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中日の途中補強新外国人投手候補を探してみた

はじめに

ジャリエル・ロドリゲス投手の亡命報道が出てから1ヶ月以上が経ちました。あまりに突然の出来事に絶句したファンの方も少なくないでしょうし、何より現場が一番頭を悩ませたに違いありません。キューバの選手を獲得する以上このようなリスクは付き物ですが、よりによってこの時期に…。しかも複数年契約1年目のこのアクションには自分も正直ショックを受けました。

現在の中日ドラゴンズの順位はリーグ最下位。手術を決断した大野雄大投手が4ヶ月以上離脱することとなり、リリーフ陣に故障者が続出している状況です。また、外国人野手が揃って低調な上に支配下登録の外国人投手はクローザーのマルティネス投手のみ。外国人枠の運用においても改善点はあるように見受けられます。

支配下登録枠を見渡してみても、ロドリゲス投手の去就問わず5枠空いており、ファーム成績を考慮すると、育成選手の支配下移行も全体的に時期尚早かと思います。加えて故障者が続出しているのも原因してファームのチーム防御率はリーグ最下位。投手運用も逼迫してきている為、育成という観点から見ても決して見過ごして良い事態ではありません。

そして立浪監督の投手補強視野発言。当然このファーム状況では投手をトレードチップにするのも難しいですし、野手もそこまで候補は居ないのではないか?という印象が見受けられます。それを踏まえた上で投手を手っ取り早く獲得するにはやはり「新外国人選手」ではないかと思います。

正直今の現状を見渡した時に、先発、リリーフ問わず獲得しない理由がないとまで考えています。今回のnoteでは、中日ドラゴンズの過去の助っ人獲得ルートを見た際に最も頻繁に選手を補強しているドミニカWL、メキシカンリーグ、キューバ国内リーグの出場者を中心に助っ人投手候補を紹介していきたいと思います。

未だこの時期なのもあり、MLB球団と契約を結んでいる投手ではなく、すぐにでも獲得できそうな投手に焦点を当てて紹介するので、そこまで実績のない選手が多いかもしれません。「こんな選手来たら面白いな」ぐらいで見ていただけると幸いです。

【先発候補】

🇩🇴イェンシー・ディアス(26) RHP
メキシカンリーグでプレーする若き豪腕先発候補。メジャーリーグでも2年プレー経験があり、主にリリーフを中心に通算で平均球速153.7km/hと来日すれば球界トップレベルの数値をマーク。先発でも150km/hを超えるストレートを連発しており、中日の獲得メインルートドミニカWLでもしっかり投げている点からスカウトが見ている可能性も高いと思われます。
今季打高のMEXでここまで防御率2.53をマークしており、鮮度とポテンシャルを兼ね備える個人的に特に推したい候補の1人です。
https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=diaz--000yen

🇨🇺アリエル・ミランダ(34) LHP
こちらは日本球界経験者で、ソフトバンクで活躍したのも記憶に新しいミランダ投手。年齢は34歳と決して若くないですが、オフシーズン時点で「NPB球団も興味」とフランシス・ロメロ記者が発言していました。
2年前KBOで173回2/3 225奪三振で奪三振記録を作ったものの、昨季は故障であまり投げられずに退団。コンディション次第な投手ですが、今季ここまでメキシカンリーグでリーグトップの26奪三振(16回1/3)をマークしヘルシーさをアピールしています。貴重な左腕先発候補。各国のリーグで活躍し続けた彼のNPB復帰はあるのか。
https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=mirand000ari

🇻🇪ニバルド・ロドリゲス(26) RHP
先月26歳を迎えたばかりながらMLB経験もある若きスターター候補。元々球団トップ15に入るレベルの有望株であり、この年齢でメキシカンリーグに主戦場を移したのは少々驚きだったかもしれません。打高のMEXでプレシーズンから6登板 21回2/3 防御率1.66と好投を続けており、先発投手ながら93-95マイル(150-152km/h)が安定して出ているという現地情報。最後にベネズエラ出身選手を獲得したのがアラウホ、ロンドンなので獲得の可能性が高いとは言えませんが、手っ取り早くこのクラスが獲得できるなら是非とも獲得して欲しい、そんな投手です。
https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=rodrig000niv

🇩🇴カルロス・マルティネス(31) RHP
ご存知の方も多いであろう「Tsunami」の相性で親しまれるMLB通算62勝のオールスター右腕。カージナルスでかつてエースを務め、3年連続二桁勝利にシーズン217奪三振なども記録している大物投手です。そんな彼は今シーズンからメキシカンリーグに。ここまで2先発ながら防御率0点台と流石の格の違いを見せつけており、昨オフは中日のメインルートであるドミニカWLでも先発としてフル回転していました。しかし獲得に向けての障壁になるのは過去の薬物使用歴にDV規定違反。MLBから遠のいているのは素行面の問題による出場停止などもあるので、オスナやバウアーなどの前例はありますが、素行を重視するなら手は出し辛い投手かと思います。
https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=matias001car

🇺🇸クリス・マッザ(33) RHP
2021-22年オフに日韓3球団が調査し、一時期西武入りの噂も流れていた193cm右腕。
カットボールを軸とした組み立てで、高い制球力を武器にゴロを打たせるグラウンドボーラーの先発候補です。昨季もMLBで登板しメジャー通算34登板を誇る彼も今季からメキシカンリーグでプレー。ここまではあまり成績を残せておらず若干旬が過ぎた印象も否めませんが、過去にドミニカWL参加歴もあるので少し注視したい候補です。
https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=mazza-000chr

🇺🇸ジェラッド・アイコフ(32) RHP
MLB通算86登板 21勝を誇る実績十分の堅実な先発候補。2016年にはMLBで規定イニングを投げ11勝 防御率3.65を記録した彼は今季から米独立リーグでプレー。昨季も3Aで100イニング以上投げている点からコンディション面に問題はなく、先日米独立リーグでも初勝利を記録。こちらもMLB通算で与四球率2.66の優れたコントロールを持ち味とした打たせて取るタイプです。あまり中日とは縁がない経歴かもしれませんが、緊急補強を急ぎたい球団は注視しているかもしれません。
https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=eickho001jer

🇨🇺ナイケル・クルーズ(23) LHP
キューバ国内リーグが誇るナンバーワン投手有望株。投手最年少でWBCのキューバ代表入りを果たした若手先発左腕候補です。代表練習試合では中日相手に2.2回完全、ソフトバンク相手にも1回完全、台湾チームの練習試合では自己最速151km/hを計測と大きなインパクトを与えました。国際大会では三振を奪いまくり、今季のリーグ戦では勝利、勝率、奪三振、防御率が全てリーグ2位以内の無双。ジャリエル亡命の件などもあり手を出すことにリスクも生じるキューバ物件ですが、そのリスクを負ってでも是非とも獲得したい投手です。獲得するのであれば、制球に少し課題があるのでまず育成スタートという可能性も高いかもしれませんね。
https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=cruz--000nay


【中継ぎ候補】

🇩🇴マイケル・フェリース(29) RHP
MLB通算228登板を誇り、質の良いストレートを武器に三振を奪いまくる制圧型リリーフ候補。個人的にジャリエルの穴埋めにこんなに最適な救援投手は他にいないと思っています。MLB実績、獲得ルート、現在の状態、投手としてのタイプ全てが補強ポイントに合致。今季まだ4登板ながらMEXでいずれも無失点を記録しており、昨季3Aでも防御率2点台の好成績。MLB通算奪三振率11.81のドミニカンリリーフがメキシコでプレーしているなんて獲得するしかないのでは…?という感想です。
https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=feliz-001mic

🇩🇴クリストファー・オガンド(29) RHP
昨季MLBデビューを果たした母国のWLでもプレーしているドミニカンリリーフ。やや低いアングルから最速157km/hのツーシームを投じ、メジャーの舞台でもゲレーロJr.から三振を奪っていました。今季からはメキシカンリーグでプレー。ここまでは思うような成績を残せていませんが、マイナー通算でも奪三振率10.8を誇り、150km/hオーバーの直球と大きなスライダーを武器に多く三振の奪える投手。候補には入ってくる可能性が高いのではないかと見ています。
https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=ogando002cri

🇺🇸RJ.アラニス(31) RHP
MLB通算で15試合に登板している高い奪三振能力を誇るリリーフ候補。平均150km/h程度のストレートやツーシームを中心に多彩な変化球を操り、昨季3Aで驚異の奪三振率14.19をマークしました。以前オリックス入りの噂も流れたことのある彼ですが、今季からメキシカンリーグでプレー。すぐ獲得できそうなリリーフですが、ドミニカウインターリーグの出場歴もないので中日入りの可能性は高くないかもしれません。2021年にレッズではアキーノとチームメイト。
https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=alaniz001rub

🇺🇸AJ.コール(31) RHP
昨季ヤクルトでプレーし、打高神宮球場を本拠地に34登板 防御率2.75 WHIP1.08をマークした堅実なリリーフ候補。元々のMLB実績も十分であり、コンディション次第ではNPB復帰も視野に入りそうですが、現在米独立リーグで登板できているので途中補強でこのクラスが取れるなら面白いかもしれません。球種が豊富でゴロも打たせられるタイプなので個人的には先発で獲得しても面白いのではないかと考えています。経歴的に中日と縁があるかは少し微妙かもしれません。
https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=cole--001aj-

🇩🇴ロドルフォ・マルティネス(29) RHP
四国アイランドリーグで157,8km/hを計測し、大きな話題を呼んでいるドミニカの怪腕。
過去に最速164km/hを計測するなど球速面のスペックは間違いなく、ドミニカウインターリーグでのプレー経験もある投手です。
しかし球は速いものの、母国リーグと独立リーグでの登板を見て、フィールディング、クイック、変化球等全て大きな課題という印象を受けました。実際今年四国IL(練習試合含む)で5.1回を防8.44 被打率3割超と苦しんでるので、戦力として今すぐには厳しいかもしれません。名前こそ挙げたものの、この年齢ながら育成スタートが無難であり、緊急補強で考えると少し微妙かもしれないです。
https://www.baseball-reference.com/register/player.fcgi?id=martin005rod



さいごに

ここまでお読みいただきありがとうございました。個人的には1人とは言わず「先発とリリーフで1人ずつ、合計2人獲得する」
これがベストではないかと考えています。また獲得の可能性が高いところで言えば、イェンシー・ディアス投手(26)、ナイケル・クルーズ投手(29)、マイケル・フェリース投手(29)、クリストファー・オガンド投手(29)は特に面白く、今後も注視していきたいと思います。

現在中日はこのような状況ですので、ロドリゲス投手の制限選手などの措置も早急に検討し、一刻も早く次の動きにシフトすることが求められます。外国人野手の状態や支配下枠の空き具合を考慮しても先発、リリーフどちらも獲得してファームの層も含めて底上げできれば理想的といった感じでしょうか。

今シーズンの投手運用を見ても、祖父江投手、勝野投手、田島投手の3人が尋常じゃないペースで登板を重ねているので、彼らの負担も軽減できれば理想ではないかと思います。
とにかく途中補強がどのような形であれ実行されること、そしてそれが中日ドラゴンズの勝利に繋がることを一番に願いたいですね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。


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