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船舶の通信士になる為には一体何をどうしたらいいのか???③

こんにちは徒然です、現役の通信士であるわたしが通信士になる為の方法を説明していきます。前回の『船舶の通信士になる為には一体何をどうしたらいいのか???②』では通信士関係の海技士資格には必ず無線従事者資格が必要ですよ、という内容でした。今回はその他の必要要件について説明します。(上の画像は変わらず拾い物です、緑地金三本線の肩章は局長用ですね)

①の終わりに、通信士関係の海技士資格で必要な要件は

・対象の無線従事者資格

・乗船履歴

・船舶局無線従事者証明

・必要な講習の受講

と書きました。②では対象となる無線従事者資格について説明しました。

③では『乗船履歴』『船舶局無線従事者証明』『必要な講習』についてそれぞれ説明していきます。(ちなみに現役の海技士免状取得者(航海でも機関でもOK)は乗船履歴と必要な講習はクリアしています、有利ですね)

⛴乗船履歴について。『乗船履歴』あるい『履歴』とだけで表現される場合もありますが、これは船舶での職務歴のことです。海技士免状取得には職務歴が必ず必要となってきます。海事系の学校は資格取得に向けたカリキュラムによって、本来必要な乗船履歴を短期間で履修できる認定を受けているので実際に働く前に乗船履歴をつけることができ、何かと有利になっています。この乗船履歴、基本的には『航海士になりたいよ~🙂🙂』という方は航海士が所属している甲板部で採用され、その部での乗船している期間が乗船履歴として認定されていくことになります(これは機関部でもシステムは同じ)。通信士関係の海技士(通信/電子通信)でも同じく必要な乗船履歴はどの級を受ける場合でも『6ヶ月』となっています。みなさんはこの6ヶ月、どのようなイメージでしょうか???

あくまで航海や機関などの海技士に比べてですが🙄、通信士関係の各級に必要な乗船履歴が6ヶ月というのは海技士資格の乗船履歴としてはめちゃくちゃ短い履歴期間になります。例えば、6ヶ月の乗船履歴で1級海技士(電子通信)を受験する資格が与えられることになります。(当然その他の必要要件を満たす必要はある)

そして、ここめちゃくちゃ大事なんですが!海技士(通信/電子通信)は船での仕事部署はどこでも構いません(厳密にいうと規定がない)。すでに航海や機関の海技士資格をお持ちの方は、お持ちの海技士免状を取るにあたって付いた乗船履歴は間違いなく6ヶ月はあるはずです。したがって新たに無線部としての乗船履歴が必要、ということはありません。これはこれから海技士免状を取得するという方にも非常に有利な話で、甲板部/機関部どちらでも海技士(通信/電子通信)の履歴を貯めることはできます。ある部署での乗船履歴が違う部署の乗船りになる、ということは基本的にはありません。海技士試験の乗船履歴で他部署の乗船履歴が使えるというのは(電子通信/通信)だけです🤗(これ現役航海士などでも知らない人多数、通信士関係の海技士資格取る人って少ないですからね)

特に現役の航海士の方(5級航海以上)は1海特をお持ちの方がほとんどだと思います、3海通を取得すれば3級海技士(電子通信)にするのは講習の受講と申請のみですよ🤗

このnoteではどちらかというと全くの無資格の方を対象に書いていますので、『船乗ったことないんだけど、乗船履歴どうやってつけたらいいんですか?』と思った方もいるかもしれません。そういった方が乗船履歴をつける為には実際に船会社に就職し現場で働くしかありません。(わたしの知っている限り甲板部はもちろん、機関部でも可。司厨部でもいいのかな?乗っていればなんでもいいような気がする、フェリーのマリンガールでもいいのか?そこまでは知らない…😥、船員手帳に履歴としてカウントされていればいいような気がする🙄)

その会社で船員としての働くとこを業界では『雇い入れ』と言いますが、雇い入れをすると多くの場合その人の船員手帳が発行され、船員としての雇い入れ期間がそのまま乗船履歴としてカウントされることになります。船員手帳には雇い入れ内容(会社名や船の大き、役職や航行区域や船の用途)やその雇い入れ期間を記入する箇所があり、海技士試験の申請時には船員手帳が履歴の証明として扱われます。

(通信士になりたいのに、どこかの船会社に就職して乗船履歴を貯めないと海技士免状取れないの???めんどくせー・・・)と思われた方、全くその通りですが海技士資格の取得には必ず乗船履歴が必要です。海技士の資格を取得するために海事系の学校に通う大きなメリットは、学生のうちに海技士に必要なカリキュラムの履修と実習船での乗船履歴の獲得、この2つがかなりの部分を占めています。もう学生でもないし船にも乗ったことがない、という方は実際に船会社で働くしかありません。無資格でも船員を募集している会社はありますし、これは異論反論あるかとは思いますが、無資格の方が条件を選り好みするのはあまり感心されないかもしれませんね。もちろん労働条件の悪い会社やパワハラが行われている会社は良くないですが、あくまで未経験者であり、あまり色々を選べる立場にないということは念頭に置く必要はあると思います。

本当のところをいうと無線従事者資格は『過去問と参考書買って気合と根性で取れ』、乗船履歴は『どこでもいいから船乗って気合と根性で6ヶ月履歴作ってこい』という大正論での殴り方、気概の確認としはマジで正しいんですけど(←これは本当に表現としてはある意味最高純度で正しい。なぜかというと無線従事者の資格も取れない履歴もつけれない人は業界内では価値がないから)、それだと未経験の方は殴り倒れされた後立ち上がれないので、わたしは無資格未経験の方もどんどん応援していきたいと思います🤗。しかし無線従事者資格同様、『乗船履歴』も必ず必要になります。これも通信士になりたいけど・・・と思う無線従事者資格をお持ちの方100人いたら100人行動できていません。最終的には通信士を目指す、にしても船会社で実際働いて得た経験と知識は後々必ず役に立ちます(むしろ現在において通信士の業務は多岐に渡る場合がほとんどで、船の経験はもちろん事務や他のアナログな船員ができないようなことをあっさりできるくらいの人材でないとやばい気はする・・・)、海技士未資格から通信士を目指すには100人諦める中、勇気を持って歩き出した1人になるしかありません。

長くなったので、『船舶局無線従事者証明』『必要な講習』はまた次回。ただ、無線従事者資格と乗船履歴をゲットできた方、後の2つは簡単にいえば講習会への参加するだけのものです、ここまできた方は海技士免状はもうすぐそこなのです。

TKS BIBI  OUT

(note内の内容にて質問ある方、ここ事実と違うぞ、ここをより詳しいことを知りたいよ、う〜ん好き!、という方はコメントください)



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