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出発ⅩⅩⅧ(漂泊)

この道をどこまで行っても、僕は僕。

僕は自分を豪快に投げ出したい。

暗闇のなかで、誰かが踊る姿を、ただ眺める。

なぜ、空へ行くより、海へ行く方が簡単なのだ
ろう。

ここの角を曲がればそこに着く。

幾ら世界が進んでも、ここそこに荒野はあり、
ここそこに長屋はあり。

旅に期待してはいけない。分かっているかい。

夜に降っていた雨が、朝止んでいるとは限らない。

旅をしないという旅もあるんじゃないだろうか。

僕は息をするように、旅をしたい。

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