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【感想】さよなら、絵梨

さよなら絵梨、めっちゃ良かった

特によかったシーンが最後の爆発。
あのラストシーンこそが絵梨と優太の関係性の回答だと思う。絵梨と優太を繋いだのは爆発するシーンで、絵梨が優太の映画で一番好きだったエッセンスでさよならを言う、めっちゃオシャレな別れだった。多分絵梨が生きて見たかった完成した優太の映画のシーンっていうのは間違いなくそこだと思う。絵梨の本音は大人になった優太に会いたかった、一緒に生きたかったっていうのに気づいたら少し涙腺が緩んでしまった。

だからあのシーンはさよなら絵梨っていう題名そのものだった。

粗っぽいのを探せば、藤本タツキの皆をびっくりさせてやろうとか感動させてやろうとかも見え透いていたというか分かり易かった感じがした。

でも思い返してみればそれってこの作品は優太の作った映画だから、絵梨の皆をブチ泣かしてっていったセリフとか優太のひとつまみのアクセントとかが反映されてのアレだし、そういう風に描くのが寧ろ藤本タツキの漫画の上手さとかが色濃く浮きだたせてるように感じたからすごいね。

まぁ漫画の上手い下手は語る必要はないんですが...(それは楽しむために必要な要素じゃないから)


ここからが僕が一番話したいところ
この作品で語られている本質って、作品のキャラクターとそれを受け取る僕の関係性だと思っていて、それが常に語られていたのがすごく好き。

作品を見て、色々感想を考えるのは対話だと思ってるし、その対話をし続ける事で次第に自分の中にキャラクターが生じる。僕は少なくともその関係性を信じている。そしてそれは僕が最も大切にしてることだ。

話しの中でも絵梨の友達、優太の父親、最後の絵梨も、映画を見て何度も愛していた人に会えることに感動していたし、優太だってずっと絵梨の動画を編集して再開しようとしていた。だから最後に絵梨が優太と再開するシーンは呪いそのもの。私に会いに来てっていう過去から大人になった優太へのメッセージで、そしてそれは絵梨の夢でもあった。


だからさよなら絵梨っていう作品は映画を見てる側と作ってる側のコミュニケーションの話だと僕は思ってるよ。


感想、もっと上手く書けるようになりたいな

それが僕の彼らに対する唯一のコミュニケーションだから

※追記
最後に絵梨が出てきたシーンを理解してない人が多いので一応解説
この作品は優太の映画だから最後のシーンの絵梨に出会うシーンは編集です。なのでプロット時点で大人になった優太が出てくることが織り込み済みだったわけですね。映画の中で映画を作る映画っていう複雑な感じなので勘違いしてる人が多いですが、絵梨は既に死んでいます。つまり学祭では一般受けされて出された未完成の映画を見て皆が泣いてます。そういう皮肉もある。



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