。そのあとみんなで一回会う前に、ゆきちゃんと一緒にベンチに行って。『でもここに米咲はいないしな』とか思いながら。でもベンチの上にある木が電飾でキレイで、それは嬉しかった」
――クリスマスが近かったからかね。
あみこ「そうだね。あの時は落ちたな。この世にいる人で一番好きだったかもしれない。憧れもあったし、会いたいけど会えないみたいな気持ちもあった」
――ラジオでめっちゃ読まれてんだから、もっと普通に話せばよかったのに。
あみこ「『あみこのメールはめっちゃ読みやすい』って言ってたんでしょ?すごい嬉しかった」
――そうそう、言ってたよ。
あみこ「喪失感はめっちゃあったね、公式で発表があってから。Twitterも止まってるし、『赤すぎる公園』も更新されないし、もうこれから新曲が出てこないんだっていう気持ちもあった。家族とか友達も大事だけど、そういうんじゃない本当に大事な人。『米咲がいてくれたからやっていける』みたいな。さっき聴くと落ち着くって言ったけど、そういう曲を生み出してくれた人だし、私のスーパーヒーローだから。そんな米咲がいなくなっちゃったっていう喪失感はめっちゃあった」
――……泣くなよ。
あみこ「泣いてないよ。でもさ、『米咲がいない世界なんて面白くねー』とか思ったよ。やしろさん(マンボウやしろ)も言ってたじゃん、『昨日より世界つまらなくなった』って。マジでそれ」

――泣いてるし。
あみこ「泣いてねーし。最初はなおちゃんとひかりと理子ちゃんが心配になったよ。だって結成10周年だったし、理子ちゃんは20歳になるし、ひかりも誕生日だったし。絶対一緒に理子ちゃんと酒呑みたいと思ってたと思うし」
――……じゃあさ、つまんない世界になっちゃったけど、今はどうやって生きてるの。
あみこ「私は音楽が好きだから、昭和歌謡を掘り下げたり、あとはハロプロも好きだし、アンジュルムに新メンバーが入ってきて面白くなってきたし。あとはTempalayがめっちゃ好き」
――へえ~。
あみこ「ボーカルの綾斗くんが米咲との写真を上げてた」
――AAAMYYYちゃんも親交あったよね。
あみこ「そうそう。AAAMYYYちゃんのコーラスが好き。Tempalayもね、曲がちょっと変なんだよ。赤い公園の曲も、最初は聴けなかったけど今ではたまに聴くし。ラストライブのチケットは取れたから、行く。キダさんが出てくれるのが嬉しいよ。米咲が活休した時もtricotムービーで『透明』をやってくれてたし、赤い公園とtricotって親交深かったし、なおちゃんとひかりも心強いものがあると思うし」
――そうだね。配信じゃ伝わらないところも後で教えてよ。
あみこ「うん、教える。ひっそり行ってひっそり帰るよ。そんでこれからも、どっかでひょっこり米咲に会える気がする日常を過ごしてゆきます」


つづく

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