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ふしぎメガマウス。


人類がまだ未踏の地が多くある地球最後の秘境、深海。
日々、深海に網を落として引き上げれば、
その中に何匹か新種が入っているくらい、
様々な生物がまだ人類に未発見の状態で存在しています。
そんな深海の人気者、メガマウスについて紹介します。

そもそも深海とは?

海は通常、岸辺からしばらくなだらかな傾斜が続き、どんどん傾斜角度が増していき、
あるところを境にズドンと落ちるかたちで数千メートルの深さまで落ちていきます。
我々が普段想像する「海」の部分は、その岸辺の開始地点から浅い部分、
「大陸棚」と呼ばれる部分です。
大陸棚の変わり目は深さにすると約150mから200m。
ここを基準にこれよりも浅い部分を浅海、深い部分を深海と呼びます。
すなわち、深さ200m以上のところはすべて深海という事ですね。
200mといえば意外とそこまで深くないという感じですが、
実際は光が届く範囲というのが200mまでとなるので、
ここまでのところに多くの植物性プランクトンが生息しています。
それより下では光合成できないので活動できないという事になります。
海底の中で浅海にあたる部分は全体の8%。
その他92%、ほぼ全てが深海にあたる海となります。
地球の陸地と海の比率が3:7なので、
それも入れて考えてもほぼ地球の7割は深海、
それほどまでに広大な未知の世界です。

メガマウス発見

メガマウスは1976年に、ハワイにて発見されました。
アメリカ海軍の調査船がハワイ沖で活動中、シーアンカーに絡まったオスの個体が見つかりました。
通常新種の魚は多く見つかりますが、
この生き物は体調4.46mもある巨大な生物でした。
メガマウスは生物学の分類ではメガマウス科にあたりますが、
あまりに特徴的な姿をしていたため、
今までに発見されたどのサメの分類にも当てはまらなかったため、
新たにメガマウス科が設けられました。
これほどまでに巨体なサメだったにもかかわらず、
メガマウスは1976年の発見から現在までに、
世界中から60数個体しか発見されておらず、
いまだ不明な点も多い「幻のサメ」と呼ばれています。

幻のサメ?

メガマウスは太平洋からインドなどの水深200mほどの深海に生息しています。
捕獲された胃の中の食物の種類から、クジラやジンベエザメ、マンタなどのように、
プランクトンを食べていることがわかっています。
そして最大の特徴は、名前の通り大きな口です。
顎を突き出す事で非常に大きな口を広げてたくさんのプランクトンを取る事ができます。
前述の通り、食性はクジラやマンタなどが近いのですが、
それらはメガマウスが生息するよりもっと浅い海に生息しており、
浅い海のほうがプランクトンは豊富にあります。
メガマウスが生息する地域は比較的プランクトンが少ない地域に住んでいるため、
どのようにプランクトンを集めているのかは詳しくはわかっていません。
また、ジンベエザメなどは筋肉やろ過機関が発達していて、
プランクトンの群れを求めて自分で泳いで捕食しにいくような体の作りをしています。
しかし、メガマウスはそのような作りにはなっておらず、
エサを求めて積極的に泳ぐ事が出来ない体の作りになっています。
その代わりにメガマウスの口の中は銀色の膜に覆われていて、
実際にそれを使って捕食する姿が捉えられていないため、定かではないですが、
そこに光を当てると反射するため、それを使ってプランクトンを集めているのではないか?と考えられてもいます。
今までに数年に1件ぐらいしか目撃例がないのは、
やはり深海に生息しているという事。
サメの仲間は死んでしまうと死体は沈んでしまうので、
深海で死んでしまい、そのまま深海へと沈み、
他の深海生物たちに捕食され跡形も残らないことが多いです。
また、岸から何Kmも離れた深海に生息している生物のため、
クジラのように浜辺に打ち上げられる可能性も非常に低いです。
そのため、たまたま定置網に引っかかるなどをしないかぎり、
なかなかお目に書かれない珍しいサメとなっています。

ちなみに肉質は水っぽくて、食べるとまずいらしいです。

日本でみられるところ

残念ながら、生きて泳いでいる姿は日本の水族館で見ることは出来ません。
そのため、現在姿を見るためには、標本として展示されているものを見る事になります。
・鴨川シーワールド
・鳥羽水族館
・マリンワールド海の中道
・美ら海水族館
の4つの水族館で、標本が展示されているのを見ることができます。
不思議なサメの生態を覗いてみてはいかがでしょう?

いつか、生きた個体として、
みんなで簡単に見られるようになる日が来るといいですね!








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