ペンギンの甲羅
11/5 日曜
イオンシネマでゴジラ-1.0を観る。スクリーンを2つ使って上映してて、見終わってからパンフ買ってたら次の上映アナウンスが聞こえた。在来線かよ。映画中は全体的にどんよりとした空気だった。戦時の緊張感と戦後のどうしようもない感覚が見えた気がする。自分の力ではどうにもならないことに巻き込まれた時、それでも生きるために抗えるだろうか。諦めの価値が理性には組み込まれているから、本能で生きていなければ無理だよなあ。
帰ってからグダグダしてしまって、気持ち（気分より）をリセットするために夏に録音した「朝井リョウと加藤千恵のオールナイトニッポンゼロ」を聞き直す。平常な日常に戻れるからよく聞いてるし、パブロフの犬って思い込むことでその効果が増す。マルコフ連鎖に繋がれた犬とも表現できる。
深夜3時、なんかめっちゃ大きい音がして起きた。上のフロアから？なんだったんだろ。マイホームヒーロー第1部の終わり方みたいだな。ねよ。
11/6 月曜
三月末の学会に出ることになった。あんまり自信もって発表できるネタが無いから普通に嫌なんだよな。こういうときはあえて英語発表で申請すればいいんだって、私知ってる。最近、煙草が美味しくない。身体が健康になることを求めているような気がする。必死に抗って、喫煙所にノロノロと足を進める。
夜、銭湯で研究所の先生に会う。この人も人間なんだな。
たむらかえというYouTuberに先週からハマっている。圧倒的なセンス。発見した頃は登録者数が3桁だったのに、1週間で桁をふたつ増やしていた。銀盾も近い。（私だけが彼女の良さを知っていたかったのに〜〜！！！）という心の声がキモイ。王様の耳はロバの耳って戯言を受け入れてくれるあの穴、現代にはどこにあるんですか。Twitter（現X）ですか。
11/7 火曜
3年前に連れていかれたキャバクラのお姉さんから、いまだに営業LINEがくる。営業LINEを送るのは大変だと思うので、それをGPTあたりで代替するサービスの営業をかけたい、と思ったらもうあった。現代ってやっぱりすごいな。
研究所の図書館に寄贈(個室に放置)した本を後輩が何冊か引き取ってくれた。柞刈湯葉の「横浜駅SF」があったらしい。それを見た別の後輩が「イスカリオテのユダからもじってます？」と言っていて、初見で気がつけるセンスにおののいた。
11/8 水曜
道端に8分咲きコスモスを見つける。満開が過ぎ去ったあとなのか、これから咲くのかよく分からない。わたしは彼岸花が好きだな。だるい夏が終わる合図だし、確定演出みたいで脳汁が少し出る。
昼に研究所の人たちとランチにいく。オムライス。卵が高騰してから客足が減ったらしい。
11/9 木曜
ペンギンの甲羅
11/20 金曜
浅井リョウ原作・岸監督の『正欲』を観た。
「理解したい」欲と「理解されたい」欲がトレードオフみたいに描かれているのが印象的だった。特異(語義)なものに興奮する、ことが罪でないとすれば、それに興奮する人を断罪することも罪では無いのかも。こういう堂々巡り・原理的矛盾が存在することそのものが致し方ないと認識しなければならない。疲れた。
X(元Twitter)で、「体積が360cm^3の球があってもいいと思う」というポスト（元ツイート）をみた。ないとおもう。
友達から、「疲れたから猫の話がしたい」と言われて電話した。「猫になった時の話して」ってリクエストされたから、ちょうど持ってた「ヒトカフェ」のヒト役をやった時の話をした。変な奇跡が起きると嬉しい。
11/21 土曜
刈谷日劇で12時スタートの『ダンサーインparis』を観た。原題は"EN CORPS", (身体の中というニュアンス)で、身体の中にある何かをコンテンポラリーダンスで表現することを意識したタイトルだろう。
@刈谷日劇
「動きのために、身体がどうあるべきか」という呪縛から解き放たれて、意識に関係なく体が動く。そんな姿が本当に美しかった。最初と最後に大きな舞台中での演目が流れるけど、それらよりも友人と雑談の途中に始めたバレエダンスが一番美しかったように思う。生きて、積み重ねてきた歴史は、何も大舞台の中でのみ活きるわけではない。今の自分が木の葉を見て何を思うか、コーヒーを飲んでどんな感想を持つか。自分ならではの感慨を覚えること、そしてそれは得てして日常の中でのみ発揮されるということ。そんな、当たり前のことが1分程度のラフなダンスに詰まっていた。これが、人間。
あまりに気分が良くなってしまってなんだか不思議な空気だったから少し街を散策する。ハーモニカを吹いてる人がいた。あと「ガチャガチャのゴミ！！」って書かれたガチャポン専用ゴミ箱をみた。無くてもいい箇所にビックリマークがついてると、無機質な文字列に意図が入り込む。
日記を研究の合間に書いてみた。
二週間日記が続けられたことの初めて。
今週三本映画見てたんだ..と自分を客観視できて嬉しい。
飽きるまで、やってみよう。
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